studio Odyssey



GM's Memo

 セッションに使用されたGMのメモやその他の設定などです。

00:このメモについて

 このメモは、セッションにおいてGMが用意し、実際に使用されたメモや設定、その他、シナリオに関するさまざまなものをまとめて公開し、シナリオ作りの手助けのために公開するものです。
 大抵はメモレベルなので、そのまま使うわけには行かないとは思いますが、参考にしてください。

01:第二回セッション

開催日
2006.07.29
開始時間、および所要時間
13:00から20:00
冒頭のだべりを含む
GM
しゃちょ
Othersに掲載されているショートキャンペーンのGM
Short Session 01のGM
PCの変動について
物語の後半から、フェローチェ、エレミア、フルールが撃沈
セッション内で特筆すべきこと
あまりにも長すぎたので、途中で止めるべきであった

セッション終了後の、GMのコメント

 セッション全編をリプレイから振り返ってのコメントです。
 マスタリングの裏事情なんかをメモっておきますので、参考にしていただけたらと思います。(このメモはGMに書いてもらっています)

  • 今回はせっかく現代と同じ世界を舞台にしているのですから、その雰囲気を出そうと思っていました。花火大会の警備という依頼を思いついたのは、セッション前日です。ちょうどセッションの当日が隅田川の花火大会だったので。
  • 冒頭のだべりは、時間的にはもったいなかったですが、PC達の一面が見られてよかったです。というのも、導入をどうしようかと考えていたので、実はこいつら、仲良くやっているんだなぁと思って、安心しました。
  • 私服にさせたのは、シナリオノートを見てください。決して、私服イベントをやりたかっただけではありません。(それが大きいというのは、否定しませんが)しかし、意外とみんなさらっと私服を答えたので、キャラが頭の中にできているんだなぁと思いました。
  • ジッポーは、懐中電灯の所為で、ダンジョン内でファイヤボルトを使う機会がないということで、ここからでもサラマンダを呼び出せるようにしました。手に持っていなければ、取り出すのに1ラウンドとしてください。でないと、あまりにも簡単にサラマンダが使えてしまうので、ゲームで頭を使わなくなる可能性があるからです。
  • 「プリーストだとわかる」は、シナリオノートにもありますが、要するに、誰かをさらうつもりだったのです。そうすることによって、プレイヤーの人数を一人減らし、GMの負担を軽減するつもりでした。つまり、アルがさらわれる事が、GMとしてはもっともベストなルートだったわけです。
  • 最初のアルの港湾地区の説明は、後半でバルクが言っているように、ヒントを入れてあります。実際のセッションでは、通風口とは明示的には言いませんでした。「塔みたいの」というニュアンスにしてあります。リプレイでは、書き直していますけどね。
  • 詰め所のポイントは、オチにも書いてますが、意味はありません。こうしておけば、プレイヤーが積極的に参加してくれるだろうと思ったから言っただけで、単なるギミックです。最終的には経験点に追加しましたけど。
  • フルールの友達は完全にアドリブです。
  • グラランのティップは仕掛けです。これは固定イベントでしたので、GMの思惑通りに引っかけられました。
  • 橋のロープは予想していませんでした。これはいい案ですね。
  • 橋からの落下は、全国のみなさん、ごめんなさい。フェローチェに振らせればよかった…
  • 誘拐のシーンは、時間とフラグで発動する予定でした。時間的にもちょうどでしたし、フラグも踏んでいたので、ここで起こしました。このイベントが起きると、結果的に、シナリオの裏は見えなくなってしまうのですけどね。
  • ハルモニアがバードとフルールが言ったときには、ちょっと焦りましたが、まぁ、芸術神のヴェーナー信者なら、バードでもいいだろうと言うことで、彼女はヴェーナーの神官になりました。歌って踊れる神官の、誕生の瞬間です。
  • 質疑の時のバルクの失敗している判定は、相手がシーフであるか、気づくかどうかです。成功すれば、シーフ技能を持っているような動きだったという事がわかります。
  • 理事会室のシーンで止めておくべきだった。これはミスだなぁ。
  • 教師達に頼らないというのは、この流れなら妥当でしょう。別の流れなら、確実に頼るとは思いますけど。
  • 通風口からの一連の流れは、足跡を見るように誘導しなかったので、迷わせてしまったかもしれません。地下に入ってからは、GMから水を向けました。迷うと思ったので。
  • 時間は花火です。単にエンディングとあわせたかっただけです。
  • 老人は伏線だったのですが、踏まなかったのでわからないと思います。
  • インプも伏線ですが、踏んでません。
  • 同じく、スリープで寝ているのも伏線ですが…
  • 全体としては、キャンペーンへの導入ということで、いろいろばらまいたのですが、全体像が見えずに終わってしまったかも知れません。まぁ、それはそれでいいとは思いますけど。持ち回りGM制ですし、キャンペーンがどうなるかは、わかりませんしね。

