studio Odyssey




これもまた、エッセイ?

『message of 512Byte』(99/10/16日誌より)

 今、ちょっと面白そうだなと思っているのが、こういう、ショートメッセージのシリーズ。

 まず、書くのに時間がそれほどかからない。そして、それでもいろいろと表現できるんじゃないかな、なんて。

 え?メッセージの真意?

 それはまた別の話としても、思うに、世の中、何でもかんでも大容量に傾いている気がする。
 インターネットの通信速度も、携帯電話の通信速度も、何でもかんでも速くて大容量化を推進している。
 HDだってそうだし、メモリだってそうだし、記録メディアだって、そう。

 けども、ちょっと待てよ。

 何でもかんでも、でかきゃいいってモンじゃないぞ。

 たとえば、文字データはパソコンのデータの中で最も小さい。日本語なら、1文字2バイト。つまり、画像ファイル32KBなんて言ったら、文字で書けば16384文字。原稿用紙、40.96枚分にもなる。

 32KBって言ったら、だいたい、どのモデムでも1秒で読み込める量だ。携帯電話の転送レートだって、この速度。

 1秒で、16384文字、一気に読めます?

 何でもかんでも、速きゃいいってモンじゃなく、量がおおきゃいいってもんでもない。

 たとえば、16384文字の言葉たちより、たった5文字で、胸を打つ、全てを伝えられる言葉たちを、僕は知っている。初めに書いた512Byteを、たった10Byteにすることもできる。

 たとえば、
 好きです。

 どんなに長い台詞より、どんなに大きなデータより、たった5文字。
 それだけでも十分なのに。

 世の中、何でもかんでも大容量。