studio Odyssey




明日もまた、エッセイ?

『ひとつの事実は…』(2001/2/1)

 ひとつの事実は、決して、
 ただひとつの真実ではない。

 持論だ。

 僕は自分で納得のできないものは、何一つとして信じない。自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じてたものしか、信じない。ニュースは信用しない。先入観は持たない。ひとつの事実は決して、ただひとつの真実ではない。

 航空機ニアミス事件がマスコミを騒がせている。
 んー。

 どうも、釈然としないものがある。ニュースを見ていて、聞いていて、どうも、釈然としない。何か、違う気がする。

 10メートルって、本当だろうか。あのサイズの飛行機が、10メートルしかない距離ですれ違ったら、落ちるんじゃないか?もっと、想像を絶するすごい事態に、なるのではないか?

 もしもこれが、事実をねじ曲げた、誇張によるニュースだとすると、すべてのソースを僕は疑う。

 となると、僕は何も信じない。自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じたものしか、信じない。

 そうしてまっさらな状態で情報を整理してみると、釈然としない理由に、気づく。

 管制官ばかりがクローズアップされている。なんか、まだ真実は見えていないのに、管制官のミスだと、皆が決めつけている気がする。

 違うかもしれないぞ。

 先入観は捨てないと。たしかに、管制官はミスをした。それは、ひとつの事実だ。
 だけど、なぜ?

 なぜ、ふたりの管制官が、指示を出したのか。その理由は?
 そして、なぜ2機のパイロットたちは全くクローズアップされてこないのか?そしてあの交信記録に残されている、本当のこととは?
 「957便」の、意味は?

 ひとつの事実は決して、ただひとつの真実ではない。
(航空機ニアミス事件を取り上げた話。航空管制官の過剰労働などもこの後にクローズアップされたりもしたが、この事件がその後どうなったかは定かではない)