シナリオノート

 今回のシナリオノートは、実際に使用された部分と、公開しても問題のない部分を一挙に掲載します。
 かなりたくさん書かれていますが、参考にしてください。

GMの思惑

 今回のセッションは、SW200xの独自の世界観である、「現代と同じ」世界を出すことが目的。
 ついでに、夏なので、夏っぽい話も出そうと思う。夏と言えば花火、ちょうどセッション当日は、墨田川の花火大会なので、ここ、オランも夏の納涼花火大会的な事をやろう。舞台はオランの港湾地区。イメージとしては、横浜のイメージでいいだろう。横浜の花火大会はもう終わってしまったけれど、そのイメージで。
 それから、そろそろ縦糸を出しておこうかなぁとも思う。もちろん、SW200Xらしい縦糸がいいと思う。1500年後のアレクラストを揺るがす、キャンペーンで利用できそうな仕掛けと言ったら…

追加設定・舞台
オラン
アレクラスト大陸南岸に位置する、大陸最大の都市。この都市は、上下水道が完備され、道は全て石畳で完全舗装されている。街の中央には威風堂々と王城、エイトサークル城がそびえ、その北東、太陽丘の向こうには商業の大動脈、ハルザード川が流れている。(公式)
追加設定・人物
今回はティップと即興のハルモニア以外のキャラクターの設定がありましたが、登場していないので、割愛します。
冒険への導入(*注:実際にはこれと導入への流れは、使われていません)

 気がつけば、八月が迫っているわけだ。
 八月と言えば、夏休みだったりするわけで、ご多分に漏れず、俺らの通うここ、オラン冒険者学校も、八月になれば夏休みになるわけなんだが…俺はその八月を前に、頭を悩ませていた。何に?決まってる。来るべき、夏休みに。

 一年の頃なら夏休みは課題をちょろっとやって、だらだらっと過ごすだけだったわけだが、二年からは違う。そう、知っている人は知っているだろう。知らない人はおいていくぞ、義務教育じゃないんだからな。うん、そんなわけで、留年の危機なわけだ。

 二年の頭からやらなければならないフィールドワークという、要するに実習なんだが…実は、俺はまだそれを、一回しかやっていない。
うん、笑い事じゃない。しかも俺は、パーティリーダーなのに、だ。

 何故って?
 リーダーなら、そんな心配をするなら、メンバーを呼んで、フィールドワークに行けばいいだろうって?その通り。まさにその通りなんだが…行きがかり上、パーティを組むことになったウチのパーティメンバーときたら…まぁ、それはいい。
 何にせよ、だ。

 このタイミングでフィールドワークを請けておかないと、一ヶ月に及ぶ夏休みを、おそらく俺はひとつのフィールドワークもせずに過ごす!となると、どうなるかわかるか、諸君!

 うん、留年。

 と、言うわけで、俺は学校の依頼事務局前の掲示板で、依頼をあさっていたわけだ。さっきまで。
 で、いい感じのを見つけた俺は、さて…
 何度目かの葛藤の末、ケータイを取り出した。
 あ?何の葛藤って?
 いやほら、俺ってば、健全安全好青年なわけで、同級生でパーティメンバーとは言え、女の子に電話をするなんてーのは、はづかしいわけよ。
 誰だよ、今笑った奴!屋上、前歯な。

導入への流れ

 アルがパーティメンバーに電話をかけるところから始まります。
 まずはバルクにかけます。ここで依頼の内容を話します。以降、依頼の内容は話しません。(かくかくしかじかです)

 バルクに話す依頼内容は、「港湾区域である花火大会の警備」についてです。港湾区域は、オランの東側にあります。常闇通りの南です。ハルザード川に面した東側区域で、現在のイメージで言えば、横浜に近いイメージです。海外へ渡航するための桟橋などもあります。倉庫街というイメージではありません。オランは都市なので、倉庫街のようなものは現在のオランにはあまりありません。

