studio Odyssey




毎日が、エッセイ?

『恋愛の神様へ』(2000/7/28)

 恋愛の話をしよう。

 もうずいぶんと彼女いない歴を更新し続けているわけで、まぁ、別に彼女が欲しいわけでもないし、もしもいたとしても、きっとこの生活を続けている僕に、彼女は愛想を尽かすだろうから、別にそれはそれでいいのだけれど、ときどき、一人で電車に乗っていたりすると、ふと、思うことがある。

 この世界には、だいたい、6:5くらいの割合で男と女がいるわけで、きっとたぶん、彼女がほしいなぁと思っている男と、彼氏が欲しいなぁと思っている女の割合もそれくらいのはずだろうに、妙な話だ。

 すべての男と女は、恋に落ちることがない。

 これだけたくさんの人がいて、たくさんの人たちがきっとそう思っているはずなのに、妙な話だ。
 どうしてなんだろうね。
 恋愛の神さまがいるのなら、聞いてみたいものだ。「忙しいんですか?」

 胸ときめかせる女の子が、そりゃ、僕にもいる。何人か。っていうか、何人かっていうのは失言か。

 そしてたぶんきっと、その子たちにこんな風に聞いてみれば、「彼氏欲しいと思う?」
「思う」

 そういう答えが返ってくるだろう。

 なのに、何か、変な話だ。
 電車の女性誌の広告には、「これでこの夏モテる方法」だとか、「彼氏ゲットの合コン術」だとか。
 男性誌には、「女の子はこんな彼が欲しい!」だとか、「カッコイイ男、夏の10のスタイル」だとか。

 そんな話がたくさん乗っていて、「彼氏、彼女が欲しい」ひとが溢れているはずなのに。

 すべての男と女は、恋に落ちることがない。

 誰か、この疑問に答えてくれと思うことがある。なっくるPにでも聞けば、きっと、面白い答えを返すんだろうが、奴に聞くのはしゃくだから聞かないけれど。

 ま、何にしたって、思うに、すべての男と女は恋に落ちることがない。

 それはたぶんきっと、「恋愛の神さま」が怠けているからなんだろう。いやたぶんでなくて、絶対。

 もっとも、その神さまはみんなの心の中に住んでいるのかも知れないけれど。

 だからそれは、結局は僕も含めての話なのかも知れないけれど。

 夏です。

 暑い夏の始まりに、一人電車の中でそんな雑誌を読む可愛い女の子に、ぼうっと思ってみたり。