studio Odyssey



SW 200x Online Replay

 rel : 2007.07.07

あとがき

そもそもの企画。

 さて、お楽しみいただけましたでしょうか、エロゲセッションこと、SW 200x Online Replay。
 いや、そもそもエロゲをやろうという話で始めた訳ではないのですが…

 なんだかんだで6セッション。1年の連載だったわけですが、そもそもこのセッションは最初、フェローチェの中の人こと、一期GMが「こんなのやってみない?」という話で持ってきたセッションでした。
 「こんなの」というのは、単に「アレクラストを数百年進めて、現代と同じ時代設定で、剣と魔法のファンタジー」という話でした。一期GMとしては、最初の方でも言っていますが、「ぱすちゃ」のような感じの世界観を考えていたらしく、ルールも「ソードワールドのルールであれば、別に設定は後付でも」くらいだったようですが、僕の方でアレクラストの設定をそのままに、数百年、時を進めた世界として舞台を整えました。まぁ、それにはいくつかの理由があったわけですが、このあとがきでは、その辺りの話をしつつ、舞台裏、それから、全体のお話でもしようかと思います。

 そんな訳で、舞台設定ですが、TRPGも何十かセッションを繰り返して、キャンペーンものも2、3やってくると、オリジナルの世界をやりたくなるものです。
 まぁ、それは誰もが通る道だと思うのですが、オリジナルの舞台で気をつけなければならないのは、GMとプレイヤーの間でコンセンサスが取れないことが多々あるという事です。緻密に設定された舞台が悪い事はありませんが、それがプレイヤーの全員に周知されるかどうかというと、そうならないことの方が多いものです。場合によっては、GMだけの暴走になってしまい、プレイヤー全員が楽しめなくなってしまう問題があるのです。

 そんなわけで、経験談もあったりするわけですが、じゃあ、どうすればみんなが取っつきやすく、かつ楽しめるかと考えて、今回の舞台設定を作ったのです。まず重要なのは、「現代」という設定にした事です。オリジナルのファンタジー世界で難しいのは、世界に存在する国や文化が、どうしてもプレイヤーに伝わりにくいという問題です。この一番難しい問題を「現代にしてしまえば、文化は現代なんだし、簡単に通じるんじゃないか」と思った訳です。まぁ、一期GMのそもそもの企画も、現代で、という事だったので、これは必要条件でもあったわけですが。

 そして、アレクラストを数百年進めたのは、国の相関をプレイヤーにわかってもらうためでした。
 幸いにも、オデのプレイヤーたちはソードワールドの世界観をよく知っています。なので、各国々がどこにあって、どういう国であるかを知っています。つまり、いちいち説明しなくてもすむという事で、新王国期の世界から、数百年後に、世界がどう変わっているかだけを伝える事で十分だと考えました。
 実際、セッション中で特に困ることは無かったですしね。

 ルールはソードワールドを利用すると言うことで、剣と魔法が存在するという事が前提になり、これを現代の中にどう組み込んでいくかというのは、少し頭を悩ませた部分でした。
 現代には銃器が存在します。
 オリジナル追加ルールのところでも触れていますが、これらの強すぎる武器をどう制限するか。
 それから、ファンタジーなので、現代の世界に科学と魔法をどう共存させるか。
 まぁ、いろいろとあったわけですが…

 とまれ、それらが生きてくるシーンは、あんまり無かったんですけどね。
 詳しく確認したい方は、200xオリジナル追加ルールについて。を確認してください。

エロゲセッションの成功と失敗

 エロゲエロゲと言ってますが、本当にエロゲっぽかったのは一回だけで、あとはノリでそんな事を言っていただけとも、最終回で言われていますが、まぁ、確かに今読み返してみると、エロゲっぽいの一回だけですね。第一回の印象が強すぎたからでしょうか。
 さて、キャンペーンの成功と失敗について考えてみましょう。

 成功としてあげられるのは、これはもう、プレイヤーたちのノリでしょう。
 特に「エロゲ」というワードで、プレイヤーたちのパーティ感ががっつりと決まったのは、大きかったと思います。っていうか、機会があれば、「エロゲ的なセッション」というのも、やってみたいなとすら思いましたしね。
 キャラクターのバランスも悪くなかったですし、アルのある意味低すぎる能力値も、セッション内でうまく生きていました。

 失敗と呼べるかどうかは微妙なところですが、失敗の要因としてあげられるのは、期間の割にセッション数が少なかった事でしょう。
 本当は月に1回くらいのペースで連載していく予定で、持ち回りGMも2周くらいする予定だったのですが、結局1周で終わってしまいました。これは予定の組み方が甘かった事と、GMの持ち回りの定義がしっかりしていなかったというのもあるでしょう。プレイヤーは全員が持ち回る予定だったのですが、エレミア、フルール、フィリシスはGMをしませんでした。

 持ち回りGMというのは、実際はなかなか難しいものです。
 TRPGをやるメンツが少ないと、どうしても持ち回りのような事が必要になります。この時に考えなければならないのは、キャラクターをどうするかです。
 プレイヤーがある時はGMにというスタンスですと、どうしても、その時のGMのキャラクターをどうするかという問題が出てきます。それをサポートしているルールもありますし、やり方ひとつで何とでも出来ますが、TRPGというゲームのスタイル的に、あんまり向いていません。
 特に、ノベル的なセッション指向の強いグループでは、この問題は顕著でしょう。今回は持ち回りGMをやっていますが、可能であれば、持ち回りGMはせずに、別のセッションと切り分ける方が無難です。
 まぁ、失敗という程の問題は今回は出なかったと思いますが、長くキャンペーンをやっていたら、どこかで問題は出たかも知れませんが。

編集として、主人公(?)として、つらつらと

 さて、最後に編集、そして今回の主役とされた、アルのプレイヤーとして、つらつらと書いていこうと思います。

 正直、このセッションは面白かったです。
 だいぶん悪ノリをした感もありますし、アルはファリスとしてはどうなのかというキャラクターでもありましたが、当初の予定とは大幅にずれ、ただのへたれとして楽しみました。

 印象に残っている回は、自分がGMをしたというのもありますが、Session 02(夏祭りの回)。それから、混迷を極めたSession 04でしょうか。Session 04はGMメモの方でかなり深くまで考察しているので、考察はそっちに任せて、プレイヤーとして見たとき、この回のラストは…もうちょっと、考えて行動しろよ。

 編集としては、魅力的なキャラクターが多々でた割には、生かされなかった事がもったいなかったかも知れません。クレイン、ハルモニア…クラリスなんてのも居ましたね。
 キャラクターは多く登場し、それぞれ個性のあったいいキャラクターたちでしたが、最終回でちゃんと出てきてはくれたものの、もうちょっとセッション数があれば、たくさん描けたかも知れません。

 まぁ、何はともあれ、面白いセッションが出来たと思います。
 願わくば、読んでくださったみなさんも、面白かったと思っていただけたらと思います。

 さて、なんだかあとがきの割には短いわ、内容は薄いわとなってしまいましたが、それはそれ。
 次回作の原稿がもうあがってきているので、次回、またどこかのあとがきで、お会いしましょう。
 つーか、次回の原稿、もう2回分きてんのか…