 警備内容の詳細は、二日後の週末にある(土曜日です)花火大会の警備です。この花火大会は非常に有名で、イーストエンドからの職人を招いてオランの国王が始めたの事を発端としています。歴史ある、オランの夏の風物詩で、国内外から観光客が押し寄せます。

 警備と言うことですが、オランの国家警察も人員を割いています。冒険者学校のフィールドワークとして出されている依頼は、この警備のサポートです。万引き、置き引き、喧嘩、その他のいざこざ、交通整理など、その場で判断可能なさまざまな事象に関しての対応を求められます。
 バルクにはここまでを話ます。

 ついで、フェローチェに電話をします。フェローチェに伝える内容は、上記をかくかくしかじかと、警備は私服で行う事です。(これはバルクにも話した事にします。PCを立たせるために、各々、個別の導入をしていると考えてください)私服で警備を行う理由は、私服警備員巡回中と同じです。これに伴い、武器や防具などの装備を一瞬で装備するためのマジックアイテム、アポートウェポンとアポートアーマーのリングを借り受けます。なお、依頼は警備ですが、ふとどきものを捕まえた際は、警備員詰め所に連れて行くのだと話します。これにより、点数がもらえます。この点数は、シナリオ終了後に申告してもらうので、メモしておくように伝えます。(ただし、これは申告させるだけで、意味はありません)

 ついで、フィリシスに電話をします。フィリシスには、ルーンマスターである事を理由に、依頼事務局から、アポートリングの他に、魔晶石の支給があることを告げます。これを申請して取りに行かなければなりません。なお、ここで渡される魔晶石は1D/2 + 3(端数切り上げ)です。この魔晶石は、3つ支給されます。任意の三人に割り当ててください。なお、シナリオ終了後にこの魔晶石は回収します。(これは、魔晶石を積極的に使わせ、罠にはめるためです)

 エレミアとフルールは学食にいるはずです。アルは二人の元に向かい、同じ話をします。質問があれば、受けてください。警備にはアルたち以外のパーティも参加しています。その数は10組を超えます。この警備は毎年学校が請け負っている、伝統行事であると伝えてください。少なくとも、設立以来、この依頼があることも伝えてください。なお、報酬は一人300ガメルです。前金は100ガメル渡されます。

冒険シナリオ本編

 依頼を受けた一行は、港湾地区の駅前に集合します。駅名は港湾地区入り口です。アルは一番に来ています。パーティリーダーだからという事にします。
 PLに、一番に来るのは誰かを聞いてください。一番に来るPCの服装を聞いてください。そして、順に各PCの服装を聞いてください。これはこのシナリオのギミックに影響します。

 全員がそろった後、詰め所に一行は向かいます。この詰め所には、何か問題があったときに報告に来るようにと言われます。先に出した、ポイントは、ここに問題を起こした者を連れてくる事によって、与えられることを説明します。

シナリオのギミック

 このシナリオの目標は、(少なくともGMは)警備の成功ではありません。このシナリオの敵役は、冒険者学校の卒業生で、ファラリス信者の男とそのグループです。このグループは、プリーストの拉致を目的としています。
 このキャラクターの設定は「追加設定・人物」を能力値その他はキャラクターシートを参照してください。

 彼らは部下の者たちをこの花火大会の人混みに紛れ込ませて、フィールドワークに出たばかりの二年生(あわよくば上級生)を拉致しようと狙っています。そして実際、何人かは拉致されます。(PCが拉致できなかった場合は、この者たちを救出するシナリオとします)

 彼らがこの花火大会にフィールドワークで学生たちが出張っている事を知っている理由は簡単です。リーダーの(名前は伏せます)が、卒業生だからです。

服装の確認

 駅前の集合で服装を確認する理由は、アル、フェローチェ、エレミアが一見してプリーストであるとわかる格好をしているかどうかです。聖印を身につけていれば、プリーストであるとばれます。(潜入している盗賊が駅前で見張っているか、(ここにはギミックがあるので伏せます)が見ているからです)
 アルは一見してファリス信者だとわかる格好はしていません。PLがそのようなことを言った場合は、その限りではありません。

