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セッションに使用されたGMのメモやその他の設定などです。
このメモは、セッションにおいてGMが用意し、実際に使用されたメモや設定、その他、シナリオに関するさまざまなものをまとめて公開し、シナリオ作りの手助けのために公開するものです。
大抵はメモレベルなので、そのまま使うわけには行かないとは思いますが、参考にしてください。
セッション全編をリプレイから振り返ってのコメントです。
マスタリングの裏事情なんかをメモっておきますので、参考にしていただけたらと思います。(このメモはGMに書いてもらっています)
今回のシナリオノートは、実際に使用された部分と、公開しても問題のない部分を一挙に掲載します。
かなりたくさん書かれていますが、参考にしてください。
今回のセッションは、SW200xの独自の世界観である、「現代と同じ」世界を出すことが目的。
ついでに、夏なので、夏っぽい話も出そうと思う。夏と言えば花火、ちょうどセッション当日は、墨田川の花火大会なので、ここ、オランも夏の納涼花火大会的な事をやろう。舞台はオランの港湾地区。イメージとしては、横浜のイメージでいいだろう。横浜の花火大会はもう終わってしまったけれど、そのイメージで。
それから、そろそろ縦糸を出しておこうかなぁとも思う。もちろん、SW200Xらしい縦糸がいいと思う。1500年後のアレクラストを揺るがす、キャンペーンで利用できそうな仕掛けと言ったら…
気がつけば、八月が迫っているわけだ。
八月と言えば、夏休みだったりするわけで、ご多分に漏れず、俺らの通うここ、オラン冒険者学校も、八月になれば夏休みになるわけなんだが…俺はその八月を前に、頭を悩ませていた。何に?決まってる。来るべき、夏休みに。
一年の頃なら夏休みは課題をちょろっとやって、だらだらっと過ごすだけだったわけだが、二年からは違う。そう、知っている人は知っているだろう。知らない人はおいていくぞ、義務教育じゃないんだからな。うん、そんなわけで、留年の危機なわけだ。
二年の頭からやらなければならないフィールドワークという、要するに実習なんだが…実は、俺はまだそれを、一回しかやっていない。
うん、笑い事じゃない。しかも俺は、パーティリーダーなのに、だ。
何故って?
リーダーなら、そんな心配をするなら、メンバーを呼んで、フィールドワークに行けばいいだろうって?その通り。まさにその通りなんだが…行きがかり上、パーティを組むことになったウチのパーティメンバーときたら…まぁ、それはいい。
何にせよ、だ。
このタイミングでフィールドワークを請けておかないと、一ヶ月に及ぶ夏休みを、おそらく俺はひとつのフィールドワークもせずに過ごす!となると、どうなるかわかるか、諸君!
うん、留年。
と、言うわけで、俺は学校の依頼事務局前の掲示板で、依頼をあさっていたわけだ。さっきまで。
で、いい感じのを見つけた俺は、さて…
何度目かの葛藤の末、ケータイを取り出した。
あ?何の葛藤って?
