studio Odyssey



spit、生まれ変わる!?


イズルードに謎の男現る。



spit:「まぁ、それなりに。


ぼったくり!?



spit:高いな!?


「だが、今のキミには、それだけの金はあるだろう。
spit:「ねーよ。


「その大金の入った袋はなんだい?


spit:「…あれ?

 

spit、生まれ変わる!?



spit:「…


コラか!?



Fukurou:「偽!?


spit:「うむ…俺が一番違和感だ…


地のウィザード魔法まで!?



jeers:「地魔法までとったのか、スピさん…

spit:「うむ…


火の大魔法が!?



spit:「メテオなんかも覚えてみた。



spit:「なんていうか…

というより、本来のウィザードレベルになったとも言う。



spit:気がしてきた。*1



 イズルードにいた謎の魔術師によって、スピットは新たな魔法をいくつか覚えることができました。
 魔法使いなら、大抵の者が使えるファイヤーウォールに始まり、大魔法と呼ばれるメテオストーム、ストームガストも10レベルまで唱えることができるようになりました。

 風の魔法のいくつかと、念の魔法のいくつかは使えなくなってしまいましたが、それでも、以前よりは一般的な魔法使いに近いスキル振りとなり、もともとポテンシャルは悪くないスピットです。かなりの強さに突然進化です。


 と。


「あのー、すみませーん。


 ベンチに、見たことのない魔法使いの子がやってきました。

「ここ、プロンテラベンチですよね?

jeers:「そのようなものかも知れません。


「あの、スピットさんはいますか!?


spit:いません。


「えっ!?



spit:spitは死んだ!何故だ!


その答えはッ!?




spit:坊やだからさ!


 違う。



spit:「そう、違う。そうではない。だが、皆の知るspitは、もういない!なぜなら!


チートでもないぞ!



 初めて見たら、絶対衝撃。*2


「単色Wizじゃなかったんですか!
spit:「そんな奴は知らぬ!


自分ボケにすら、自ら突っ込む疑心暗鬼さですよ!




 なんだかとっても、訳がわからない盛り上がりっぷりです。


spit:「この、新生無敵版spitの活躍は…





無理してローマ字とかやらないでもいいから。




 CMかよ!












「と、いうわけで、そこを行く剣士よ…


「あん?

 と、翡翠髪の剣士は声に立ち止まります。

「お主ほどの実力があれば、騎士にも聖闘士にもなれよう…どうだ?
「俺は剣士が気にいってんだ。騎士だの聖闘士だのに、興味はねーよ。

「安心したまえ。



今回のオチを言ってしまえば、夢オチだ。


「マイグレネタが思ったよりなかっただけだろ。
「裏事情を話さないように。*3



 そんなこんなで。


マイグレのお約束。



マスタークルセイダー:「私たちは、来るべき聖戦のため、オーディーンの意志に…

「わかったから、まずは何が必要なんだ?戦闘か、アイテム集めか。
マスタークルセイダー:「いいだろう…


アイテム集めのお約束クエスト。



マスタークルセイダー:「君の努力次第で、クルセイダーの試験を受けられるかを決める。


ウゼーと言い放つ一次職。


「よし。




 と、そんなわけで剣士はてくてくと城下町へ戻ります。



「えーと、ゾンビ系からどれも出てくるものだな…ボロボロの囚人服って、何が出すんだろ…

 と、調べてみると…

「ゾンビプリズナー?グラストヘイムのモンスターを、転職しようってレベルの奴らが、倒せんのか?なめてんな、クルセイダー。

 と、文句を言っても始まらないので、グラストヘイム地下監獄へと、剣士は向かいます。

ぺちぺち叩くよ!


 転職前の剣士と同一視しないように。



「でねぇぇぇぇぇぇぇぇ!