警備のシークェンス

 警備はさいころを振ってランダムに決定します。時間とのかねあいを考えて、適当に組み合わせます。
 キーとなるものは以下です。以下は、一定の条件の後に発動します。

勧誘
何らかの理由によってプリーストとばれている者が一人になったときに起こります。(アルは勝手には一人になりません。PLがそうさせたときです)
一人になったプリーストに、花束を持った異性が声をかけます。(アルであれば、色白の女性で、それ以外であれば道を尋ねるようにして声をかけてくる男性です。その時のロールプレイは、彼女との待ち合わせでもしているかのように見せかけます)
アルの場合、このシーンはここでカットされます。それ以外のキャラクターの場合、15を目標値に精神抵抗をさせます。
失敗した場合、別のチャンネル、または1:1で理由を説明し、アルをプレイしてもらいます。その後、拉致されたプリーストはいつまで経っても帰ってきません。なお、登場する異性は、(ここはギミックなので伏せます)です。
シナリオは救出シークェンスになります。この時、ティップとすでに出会っていれば、ティップは連れ去られる姿を目撃しています。
友達の誘拐現場
誰かがプリーストとばれていて、かつ、何も起こらない時に、友達が祭りに来ている事が前提です。
レンジャー、またはシーフは聞き耳の判定で8以上の達成値を得ると、悲鳴を耳にします。悲鳴は路地から聞こえ、聞いたことのある声です。PCたちが駆けつければ、いままさに車に押し込まれようとしている友達のパーティのプリーストがさらわれようとしています。パーティメンバーは出会ったときの人数通りである必要はありません。(ちょっとした事件を解決して、詰め所に一部が戻っていたとしてください)彼女のパーティメンバーはすでに倒されています。命は奪われていませんが、気絶しています。PCたちが車の前に飛び出す等の行動を取った場合、ある程度の追跡は可能ですが、車は暴走をして、振り切ろうとします。この時、PCが折れる程に派手になります。PCが車の方に飛び出さなかった場合、ティップと出会っていれば、ティップは車にはねられそうになります。救出するには、敏捷度で判定を行います。難易度は4です。
シナリオは救出シークェンスになります。
ひったくり
ひったくりはGMの最終手段として用意していたもので、この流れの時、すべてのフラグが明かされてしまうので、ここでは掲載しません。

 以下はランダムに発生します。
(実際にシナリオで使う時に番号を振りました。交通整理もランダムでしたが、シナリオでは引っこ抜きました。Aチームがイベントをこなしていなかったので)