いやほら、俺ってば、健全安全好青年なわけで、同級生でパーティメンバーとは言え、女の子に電話をするなんてーのは、はづかしいわけよ。
誰だよ、今笑った奴!屋上、前歯な。
アルがパーティメンバーに電話をかけるところから始まります。
まずはバルクにかけます。ここで依頼の内容を話します。以降、依頼の内容は話しません。(かくかくしかじかです)
バルクに話す依頼内容は、「港湾区域である花火大会の警備」についてです。港湾区域は、オランの東側にあります。常闇通りの南です。ハルザード川に面した東側区域で、現在のイメージで言えば、横浜に近いイメージです。海外へ渡航するための桟橋などもあります。倉庫街というイメージではありません。オランは都市なので、倉庫街のようなものは現在のオランにはあまりありません。
警備内容の詳細は、二日後の週末にある(土曜日です)花火大会の警備です。この花火大会は非常に有名で、イーストエンドからの職人を招いてオランの国王が始めたの事を発端としています。歴史ある、オランの夏の風物詩で、国内外から観光客が押し寄せます。
警備と言うことですが、オランの国家警察も人員を割いています。冒険者学校のフィールドワークとして出されている依頼は、この警備のサポートです。万引き、置き引き、喧嘩、その他のいざこざ、交通整理など、その場で判断可能なさまざまな事象に関しての対応を求められます。
バルクにはここまでを話ます。
ついで、フェローチェに電話をします。フェローチェに伝える内容は、上記をかくかくしかじかと、警備は私服で行う事です。(これはバルクにも話した事にします。PCを立たせるために、各々、個別の導入をしていると考えてください)私服で警備を行う理由は、私服警備員巡回中と同じです。これに伴い、武器や防具などの装備を一瞬で装備するためのマジックアイテム、アポートウェポンとアポートアーマーのリングを借り受けます。なお、依頼は警備ですが、ふとどきものを捕まえた際は、警備員詰め所に連れて行くのだと話します。これにより、点数がもらえます。この点数は、シナリオ終了後に申告してもらうので、メモしておくように伝えます。(ただし、これは申告させるだけで、意味はありません)
ついで、フィリシスに電話をします。フィリシスには、ルーンマスターである事を理由に、依頼事務局から、アポートリングの他に、魔晶石の支給があることを告げます。これを申請して取りに行かなければなりません。なお、ここで渡される魔晶石は1D/2 + 3(端数切り上げ)です。この魔晶石は、3つ支給されます。任意の三人に割り当ててください。なお、シナリオ終了後にこの魔晶石は回収します。(これは、魔晶石を積極的に使わせ、罠にはめるためです)
エレミアとフルールは学食にいるはずです。アルは二人の元に向かい、同じ話をします。質問があれば、受けてください。警備にはアルたち以外のパーティも参加しています。その数は10組を超えます。この警備は毎年学校が請け負っている、伝統行事であると伝えてください。少なくとも、設立以来、この依頼があることも伝えてください。なお、報酬は一人300ガメルです。前金は100ガメル渡されます。
依頼を受けた一行は、港湾地区の駅前に集合します。駅名は港湾地区入り口です。アルは一番に来ています。パーティリーダーだからという事にします。
PLに、一番に来るのは誰かを聞いてください。一番に来るPCの服装を聞いてください。そして、順に各PCの服装を聞いてください。これはこのシナリオのギミックに影響します。
全員がそろった後、詰め所に一行は向かいます。この詰め所には、何か問題があったときに報告に来るようにと言われます。先に出した、ポイントは、ここに問題を起こした者を連れてくる事によって、与えられることを説明します。
このシナリオの目標は、(少なくともGMは)警備の成功ではありません。このシナリオの敵役は、冒険者学校の卒業生で、ファラリス信者の男とそのグループです。このグループは、プリーストの拉致を目的としています。
このキャラクターの設定は「追加設定・人物」を能力値その他はキャラクターシートを参照してください。
彼らは部下の者たちをこの花火大会の人混みに紛れ込ませて、フィールドワークに出たばかりの二年生(あわよくば上級生)を拉致しようと狙っています。そして実際、何人かは拉致されます。(PCが拉致できなかった場合は、この者たちを救出するシナリオとします)
彼らがこの花火大会にフィールドワークで学生たちが出張っている事を知っている理由は簡単です。リーダーの(名前は伏せます)が、卒業生だからです。
