ここはプロンテラの北。
プロンテラ北ダンジョン入り口です。
spit:「そんなわけで、バフォメットJrをテイムすべく、本日は、プロ北ダンジョンに挑む。
brid:「それでバフォメットに出会い、死ぬんですね。
spit:「バフォメットに用はない。
Liede:「
いっそ、バフォメットをテイム。
appi:「それはギャンブルですねぇ。
brid:「Jrをテイムすると、親が怒って出てくる。
appi:「かどわかしですか、私たち。
brid:「
そして全滅。
ちょっと違う。
プロンテラ北ダンジョンは時空のねじれがあるのか、迷ってしまう事で有名です。
なので、
目的地の第3層にもたどり着けない。
spit:「ちょっと待てよ。えーと、こっちって言ったっけ?
PURE:「スピさんはやくー。
Liede:「ついたー。
spit:「お前等、道を知っているなら案内しろ。
とりあえず第2層で待ち合わせと言うことにした一行ですが、
appi:「こっちですかねー?
spit:「じゃあ、そっち。
辿りつけねぇ…*2
スピットは見覚えのある道に声を上げました。
spit:「この先になんかあった気がする!
確かに、何かはあったな。
spit:「しかし、考えようによってはあれだ。
brid:「なんですか?
spit:「入り口に戻ったと言うことは、ここからナビしてもらえば、たどり着ける!
brid:「なるほど!
spit:「と、言うわけで、道順を教えてくれなさい。この野郎。
PURE:「えーと…
道順を聞いたスピットたちは、てくてくと歩き始めます。
無駄でした。*3
spit:「もう嫌だー!
敵を蹴散らし、縦横無尽に、プロンテラ北ダンジョンをスピットたちは駆け抜け、
spit:「わからねー!
spit:「帰ってもいいかな?
っていうか、
カエレ。
appi:「旦那さまー。
と、迷子のスピットたちの所にやってきたのはアピです。
appi:「ついてきてくださーい。
spit:「おお、アピ!
保母と子ども。
程なくして。
appi:「この先で、みなさんお待ちです。
spit:「ついに第2層かー!
spit:「何をしている、ヘリ。
heriosu:「zzz…
spit:「待ちくたびれて、寝ていたのか。
jeers:「なるほど。つまり、永眠したいと。
Liede:「踏んでけって事だな。
heriosu:「zzz…
spit:「
じゃあ、行くか。
heriosu:「置いていく気だ!?
そんなこんなで。
一行は第3層に突撃します。
jeers:「ようこそ、プロンテラ北ダンジョン第3層へ。
jeers:「このマンティスとJrサービスだから(略
spit:「
いらん。
何はともあれ、今日の目的は、バフォメットJrをテイムすることです。
spit:「んじゃー、テイムアイテムを持っている奴は、各自、適宜テイムするように。
スピットは皆に向かって言います。
*4
appi:「スピさんは最後ですか?
spit:「いや。
スピットは胸を張って返しました。
spit:「さっきのJrに試したが、失敗したので、
もう用はない。
来るまでに1時間くらいかかっていますけども!
プロンテラ北ダンジョンをてくてくと歩き回りながら、一行はバフォメットJrのテイムに挑みます。
とは言っても、ボスモンスター、バフォメットの息子と言われているバフォメットJr。
そう簡単にはテイム出来ません。
appi:「なかなか難しいですねー。
次々と皆が失敗して行く中、アピが言います。
spit:「まぁ、俺もJrはテイムしたことないしなぁ。
と、スピット。帽子をちょいと直しながら、
spit:「んじゃ、今度はこっちにいってみっか。
てくてく、先の道へ進みました。
その時の事です。
spit:「あれ?
妙な違和感に捕らわれて、スピットは足を止めました。
そして、くるり、来た道を振り返ります。
spit:「…
誰も付いてきません。
spit:「
ランダムワープか!?
プロンテラ北ダンジョンの道のいくつかは、どこに繋がるのかわからない道になっているのだと、冒険者たちの間では有名です。
どうやら、スピットたちが進もうとした道はそのランダムワープだったようで…
ギルド、パーティのメンバーたちから電波が届きます。
appi:「はぐれましたー。
PURE:「ここドコー?
brid:「なんだか、これはピンチなのでは?
heriosu:「ぎゃああああああああああああああ!?
jeers:「うおおおおお!? スタンー!?
spit:「何やら素敵な悲鳴が…
スピット、つうと冷や汗を垂らしながら、ともかく皆と合流しようと、歩き出します。
heriosu:「やぁ、スピさん。
spit:「やぁ、ヘリオス。そう言えば、君はさっき、悲鳴を上げていたね。
heriosu:「はい。
はええよ。
それからしばらく、プロンテラ北ダンジョンに散ったベンチの面々は、なかなか出会うことも出来ず…ギルト、パーティの電波から聞こえてくるのは「ぎゃぁあああ」だの「ここ何処ー?」だの「はぐれたー!?」だの。
待てど暮らせど、救出される気配がないスピットは、仕方なく一度プロンテラに戻り、プロンテラ北ダンジョンに再び足を運ぶことにしました。
spit:「ついでに、アイテムが必要だったら持ってくるぞ?
appi:「青ジェムをお願いします。
brid:「すごくたくさん必要です。
spit:「んじゃ、ベンチ寄ってから戻ってくるわ。
と、スピットはベンチへ舞い戻ったのでした。
spit:「ん?