万引き
何らかの理由で、ショッピングセンターに行くような事があったとき、このイベントが発生します。ランダム要素ではありません。
万引きをするのは10歳前後の男の子です。万引きに気づくには、冒険者レベル+知力で、難易度2に成功しなければなりません。
万引き犯をどうするかは完全にPCの任意です。プリーストの誰かが説教を始めると、子どもは泣き出します。すると、どうかしましたかと声をかけられます。この声をかける男は盗賊の男です。説教が説法であれば、プリーストであるかを確認されます。(すくなくとも、何者であるかは確認されます。冒険者学校の生徒であるという情報を手に入れようとします)
昼食の食い逃げ
昼食の時間(時間次第ですが)に起こります。
この食い逃げをするのは、グラスランナーの女の子です。ちょっとした好奇心で、はしゃいでやってしまいます。彼女はティップ・ユーリと名乗ります。ティップはPC達が何者か訪ねます。(ここで冒険者学校の者であると言質を取ってください)詰め所に連れて行かないでくれと、泣きながら頼みます。PCたちが彼女を詰め所に連れて行った場合、彼女は恨み辛みで、PCたちを尾行します。シーフ技能を持つPCは、11以上の達成値を得ることによって、彼女の尾行に以降、ことある毎に気づけます。彼女を詰め所に連れて行かなかった場合、彼女はPCの誰かに好意を持つ可能性があります。誰に持つかは、その場の状況によります。ひとつの指針は、「連れて行かない」と発言したキャラクターです。以降、彼女はそのPCを尾行します。バルクとその対象は11以上の達成値を得ることによって、彼女の尾行に気づけます。
喧嘩
警備をしている時、喧嘩が起こります。PLは仲裁をしなければなりません。
喧嘩の発端は男女のいざこざです。男Aの彼女が、男Bと一緒に花火大会に来ていたのを、男Aに目撃された事が発端です。ちなみに男Aは別の女の子と花火大会に来ています。なお、女の子はお互いにおしゃれを(浴衣など)をして、ばっちり決めています。
PLはやる気をなくすでしょうが、仲裁しなければ別の一般人が仲裁に入って、怪我をします。この怪我を治す時に神聖魔法を使えば、使ったPCはプリーストであるとばれます。
交通整理と、将棋倒し
詰め所で、交通整理をするように言われます。
場所へ着くと、そこは駅から公園へと続く橋の上です。ここは花火を見るためのベストスポットで、さらにはとてもデザインセンスのよい木製の橋になっています。レンジャー技能を持つものは、達成値12を得ることによって、これ以上人が増えると、強度的に危険であると判断できます。PCは入り口で規制を行うべきだと思い当たります。
規制を行えなかった場合、交通整理を行う必要があります。これは、セージ技能と知力で12以上の達成値が必要です。群衆を何らかの方法で落ち着かせていれば(ピース、サニティし、ロールプレイでもかまいません)、目標値は最大で-4まで下げる事ができます。すべての可能性に失敗した場合、1Dを振り、もっとも数値の低かったものは、悲しいことに、交通規制に失敗し、将棋倒しによって橋の欄干が壊れ、落とされます。下は海なので、特にダメージは受けません。なんとかして落ちないようにするには、とっさに何かに捕まらなければなりません。それが一般人であった場合、7+落ちた時の出目を目標値に判定します。それが仲間であった場合、(近くにいると宣言していて、妥当であれば)7+落ちた時の出目を目標値に、「捕まられる側が」筋力のセービングロールを行います。失敗した場合、二人仲良く落ちます。連鎖して続ける場合は、7+落ちた出目+足りなかった値と、加算されて行きます。
迷子
警備の最中に起こります。
泣き声が聞こえてきて、その場所にいくと、6歳くらいの女の子が迷子で泣いています。PCは親を捜さなければなりません。詰め所に連れて行くという選択肢も可能です。女の子は泣いていますので、何らかの方法で泣きやませなければ、彼女は泣きやみません。ここでサニティを使えば泣きやみますが、プリーストであるとばれます。
女の子はお父さんを捜しています。お父さんも女の子を捜していますが、詰め所にはすぐには顔を出しません。PCたちが詰め所に女の子をおいていこうとすれば、女の子はぐずります。詰め所の管理人はPCたちに警備に戻るように言います。PCは女の子を説得すれば全員で戻る事も可能ですが、説得を試みなかった場合は、別れて1つ分のイベントをこなさなければなりません。お父さんは1つ分のイベントが終了した後に、迎えに来ます。
カツアゲ
警備の最中に起こります。
冒険者レベル+知力で、難易度3の判定に成功すると、コンビニの前でカツアゲをしている高校生を見つけます。相手は中学生くらいの男の子です。PCたちは声をかけてやめさせることができますが、高校生たちは難癖をつけてきます。対応如何によっては(ほぼ確実に)戦闘になります。この時、鎧をつけていなければ、防御レーティングは0です。高校生はすべて出目のみで、生命点は14点です。6点を下回ると、捨て台詞を吐いて、逃亡します。装備を呼び出した場合、高校生たちは問答無用に逃げます。
何も起こらない
この時は、港湾区域の描写説明です。PLにお祭りの港湾区域を説明します。港湾区域にある、海に面した公園には、出店もあるでしょう。その公園に沿ってある道にも、いくつもの店が並んでいます。海には灯台のようなものや、ハルザード川の地下を通る道路の通気口などがあります。(通気口は重要なものです)
たまには、学校の生徒とすれ違うかも知れません。それがフィールドワークでのものか、単に遊びに来ただけであるかは想像に任せます。なお、この時に出会うパーティには、理由は何であれ、女性のプリーストがいます。信仰はラーダ、チャ・ザ、マーファ、ヴェーナーのいずれかです。(特にPLからの発言がなかった場合は、ヴェーナーです)
救出シークェンス

 PC達は、パーティの誰かか、または学校の誰かが連れ去られたことにより、このフェーズになります。PC達は詰め所一度戻されます。この時、ティップと出会っていれば、詰め所に顔を出させてください。ここで、プリーストたちが連れ去られているという事件をPCたちは耳にします。ティップも聞きます。そして、PC達は詰め所から、学校の理事会に召喚されます。

 学校の会議室で、PC達は質疑を受けます。その中で、同じようにプリーストばかりが連れ去られた事を聞きます。この時、アルが連れ去られていた場合は、男で連れ去られたのはアルだけだという情報を伝えます。そしてもう一つ、男であるアルが連れ去られた理由は、ファリス神官であるからです。連れ去られた者の中には、アル以外に、ファリス神官はいません。