 ぽこぽこ狩りますが、なかなか出ません。
 と、その時、

「なんだ、あの変態みたいな…

 と、インジャスティスに見つかった剣士。
 ぽけーと近づいてくるのを待っていると…



ソニックプローは卑怯だ…



 ソニックブローには堪えられない。


「何、今なにしたの?ずるくね?おかしくね?*4






舞い上がりすぎ。



 はい、CM明け。



spit:「俺は今、最強!無敵!絶対正義!かわいいは正義!


難しい笑いが飛び交う。

spit:「当社比六千万パワーズ。

KENNY:「ザクとは違うのだよ、ザクとは、とかいうのですね。
spit:「ドムとも違うぞ、ドムとも!ギャンすら足下にも及ばぬ!


 もう、なんだかよくわかりません。*5


言ってる本人もよくわかってないモード。



spit:「敵はないな。


もうダメだ。



 舞い上がっている事は、すごくよく通じていると思う。






spit:「そんなわけで…



撃破ッ!?



 時計に来たスピット。


spit:ひとりでアラームが狩れちゃう!!



 一般的なウィザードならみんな狩れます。*6



spit:「Sugeeeeeeeeeeeeeeeeee!!


職位が、彼の進化っぷりを物語っていると思う。




spit:「メテオとかも打てちゃう!

kenon:「SGじゃないんだ…
spit:「まぁ、たまにはいろいろ使わせろよ…



spit:「何にせよ!


 と、スピット。
 帽子を直しつつ、言います。

あっさり撃破。

spit:「これが…これが…

kenon:「?



spit:これが、ウィザードの力なのか。


 ユピテルサンダーと、ロードオブヴァーミリオンのみから考えれば、すごい進化だな。*7


spit:「そして、久しぶりにSPが赤くなったわけだが、なんだか、数年ぶりに…






spit:漏電雷魔導師って言葉、使ってもいいかも知れないと思うんだ!


 SP回復が追いつかない漏電仕様のスピットですが、火力は以前のものとは比べるまでもありません。*8



つよーいぞー、カルシウム。
spit:「見よ、この強さ!ぶっちゃけありえない!


 アラームなんて、余裕のよっちゃん屁のかっぱです。


spit:「俺はえくすてんでっと!無敵!絶対正義!






yuni:ならば死ね。




何もそこまで…



yuni:MilliaDream:よし。




通過電車にご注意下さい。


spit:「おのれ…このエクステンデッドを倒すとは…

MilliaDream:「いつもより苦労したな…
yuni:「うむ。

spit:「HPもSPも真っ黒だぜ…こんな清々しい死は…ひさびさだ。*9


 スピットはぽつり、言います。


spit:「この俺は強い…だが、唯一の弱点があるとすれば…




久々の漏電っぷり。




 あと、死にオチは変わらないこと。













 はっと目が覚めて、スピットはベッドから起きあがりました。

 寝ぼけ眼で、ぐるりと部屋を見回すと、いつもの自室です。
「あれ…?」

 と、ベッドからのそのそと起きあがり、部屋を出、キッチンへ顔を出すと、そこにはいつもの朝の風景がありました。
 へっぽこがテーブルにお皿を並べていて、すていぬが特製の「切ってボウルにいれて、ナッツをいれて混ぜるだけサラダ」を作っていて、その奥ではアピが朝食を作っています。

「あれ?」
「どうしました?」

 問いかけられて、「うむ」と唸りながら、スピットはいつもの席に着きます。

「みょうちくりんな夢を見たような気がする」

 すていぬの混ぜかけのサラダを横から掴んで口に運ぶスピットに、すていぬが木のフォークで反撃を試みますが、軽くかわされます。
 それを見ながら、アピ。
「どんな夢です?」
 聞きます。

