studio Odyssey



とある日の。

Written by : Tyuram

とある寒い日の夜だった。

あたり一面が真っ暗闇だったので、とりあえずペンライトをつける。細く弱い光だが、無いよりはましだろう。
スイッチスイッチ、と探してみるも、ここにはそういうのが無いことを言われたのを思い出し、諦める。
「何で私がこんな事をしなければいけないの…」と思いつつも、先へ進む。

先に進むにつれて、段々埃っぽい空気が流れてくる。
「ここにはあんまり長居したくはないな」口をハンカチで押さえながら思う。
「早く終わらせなきゃ」と思って、走った。

ごとん

足に何かが当たった。そして、その何かは右の方へと飛んでいく気配がした。

ごとごとごとごろごろごろ

その何かに何かがぶつかり、雪崩のように落ちた音がした。
びっくりして、ペンライト先の光を音のした方にあててみる。

光が弱くてあまり視認できなかったが、どうやら人の頭のようだ。
首から下の部分には何もない。
怖くなって左に走ろうとして、ペンライト先の光を左にあてた。

赤い鋏(はさみ)と、赤い服の人影がそこにあった。

逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて――

光が見えた。

私はその光に向かって走った。



「――なんなのよ、あれは!怖くてツリーを探す所じゃなかったわよ!」私は姉に向かって私は怒鳴った。
「あぁー、まだ捨てないで取ってあったのか、あれ。」と姉は言った。
「返事になっていない!きちんと答えなさい!」と私はまた怒鳴った。
「ええとね、あれは私が中学生の時に、家庭部で作ったサンタの衣装なのよ。」と姉は答えた。
「――ったく、紛らわしい!疲れた!私はもう探さないからね!」と私は姉に背を向けた。
「ふーむ、今考えると中学生の時の私の体型にぴったりなのよね、あなたは。――あれ、着てみる?」
「じょ、冗談じゃない!あんな所はもう行きたくない!」
そんなこんなで夜は更けるのでした。


author:
Tyuram
URI
http://www.studio-odyssey.net/thcarnival/x03/x0305.htm
author's comment:
 どう見ても駄作です。本当にありがとうございました。
member's comment:
<u-1> 俺、これ好きだぞ。
<kenon> 結構怖かったです。
<zeluk> 一瞬ホラーかと思った。でもきちんと落としてる。コミカル風だの。
<u-1> うむ、姉妹であるから、ライトだな。兄弟だったら、喧嘩だなw
<yuni> 鋏が何故あるのか分からなかった。
<u-1> そこ、書こうとしたら時間が無くて訂正出来なかったそうだw
<hiyamizu> 30分でSSなの?
<u-1> そう
<hiyamizu> よし、書いた。
<u-1> 早ッ!!