studio Odyssey




毎日が、エッセイ?

『いっそ洒落なら』(2000/6/23)

 結局のところ、なんとなく、僕は勇気のない、僕なわけだと思うことが最近多い。

 今日、たまたま、高校のころにちょっとかわいいなぁと思っていた女の子をちろっと見かけた。本人かどうかわからなかったけれど、本人にたぶん間違いなくて、声をかければよかったのに、それを確認するだけでも良かったと思うのに、結局それが出来なくて、こうして日誌に書いてみたりするわけで、結局、僕は勇気のない、僕なんだなと、ちょっと思ったりしちゃったりしたわけだ。

 たとえば、これが現実世界と関係のない空間だとして、たとえばこんな、電脳世界の空間だとしたら、簡単なことなんだろう。

 たとえば、僕は、もしも小説にこんなシーンがあったとしたら、その主人公にどんな言葉を言わせるだろう。

「こんばんわ」
 なんて始まって、 「ごめんなさい。もしかして違っていたら、ナンパです」
 なんていう風に言葉をかけさせるだろうか。

 けど結局、そんな台詞が頭に思い浮かんだところで、その台詞を口にするほど、僕はドラマの主人公にはなれなくて、結局、なんだって感じ。

 これからもきっと、そんな僕がずっとずっといるんだろうと思う。
 だから、もしかしたら、僕の言葉を待っている人がこの世界にいるのだとしたら、ごめん。僕はたぶん、もっともっと時間をかけないと、その言葉を口には出来ないんだと思う。

 だから、ちょっと、僕にチャンスをくれないかなと思う。神さまでも、誰でも、君でも。

 もうちょっとしたら、もしかしたらって、思ったりなんかしたりして。

 それもまた、ドラマのひとつになるのかな。なんて。

 青い台詞はいくらでも出てくるけれど、口にはしない僕。
 もしかして僕が「結婚しよう」なんて台詞を吐くときがあるとしたら、きっと、僕は笑いながら、ジョークな風にしか言えないんだろう。

 そう言えば、スタッフの誰かが僕に言ったっけ。
 もしも僕の彼女が僕と結婚したいと思っていたりしたら、こう助言してやるって。
「『ねぇ、洒落でケッコンしない?』って言ってみ」って。

 たぶん僕はそれで二つ返事でOKしそうな気がするところがまた、結局僕は僕なんだなぁと思う。

 ダメじゃん。