ShortCut Link:
目が覚める。
AM 6:00。
寒い冬の朝。
眠気覚ましのコーヒーを煎れるためにキッチンへ向かう。
いつもの朝の始まり。
目が覚める。
AM 7:30。
昨日の疲れの残った身体のまま、のそりと起きる。
頭の寝癖に手をやりながら、陰鬱な一日の始まりに苦虫をかみつぶす。
いつもの朝の始まり。
最低。
いつものように朝食のトーストにかじる。
テレビをつけて、朝のニュースを見るとはなしに眺めてる。
今日も一日、いつもと同じ。
代わり映えのしない毎日。
髪の毛を直して、Yシャツに袖を通して、スーツを着る。
朝食を取る時間なんて、いつものように、あるわけがない。
昨日の晩、いや今日だったか、帰ってきた時から何も変わっていない部屋を見回して、出る。鍵の確認もガスの確認も必要ない。何も変わっていないから。
毎日同じ生活。
最低。
駅への道のり。
いつものように歩く。
アスファルトを打つヒールの音。
いつもと同じ。
駅への道のり。
いつものように早足で歩く。
腕時計に目をやって、デジタル表示の示す時間に少し足を速める。
いつもと同じ。
最低。
改札を抜ける。
そして駅のホーム。
アナウンスが聞こえてくる。
いつもと同じ。
いつもと同じ時間。
1番線と2番線に、電車が滑り込む。
私は振り返る。
俺は振り返る。
歩き出す。
すれ違う。
そして、乗り込む。
AM 8:28。
ホームを電車が離れていく。
いつもと違う方向へ。
いつもと違う、一日の始まり。
もしかしたら、最高。