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よく、夏のこの時期になると雑誌やらなんやらでやる企画の中に、「あなたの霊感は?」なんて言うのがある。
僕は霊感はないと思うんだが、あの手のテストではよく高得点になることがある。
けれども、別に幽霊とか、見えたりはしないんだけどね。
だいたい、幽霊とかあの手のものは、「恐い」と思っていると「見えてしまうもの」なわけで、別に、暗闇の中を飛ぶ白い光とか、そういうのが見えたって、別にそれと幽霊とは、何ら関係ないんでしょ。
ないんだよね?
ないって事にしておかないと、いつも見えてるものが、なんとも今後どう受け取っていいものやらなので、関係ないって事で。
だいたい、幽霊ってのは、非科学的でいけない。これでも一応、理系人間なわけで、非科学的なものは信じない。まぁ、この目で見たら、話は別だけれど。
だから、暗闇に飛ぶ白い奴とか、写真に写ってる妙ちくりんな目を引くカゲとか、そういうのは、見えていてもきっと錯覚。錯覚。うん、錯覚。
ときたま、古い曰く付きの建物とか、曰く付きの場所とか、入った時にぞぅわっとするのとかも、きっと、気のせい。気の迷い。気圧の変化かなんか、そんなんだろう。
「なんか、急に無口になってない?」
と聞かれて別に返答しないときはそういう感じだからとか、そういうのはまた、別の話。
夜道で、なんかイヤーな動く物見えたとしても、きっと錯覚。車の助手席に誰か乗ってる様な気がしても、錯覚。
幽霊なんか、いない。
いない。
だから僕が見えるのは幽霊なんかじゃない。
霊感なんか、高くない。
じゃないと恐くてトイレにも行けない…