 スピットはうなずいて、言いました。

「俺が、ファイヤーウォールとか、メテオとか、フツーに撃っちゃう夢だ」
「それはすごいですね」

「それの何処がすげーんだか、さっぱりわからない」
 と、突然声を上げたのは、客間のドアから入ってきたルキノです。
「いたのか、オメー」
「帰りそびれたので!」
 ビシっと親指を立てて返し、ルキノは続けます。
「ついでだから、今日はへっぽことすていぬを連れて、グラストヘイムの地下にいって、窓手を大量虐殺して来る予定」
「へっぽこもがんばりますよー」
「へっぽこは泥を集める役」
「なんでですかー!」
「はいはい」
 スピットは軽く手を振って、言います。
「いいから、この元ポリンと元犬を保護して、帰ってくれ…」
「断る」

 即答して、ルキノは続けました。

「つーか、ファイヤーウォールとか使いたいなら、覚えればいいじゃん」
「もう覚えられねーよ」
「イチからやり直せば?別に、それほどの苦労でもないっしょ?もともと、能力的には悪くないんだし、腕はあたしと同じくらいはあるんだしー」
「そもそも、オメーに魔法を教えたのは俺だ、バカタレめ」
「あたしのが、レベル上だけどね!」
「まあまあ」
 と、言い合うふたりがついたテーブルへと、アピがやってきます。

「スピさんがそうしたいのであれば、私はいいと思いますよ?スキルを振り直して、雷と念以外の魔法を使えるようになったとしても、スピさんはスピさんですから」
「つーか、ストームガスト使えんじゃん。やる気出せば、メテオくらいいけるっしょ?」
「たぶんなー」

 と、スピットは間延びした声で返します。

「そーすりゃ、もっといろんな所に行けるだろうし、もっと強くもなれることは、わかってんだけどなー」

 そしてそう呟いて、スピットは壁の方へと視線を送りました。
 そこには、スピットの冒険用の装備がかかっています。いつも持っている両手杖のスタッフオブソウル。防具に使っているミンクのコートに、昔の領主のマント。シューズとそしていくつもの帽子。

 その中の、一番古い帽子を見て、スピットは笑いました。
 薄汚れた、一番古い帽子。

 何の変哲もない、ただの帽子を見て、スピットは頭をぽりぽりと掻いて、笑った口許のままで目を閉じて言いました。

「まぁ、もうじきネイパームビートが10になるから、その後で考えるわ」
「それはとてもよいことですね」

 笑いながら、アピは返しました。

 

*1 新しく覚えたのは、FW、メテオ、共に10。SG10、HD5、LoVも10にして、あとは全てそれらの前提。ボルトは実際、追っかけで使うレベルでしか使用しないので、7くらいだったような…あと、SPRはかなり削っています。
*2 騙されたと思うだろうなー。
*3 つーわけで、マイグレイベントの一環です。なので、当然、ロールバックされます。
*4 普通にやったら、絶対ソロじゃこのイベントクリアできないと思う。まぁ、MMOなんで、ソロでやらなければいいだけですけど。
*5 アニメネタの風化は気をつけた方がいいぜ?
*6 通常のスピットでは、SWなしでは狩れません。そんなリッチな狩り、できるかー!
*7 スピットの魔法は簡単。風の魔法全部が10と、念の魔法の全部が10(SW、SPR含む)と、SG1をとるのに必要な前提の全て。(これで40転職のJob50ウィザード)
*8 ちなみにこれ、SPRを削っているのでこうなっている。(派手魔法ばかり使っているというのもあるけど) spitが漏電と言われていた時期は、単にSPの回復の公式が今と違っていただけなので、別に当時のspitがSPRを持っていなかったという事ではない。今はSPが回復しすぎなので、spitのDexだと、どんな魔法を使っても、詠唱とディレイの間にSPが回復してしまうので、切れることがないのである。
*9 SPが残っている状態で死ぬのは、無駄な死。SPが残っている状態で死ぬのは、判断を誤ったか、無駄な戦いであったかだのどちらかだというのが、spitの持論。SPもなくなってHPもなくなって死ぬのは、打つ手なしの、大往生。正しい突貫死。