駅前の集合で服装を確認する理由は、アル、フェローチェ、エレミアが一見してプリーストであるとわかる格好をしているかどうかです。聖印を身につけていれば、プリーストであるとばれます。(潜入している盗賊が駅前で見張っているか、(ここにはギミックがあるので伏せます)が見ているからです)
アルは一見してファリス信者だとわかる格好はしていません。PLがそのようなことを言った場合は、その限りではありません。
警備はさいころを振ってランダムに決定します。時間とのかねあいを考えて、適当に組み合わせます。
キーとなるものは以下です。以下は、一定の条件の後に発動します。
以下はランダムに発生します。
(実際にシナリオで使う時に番号を振りました。交通整理もランダムでしたが、シナリオでは引っこ抜きました。Aチームがイベントをこなしていなかったので)
PC達は、パーティの誰かか、または学校の誰かが連れ去られたことにより、このフェーズになります。PC達は詰め所一度戻されます。この時、ティップと出会っていれば、詰め所に顔を出させてください。ここで、プリーストたちが連れ去られているという事件をPCたちは耳にします。ティップも聞きます。そして、PC達は詰め所から、学校の理事会に召喚されます。
学校の会議室で、PC達は質疑を受けます。その中で、同じようにプリーストばかりが連れ去られた事を聞きます。この時、アルが連れ去られていた場合は、男で連れ去られたのはアルだけだという情報を伝えます。そしてもう一つ、男であるアルが連れ去られた理由は、ファリス神官であるからです。連れ去られた者の中には、アル以外に、ファリス神官はいません。
理事会は事件であると断定し(ファラリスが絡んでいるという臭いはかぎつけていますが、断定はしません)、国家警察と連絡を取り合い、事件の真相究明へと乗り出します。PC達は退室と、依頼事務局に今回の件の報告をして、自宅にて待機するように命じられます。
PC達が依頼事務局に向かうと、そこでティップがPCたちを探しています。ティップはPC達を連れ出そうとします。ティップはPC達が去った後、覚えている限りの情報を頼りに、犯人を追ったことを伝えます。そして、敵が潜伏しているらしき場所を突き止めています。
ティップの案内で向かった敵の本拠地は、ハルザード川の地下に走るトンネルと平行するようにある、整備用のトンネルの入り口です。この入り口は、通風口を兼ねている、デザインされた塔のような形をしています。入り口の鍵は難易度12です。罠はありません。
中は直径15メートル程度の円柱です。螺旋状の階段が下へと続いています。下からは、風が吹き上げています。階段は横に二人並ぶことが限界です。風の音が強く、聞き耳を立てても何も聞こえません。
螺旋階段を下りきると、スチールのドアがあります。このドアにはアラームの罠が仕掛けられています。発見するには、10の目標値が必要です。解除の目標値は12です。解除に失敗しても罠は発動しません。罠に気づかずに開いても、特にペナルティはありません。接近に気づかれるだけです。
ドアを開けると、排水溝が真ん中にあるある、広いトンネルに出ます。ここは足音が反響しやすいです。慎重に歩かないのであれば、確実に接近に気づかれます。慎重に歩くという宣言があった場合は、冒険者レベル、またはシーフレベルの高い方と敏捷度で達成値を出します。あまりにも低い場合、接近に気づかれる事があります。
通路を抜けると、次のドアが見つかります。シーフは達成値9で、このドアがよく利用されていることに気づきます。(気にするというのであれば、無条件で気づきます)
ドアにはアラームが仕掛けられています。発見するには10の目標値が必要です。解除の目標値は12。鍵の目標値は10です。急いでいる場合はアンロック以外では時間がかかる旨を伝えます。罠を解除できずに開けた場合、アラームが鳴ります。このアラームの音はPC達にも聞こえます。PC達は走るでしょう。
ドアの向こうは螺旋階段となっています。床には、スチールの机や、スチール椅子、戸棚等が壊れて落ちています。(ガラスの破片もあるでしょう)調べれば、上から落ちてきて、たたきつけられたものだとわかります。
螺旋階段を上がっていくと、罠をすべて解除していれば、(ここで、魔法使いの老人の名前が出ますが、以下、魔法使いの老人とします)が階段の上から、PC達に気づいて、声をかけてきます。螺旋階段の向こうとこちらの距離は15メートルほどです。魔法使いの老人はPCたちに危害は加えません。PCたちは、いくらか、魔法使いの老人に質問する事ができます。とらえられたプリーストたちは、この螺旋階段を上りきったところにいると教えられます。魔法使いの老人は、適度に会話を切り上げて、フォーリングコントロールで螺旋階段の中心を飛び降ります。下に(名前)達がたどり着いたと言います。PC達は螺旋階段を上っていくと、脇にドアを見つけます。このドアは外に続くドアです。ドアをには罠も鍵もありません。開けると、そこはハルザード川に浮かぶ小島のひとつだとわかります。しかし、これはタイムロス以外の何者でもありません。
