studio Odyssey




これもまた、エッセイ?

『あなたへのメッセージ』(99/9/7日誌より)

 今日は、ちょっと、個人的な事を書く。
 僕から、"あなた"へのメッセージ。"あなた"のために、ちょっと、書く。"あなた"がここを読むかどうかは、わからないけれども。

 僕が書く全てのものは、全部、過去の僕へのメッセージだ。今まで生きてきて、たくさんの人を傷つけたと思う。そして、僕も、たくさん傷ついたと思う。だけど、僕は、今まで生きてきた。

 だから、その僕に、メッセージを僕は送る。お前の生き方は、きっと間違ってない。今、お前はこうして生きてる。だから。

 だから、僕は書く。僕の書くメッセージを、僕に。もしかしら、僕と、同じ気持ちの人に。もしかしたら、"あなた"に。

 なんで、僕がこんな事をするか。っていうと、僕も、実は、そうされたことがあるから。 僕がどうしようもないくらいに落ち込んで、自分がダッサく思えて、生きてて意味、あんのかな、なんて思っちゃったときに、僕も、そうされたことがあるから。
 映画の、たった3秒の台詞に。

 んでもその映画っていうのが、「男はつらいよ」の、寅さんが言った台詞なんだけども。

 ダサイでしょ。カッコ悪いでしょ。でも、僕はその台詞にすごく救われたんだ。寅さんは言った。少年が、「自分はものすごくダッサクって、カッコ悪くて、なんなんだろう」と言ったときに。

「いいじゃないか、下賤で矮小でも。それに気づけば、もう、そうじゃない」
 って。

 いくつもの僕自身が考え出した理屈やら、自己防衛の台詞やらよりも、寅さんが言ったその一言が、どれだけ僕の背中を押してくれたことか。

 僕はだから、僕の書く全ては、その時の僕に、読む誰かに、一言でいい、捕まえて欲しい言葉があって、書き続けている。それは僕が感じてきたことでもあるし、僕の思いでもある。寅さんと同じ。

 その時の自分を支えてくれた作品と同じように、一言でいい。僕の書き出す言葉のひとつで、僕を、"あなた"を支えてあげたい。できるかどうかわからないけれど、だから僕は、それでも僕は、書き続ける。
 僕が"あなた"へ、メッセージを送る理由。