「魚になりたい」とあの子は言った。
疲れた声で、生まれ変わって魚になりたいと。
「何も考えず、ただ泳いで、息絶えるまで」
かける言葉が出てこなかった。ただ、涙が止まらなかったよ。
そこまで、きみを苦しめてしまったのかな。
そこまできみを追いつめてしまったのかな。
ごめんね。
別れた道は、もう二度と交わることはないだろう。
濃密な時間はもう戻らない。
それでも、遠くから祈っているよ。
忘れられても、届かなくても。
ずっと思っているよ。
月並みな言葉だけれど。
きみが幸せでありますように。
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- E.H