studio Odyssey




毎日が、エッセイ?

『しんしんと降る雪は』(2000/3/10,15)

 明日から、スノーボードをしに行くのである。今、”しにいくのである”が”死に行くのである”に変換されて、ちょっと、どき。さい先のいいスタート。

 それはともかく、僕、ついに1メートル以上雪が積もっている場所、初体験。どきどきです。見たことないもの。そんなに雪。

 ので、当然、ボードも初体験。っていうか、スキーもしたことないし。

 怪我して帰ってくるつもりはないですが、怪我して帰ってくると思うので、あたたかく出迎えてください。僕って結構おこちゃまだから、そういうタイプなの。

 なわけで、行って来ます。
 っていうか、まだ準備もしてねぇや。

 帰ってくるのは15日なので、日誌はそれまで、しばしのお休みです。

………

 さて。

 そんなわけで、返ってきました。(エッセイにまとめると、あっという間ですな)
 で、じゃあ、早速と、1メートル以上に積もった雪を見た僕がどんなことを思ったか、ちろちろと書いていきましょう。

 まず、降る雪を見上げていて思ったこと。

 しんしんと雪の降る漆黒の夜空を見上げていると、まるで、自分の身体が宙に浮いていくような感覚を覚えますね、本当に。これ、詳しくいうと、視覚誘導自己運動感覚。って、何げに自分が大学4年生で研究していたテーマだったり。
 難しい話はやめましょうか。

 降り注ぐ雪を見つめていると、自分の身体はとまっているのに、降る雪がいつしかとまっているように見えだして、なんか、自分の身体が宙に浮き出すような気になるんですね。これは、雨のように速い速度で降るものでは、視覚が追いついて行かなくてわからないのですが、綿のようにゆっくりと降りる雪では、こんな感じを受けられるんです。

 なんか、そんな感じをずーっと受けながら雪の降る夜空を見上げていると、もしも雪の妖精がいるのなら、いつかこの手を取って、大地の重力の束縛から僕を解放してくれるんじゃないか…なんて。

 雪の降る地方の方からすれば、「何いってんだお前」ですね。

 ですけど、僕にとってそれは初めての経験だったんですよ。普段雪を見慣れている方々、あなた方の見ているものは、僕らからすると非常に幻想的で、神秘的で、新たな感動を与えてくれるものなんです。

 逆に、普段僕らが見ているものも、他の人から見れば、非常に幻想的で神秘的だったり、新たな感動を与えてくれるものだったりするのかも知れないですけど。

 そういう感覚を忘れないうちに、たくさん、いろんなものを経験したいと、雪の降る夜空を旅しながら、思うのでした。