 理事会は事件であると断定し(ファラリスが絡んでいるという臭いはかぎつけていますが、断定はしません)、国家警察と連絡を取り合い、事件の真相究明へと乗り出します。PC達は退室と、依頼事務局に今回の件の報告をして、自宅にて待機するように命じられます。
 PC達が依頼事務局に向かうと、そこでティップがPCたちを探しています。ティップはPC達を連れ出そうとします。ティップはPC達が去った後、覚えている限りの情報を頼りに、犯人を追ったことを伝えます。そして、敵が潜伏しているらしき場所を突き止めています。

選択肢1・PCたちだけで助けに行く
PCだけで助けに行く場合は、特に何も起こりません。
選択肢2・学校に報告する
学校に報告した場合、理事会に話が行きます。理事会員はPCたちをつれて、理事長室に向かいます。理事会長室の前でしばらく待つようにと言われますが、すぐに理事会員は戻ってきます。戻ってきた理事会員はPC達に正式な依頼として、その場所の調査を命じます。PC達が戦闘を回避しようとすれば、理事会員はPC達にトレーサードールに触れさせ、危険が迫ったときに使うアポートリングを渡されます。(このアポートリングが呼び出すのは、魔法の銃ですが、PC達には教えられません)アポートが使われたとき、学校の冒険者たちと、国家警察が必ず助けに行くことを約束されます。
ハルザード川の地下

 ティップの案内で向かった敵の本拠地は、ハルザード川の地下に走るトンネルと平行するようにある、整備用のトンネルの入り口です。この入り口は、通風口を兼ねている、デザインされた塔のような形をしています。入り口の鍵は難易度12です。罠はありません。

 中は直径15メートル程度の円柱です。螺旋状の階段が下へと続いています。下からは、風が吹き上げています。階段は横に二人並ぶことが限界です。風の音が強く、聞き耳を立てても何も聞こえません。

 螺旋階段を下りきると、スチールのドアがあります。このドアにはアラームの罠が仕掛けられています。発見するには、10の目標値が必要です。解除の目標値は12です。解除に失敗しても罠は発動しません。罠に気づかずに開いても、特にペナルティはありません。接近に気づかれるだけです。
 ドアを開けると、排水溝が真ん中にあるある、広いトンネルに出ます。ここは足音が反響しやすいです。慎重に歩かないのであれば、確実に接近に気づかれます。慎重に歩くという宣言があった場合は、冒険者レベル、またはシーフレベルの高い方と敏捷度で達成値を出します。あまりにも低い場合、接近に気づかれる事があります。

 通路を抜けると、次のドアが見つかります。シーフは達成値9で、このドアがよく利用されていることに気づきます。(気にするというのであれば、無条件で気づきます)

 ドアにはアラームが仕掛けられています。発見するには10の目標値が必要です。解除の目標値は12。鍵の目標値は10です。急いでいる場合はアンロック以外では時間がかかる旨を伝えます。罠を解除できずに開けた場合、アラームが鳴ります。このアラームの音はPC達にも聞こえます。PC達は走るでしょう。

 ドアの向こうは螺旋階段となっています。床には、スチールの机や、スチール椅子、戸棚等が壊れて落ちています。(ガラスの破片もあるでしょう)調べれば、上から落ちてきて、たたきつけられたものだとわかります。

 螺旋階段を上がっていくと、罠をすべて解除していれば、(ここで、魔法使いの老人の名前が出ますが、以下、魔法使いの老人とします)が階段の上から、PC達に気づいて、声をかけてきます。螺旋階段の向こうとこちらの距離は15メートルほどです。魔法使いの老人はPCたちに危害は加えません。PCたちは、いくらか、魔法使いの老人に質問する事ができます。とらえられたプリーストたちは、この螺旋階段を上りきったところにいると教えられます。魔法使いの老人は、適度に会話を切り上げて、フォーリングコントロールで螺旋階段の中心を飛び降ります。下に(名前)達がたどり着いたと言います。PC達は螺旋階段を上っていくと、脇にドアを見つけます。このドアは外に続くドアです。ドアをには罠も鍵もありません。開けると、そこはハルザード川に浮かぶ小島のひとつだとわかります。しかし、これはタイムロス以外の何者でもありません。