螺旋階段を上りきると、魔法使いの老人が言っていたように、ドアがあります。ここには罠はありません。鍵の目標値は10。聞き耳をすれば、室内で何かがごそごそと動く音がします。気づかずに開けた場合は、不意打ちを受けます。
この部屋は整備員の居室です。広さは12m四方ほどです。壁には窓があり、夜空が見えます。家具等はすべてどけられています。ここにいるのは、ゾンビが2体と、ブアウゾンビが1体、インプが一体です。ブアウゾンビはワイトのデータを利用します。インプは戦闘が始まると、飛んで逃げ出します。このインプは(名前)の使い魔です。
(実際はここで出てきたモンスターから、ブアウゾンビはなくなりました)
インプが逃げ、8ラウンドを超えると、(名前)がたどり着き、戦闘に参加します。アポートリングを使うと1ラウンド後に助けが来ます。持っていなければ2ラウンド耐えなければ助けは来ません。
見事倒すことができれば、この部屋のさらに上の階へと進めます。そこは、灯台の先端のような場所です。塔の上でぴかぴか光っているライトの機械等の整備のための部屋です。窓は円周上に広がっていて、夜景が見渡せます。部屋には数人のプリーストがポイズンや、デスライク・スリープ(知名度10、毒性値14)、スリープ等によって眠らされています。
助け出すことに成功すれば、(名前)たちが現れます。
(実際のシナリオではインプが殺されてしまったので、現れませんでした)
(名前)はPC達が冒険者学校の者であるとわかって、素直に引き下がろうとします。PC達は(名前)に質問する機会が与えられます。アポートリングを使った場合、銃を見て、(名前)は自分の銃を冒険者たちに向けます。持っていない時は、(名前)は会話を終わらせる前に銃を抜きます。そしてその銃をPCに向けて放とうとしたとき、強烈なライト共に、ヘリコプターで助けが来ます。
国家警察と学校の助けが来たのを知り、(以下、ギミックなので割愛)
とらえられたプリーストたちは、その場でキュアポイズンされます。スリープで寝ているものは、ディスペルマジックされます。
ハルザード川に花火が撃ち上がり始めます。
時間の都合で、カットされました。
今回のシナリオは、シティアドベンチャーのように見えて、その実は裏で巨大な陰謀が動いているという、キャンペーンシナリオを見据えた展開となっています。GMの思惑にもあるよに、200xの舞台をどう出すかというのがメインではありましたが、全体的には、公式ソードワールドの世界から、それほど逸脱しなかったように思います。
心残りがあるとすれば、シナリオノートの最後にあった、エンディング部分が書ききれなかったことです。
この演出は200xの世界を端的に表す象徴のシーンとして作ったのですが、PC達がうまく動いて仲間のプリーストをさらわれなかった事と、敵の黒幕が登場しないまま進んでいったという問題によるものでしょう。
このシーンを演出するためには、少し、シナリオをいじる必要があったかも知れません。
銃の取り扱いを描けなかったのも、心残りにはあります。
この部分は今後の展開で、うまく演出していく必要があると思われます。200xでの銃のような、強すぎる武器は、どうしても書いておかなければならない問題だと思います。
全体的にはよくできたセッションで、楽しく遊べましたが、いかんせん、長すぎたとも思います。シナリオを少し簡略化するか、二回に分けるべきだったでしょう。特に後半の、PLが2名しか残らなかった部分は、よくありません。ここがもしもフルメンバーでそろっていれば、また違った展開もあったはずです。
GMは勇気を持って、途中で切るという選択をすべきであったと言えます。
隠された部分は、今後のセッションによって、描かれていくべきでしょう。
しかし、このキャンペーンは持ち回りのGM制ですので、あえてこのGMメモでは、シナリオ中で出した事しか、載せていません。他のGMがどのようにセッションを受けて展開していくかは、完全に他のGMの都合であってかまわないと思います。
もちろん、描かないでそのまま遊んでいってもいいでしょう。
今回のGMは、それなりにこのシナリオの後片付けをすべきではあると思いますが。
次回のGMは、読み切りセッションでもGMをしている、校正のNこと、しゅーほさんが担当します。
夏なので、ということで次回は怪談…?