そしていつものベンチ。
「あ、あの!
と、声を掛けてきたノービスに、スピットは振り向きます。
rumoa:「最初に会話するのは絶対スピットさんがいいって決めました!
spit:「そうか。
ふっと遠い目をして、スピットは言いました。
rumoa:「
災難!?
災難に違いないと思いますけど?
*5
spit:「まぁ、なんだ。そう堅苦しくなることはねーよ。
スピットはベンチにいたアコライトのまゆかから青ジェムを分けてもらいながら笑います。
Tsubasa:「その通り。
と、プロ北ダンジョンにみんないると聞いてやってきた翼さんも言います。
Tsubasa:「そこのノビくん。君は運が良い。今なら、スピットさんと一緒に…
Tsubasa:「いけるぞ!?
spit:「それは、ポーズを決めながら言うことなのか?
rumoa:「えっと…それは…
rumoa:「
レベル6でいける場所ですか?
Tsubasa:「それは問題ない。
spit:「ああ、それは問題ないな。
spit:「
死ぬことを恐れないのならば。
heriosu:「うむ。
*6
死に戻りしたヘリオスと合流し、ノービス、ルモアさんを新たにくわえたスピットたちは、再びプロ北ダンジョンを目指します。
rumoa:「大丈夫でしょうか?
spit:「問題ない。
聞くルモアさんに、スピットは帽子を直しながらにやりと笑って返します。
spit:「問題があるとすれば…
スゲー大問題だな。*7
と言いつつも、今回はヘリオスが一緒です。
道順を覚えていたヘリオスが先陣を切ってすいすいと進んでいくため、程なく、4人は第三層へ…
そりゃあ、レベル6だもん。
rumoa:「すみません。
Tsubasa:「謝ることないよー。
heriosu:「そうそう。ベンチはいつもそうだし。
spit:「俺なんか、いつも死んでるしな。
お前は死にすぎなんだけどな。
rumoa:「スピットさんって、日記で見るより、全然強いですね…
リザレクションされたルモアさんに、
spit:「強いよ。
スピットはさらりと返します。
jeers:「すみません、はぐれたメンバーの捜索を打ち切って、漏電雷魔導師を轢いてきていいですか?
Liede:「許可。
PURE:「コワス。
電波が飛んできます。
appi:「ところで、旦那さま?
spit:「ん?
rumoa:「うわー、アピさんだー。
appi:「はじめまして。
rumoa:「はじめましてー。
spit:「で、なんだ。アピ。
appi:「はい、旦那さまと一緒にいらっしゃるそちらのノービスさんですか、何レベルなのですか?
うむとスピットは頷いて、電波で返しました。
spit:「
6レベル。
appi:「姉でも、一次職に転職してから来たと記憶しています。
spit:「そんなこともあったな!
*8 ということはアレだな!
spit:「
ミリセク死を越える、ナノセク死。
嫌な造語を作るな。
spit:「ともあれだ。
スピットは帽子をちょいと直しながら言いました。
spit:「みんな、合流しよう。合流すれば、いくらプロ北ダンジョンといえども、ノービスくらいなんとかなるだろ。
そして、てくてくと歩き出しました。
spit:「とりあえず、どっちだ?
Tsubasa:「多分、こっちですよ。
道の向こうに消えていく翼さんに、スピット、ヘリオス、そしてルモアさんと続き、
spit:「…
ランダムワープ。
Tsubasa:「うはははは。
電波が飛んできます。
spit:「ランダムじゃんかー!
Tsubasa:「俺を信じたのが間違い。
spit:「もきー!
heriosu:「して、生きてまてすか?。
Tsubasa:「うははははは。
人、それを愚問という。
rumoa:「えっと…
ぽつり、電波が飛んできました。
rumoa:「
死んでしまったのですが…
そりゃそうだ。
spit:「お前等、さっさと俺を救出し、すみやかにルモアを救出するのだ。
appi:「旦那さまはともかく、ルモアさんは救出しなければいけませんね。
Liede:「うむ。
spit:「いや、別に俺は後でもいいが…
rumoa:「
なんか、見える範囲にモンスターがたくさんいるんですけど…
KENNY:「スピさん、どこにいますか!?
PURE:「スピさんがいなければ、モンハウには!?
spit:「ゲンキンな奴らだ…
*9
程なくして、スピット救出部隊がスピットの倒れていたマップにやってきました。
spit:「言い忘れていたが…
spit:「
俺の周りも結構、モンハウだから。
brid:「死んだー。
PURE:「死ぬ!死ぬ!死んでしまう!