 螺旋階段を上りきると、魔法使いの老人が言っていたように、ドアがあります。ここには罠はありません。鍵の目標値は10。聞き耳をすれば、室内で何かがごそごそと動く音がします。気づかずに開けた場合は、不意打ちを受けます。

 この部屋は整備員の居室です。広さは12m四方ほどです。壁には窓があり、夜空が見えます。家具等はすべてどけられています。ここにいるのは、ゾンビが2体と、ブアウゾンビが1体、インプが一体です。ブアウゾンビはワイトのデータを利用します。インプは戦闘が始まると、飛んで逃げ出します。このインプは(名前)の使い魔です。
(実際はここで出てきたモンスターから、ブアウゾンビはなくなりました)

 インプが逃げ、8ラウンドを超えると、(名前)がたどり着き、戦闘に参加します。アポートリングを使うと1ラウンド後に助けが来ます。持っていなければ2ラウンド耐えなければ助けは来ません。

 見事倒すことができれば、この部屋のさらに上の階へと進めます。そこは、灯台の先端のような場所です。塔の上でぴかぴか光っているライトの機械等の整備のための部屋です。窓は円周上に広がっていて、夜景が見渡せます。部屋には数人のプリーストがポイズンや、デスライク・スリープ(知名度10、毒性値14)、スリープ等によって眠らされています。

 助け出すことに成功すれば、(名前)たちが現れます。
(実際のシナリオではインプが殺されてしまったので、現れませんでした)

エンディングシークェンス

 (名前)はPC達が冒険者学校の者であるとわかって、素直に引き下がろうとします。PC達は(名前)に質問する機会が与えられます。アポートリングを使った場合、銃を見て、(名前)は自分の銃を冒険者たちに向けます。持っていない時は、(名前)は会話を終わらせる前に銃を抜きます。そしてその銃をPCに向けて放とうとしたとき、強烈なライト共に、ヘリコプターで助けが来ます。

 国家警察と学校の助けが来たのを知り、(以下、ギミックなので割愛)

 とらえられたプリーストたちは、その場でキュアポイズンされます。スリープで寝ているものは、ディスペルマジックされます。
 ハルザード川に花火が撃ち上がり始めます。

エンディングシークェンス2

 時間の都合で、カットされました。

02:考察

 今回のシナリオは、シティアドベンチャーのように見えて、その実は裏で巨大な陰謀が動いているという、キャンペーンシナリオを見据えた展開となっています。GMの思惑にもあるよに、200xの舞台をどう出すかというのがメインではありましたが、全体的には、公式ソードワールドの世界から、それほど逸脱しなかったように思います。

 心残りがあるとすれば、シナリオノートの最後にあった、エンディング部分が書ききれなかったことです。
 この演出は200xの世界を端的に表す象徴のシーンとして作ったのですが、PC達がうまく動いて仲間のプリーストをさらわれなかった事と、敵の黒幕が登場しないまま進んでいったという問題によるものでしょう。
 このシーンを演出するためには、少し、シナリオをいじる必要があったかも知れません。

 銃の取り扱いを描けなかったのも、心残りにはあります。
 この部分は今後の展開で、うまく演出していく必要があると思われます。200xでの銃のような、強すぎる武器は、どうしても書いておかなければならない問題だと思います。

 全体的にはよくできたセッションで、楽しく遊べましたが、いかんせん、長すぎたとも思います。シナリオを少し簡略化するか、二回に分けるべきだったでしょう。特に後半の、PLが2名しか残らなかった部分は、よくありません。ここがもしもフルメンバーでそろっていれば、また違った展開もあったはずです。
 GMは勇気を持って、途中で切るという選択をすべきであったと言えます。

 隠された部分は、今後のセッションによって、描かれていくべきでしょう。
 しかし、このキャンペーンは持ち回りのGM制ですので、あえてこのGMメモでは、シナリオ中で出した事しか、載せていません。他のGMがどのようにセッションを受けて展開していくかは、完全に他のGMの都合であってかまわないと思います。

 もちろん、描かないでそのまま遊んでいってもいいでしょう。
 今回のGMは、それなりにこのシナリオの後片付けをすべきではあると思いますが。

03:次回予告

 次回のGMは、読み切りセッションでもGMをしている、校正のNこと、しゅーほさんが担当します。
 夏なので、ということで次回は怪談…?