studio Odyssey




毎日が、エッセイ?

『心に眠る言葉』(2000/4/6)

 新入社員のみなさんが電車にいっぱい。そして、中学、高校、大学でも、新しい生活をはじめる新入生の皆さんがいっぱい。

 かくいう自分を含むスタッフの何名かも、その中に含まれているわけで、結構、この時期は、いろいろと思うことが多いわけであります。

 これからの生活、一体、何があるでしょうね?いいこと、悪いこと、辛いこと、楽しいこと。

 だけれど、この時期になると必ず思い出す、ひとつの台詞があります。僕は、あまりこの台詞をみんなには言っていないけれど、普段は、「人生は独断と偏見と、勘だ」なんて言っているけれど、僕が、このいつもの台詞よりもずっとずっと前から知っている台詞。

 今日は、この春に、この台詞を書くことにしようと思います。

 僕がこの台詞を知ったのは、小学校6年生の時だったんですね。小学6年生の科学だったか、学習だったか、その記憶は定かではないんですけど、そのテの本に載っていた台詞です。

 今考えても、思います。

 この台詞を書いたエディターは、きっと、小学校6年生の僕らに、この台詞の意味なんか、理解できると思って書きはしなかったでしょう。実際、今でもその台詞の意味が本当に理解できているか、僕にはわからないです。けれど、僕の最も根底の部分で、その台詞は僕を支配して、そして、そのエディターがそうしたように、今は理解できなくても、いつか理解できる、たったひとつの台詞、それを受けとめて欲しいという気持ちは、今の僕の全てに繋がっていると思います。
 そしてそれは、こんな台詞でした。

「これからの未来、全ての新しい生活に心躍らせる皆が、夢と希望を抱いた皆が、いくつもの困難に出会うことだろうと思う。だけれど、今、旅立つ君らに、この台詞を送ろう。
 努力なくして、夢を語る資格なし」

 その言葉の持つ本当の意味が理解できるのは、きっと、もっと、大人になってからなんだと思うのです。
 だから、僕もこの台詞の意味を求めるものの一人として、皆にこの台詞を送ろうと思うのです。

 新しい春に。