「何かの本で読んだんだけどね」
夜の街。
隣を歩く彼を見ずに言う私。
「人の幸せって、右手の薬指から入るんだって」
何を言っているのやらと、
彼が、しかたなしに笑い返す。
私は嬉しくて、しょうがなくて、
それを見て微笑んでる。
「それで、その幸せを逃がさないために、左手の薬指にリングをつけるの」
小さく光るダイアのリング。
「幸せにもなるさ、マジで給料の3ヶ月分だぜ?」
笑う彼に、私も笑う。
どんなイルミネーションより、
きれいな光。
私の左手。
薬指で輝いてる。
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- e_
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- my little lover from...