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雨に降られた。
傘をもってはいたのだけれど、あまりの大雨に、傘の意味もなく、濡れて歩いていた。
面倒くさくなったので、傘を閉じた。
閉じて、雨に濡れて歩いた。久しぶりに。
雨が好きだ。
という話は何度かしているけれど、こうして、雨に濡れて歩くのが結構、好きだ。
土砂降りならなおのこと。
あきらめもつくということもあるけれど、普段は忘れていることを、思いだせる。
夏の雨は冷たくない。
むしろ、気持ちがいい。
ばたばたと降る雨はシャツを濡らして、ジーンズの色を変えて、そしてなんとなくその雨に濡れて歩いている自分を、笑わせる。
雨に濡れて歩いていると、傘をさして歩く人が妙におかしく思えてくる。
もしかしなくても、おかしいのは自分かもしれなくても、そんな気分になれる。僕は、そういう自分が好きだし、そういう時間が好きだ。
ぬれねずみになって、玄関をあがって、笑う。
「濡れたー」
手に、傘はあるけれど。
そういう時間と、そういう自分が、まぁ、意外と、好きだ。
だから、雨は好きだ。
今日は久しぶりに、雨に濡れて歩いた。