第一次救出部隊、
全滅。
spit:「お前等には気合いが足りない。
Liede:「ぱぱがいたから呪いで死んだんだ。
spit:「他人の所為にするの、イクナイ。
それから十分ほど後。
合流した生き残りのベンチメンバーは、スピットたちの倒れるマップ前で待ち合わせ、一斉突撃を掛けて倒れていた仲間達を救出しました。
spit:「よしよし…全員いるな?
スピットは皆を見回し、言います。
KENNY:「やっとみんなと会えた…
PURE:「よかったよかった。
再会を喜ぶ皆を見て、
spit:「いや、まだ、これからだぜ?
Tsubasa:「あとは、ノビさんだけだな。
翼さんの言葉に、こくりと頷きながら、スピットは帽子を直しました。
spit:「全力で助けるぜ?
そして、歩き出します。
道は知りません。
とにもかくにも、一行はルモアさんを探し、プロンテラ北ダンジョンを巡ります。
spit:「うむ…
どれくらい歩いたでしょうか。
スピットは唸りました。
ずいぶん前からそうだろ。
spit:「くそう、我々は非力だ! 連れてきたノービス一人助けられぬのか!
heriosu:「6レベル。
Tsubasa:「ちょっとやりすぎたかなぁと、思っていない事もない。
appi:「というより、プロンテラに戻っていただいた方が速いのでは…?
spit:「ソレダ!!
スピットは早速電波で聞きました。
spit:「ルモアは、セーブポイント、どこだ?
rumoa:「セーブポイント?
と、疑問文が帰ってきます。
appi:「旦那さま。ルモアさんは、はじめてどれくらい経っているのか、聞いていますか?
spit:「
一昨日って言ってたかな?
セーブポイント不明。*10
spit:「探すぞ。連れて帰るのだ!
appi:「ですねー。
一行が決意を新たに、歩き出そうとした、その時でした。
「やったー!
と、突然聞こえてきた声に、ベンチメンバーは振り返りました。
spit:「ん?
見ると、自分たちが通り抜けた所で、バフォメットJrと格闘していたと思ったモンクの女の子が、手にバフォメットJrの卵を抱えていました。
さやさやさやや:「すごい成功率低すぎ!
バフォメットJrの卵を抱え、その子は言います。
spit:「うむ、実は、俺もまだ捕まえたことがない。
スピットは言います。
spit:「そして、今日もテイムに来たはずだったのだが…
と、遠い目をして、
spit:「
なんか、いつの間にか趣旨が変わっちゃってんだよなぁ…
Tsubasa:「いつものことでは?
heriosu:「いつものことですね。
さやさやさやや:「バフォ狩りチーム?
問いかけられる質問に、スピットたちは返します。
spit:「話せば長くなるが、要するに。
スピットは言いました。
spit:「たまり場に遊びにきたノービスの子を連れてプロ北に来たはいいが、はぐれてしまって、しかもどうやら死んでしまったらしい。ついでに言うとセーブポイントがどこだかわからないので、救出して、つれてかえらにゃあならん。
ちょいと帽子を直し、
spit:「とまぁ、そんなトコだ。
口を曲げます。
さやさやさやや:「つまり…
モンクの彼女は言いました。
さやさやさやや:「
あれだ、プライベートライアン。
spit:「!?
さやさやさやや:「戦場ではぐれた一人のノービスを助けるために…
さやさやさやや:「
9人の二次職が今!
spit:「
なんかやる気出てきた!*11
プライベートライアンだと、
隊長は死ぬがな!
Tsubasa:「しかし…
翼さんはぽつりと言いました。
Tsubasa:「今まさにその状況!
spit:「俄然、やる気が出てきた!?
heriosu:「なかったの?
spit:「聞くな。
Tsubasa:「貴方も、一緒にいきます?
さやさやさやや:「?
spit:「十人の二次職が、今!
さやさやさやや:「さぁ、探そう!
そして十人の二次職達は、プロンテラ北ダンジョンを駆け抜けます。
Tsubasa:「今なら、バフォだって怖くない!
spit:「怖くない!
appi:「言うと招きますよ?
jeers:「廃ギルドの人たちがちらほらいるしなぁ…
spit:「よし、J。斥候。飛んで位置を確認して来い。
jeers:「いぇす、さー。
そしてついに、一行は、
jeers:「この右。
プロンテラ北ダンジョンに取り残されたノービス、ルモアさんのいるマップの前にたどり着いたのでした。
spit:「作戦を確認する。
帽子を直しながら、スピットは言います。
くるり、皆を見回し…
spit:「蹴散らす。
そして勢いよく杖を振るいました。
spit:「
突貫!
そして最後のキラーマンティスに、一行の集中砲火が浴びせられると、辺りには静寂が戻ったのでした。
スピットはひとつ、大きく息を吐きました。
そしていつものように帽子をちょぃと直し、口許を曲げて見せました。
spit:「ノビ、救出。
rumoa:「ありがとうございましたー。
appi:「よかったです。
Liede:「何気にスクリーム、楽しかった。
brid:「ぴょって死んだじゃないか!
Tsubasa:「いやぁ、助太刀どうもです。
さやさやさやや:「あんまり役に立ってなかったけどね!
笑い合う皆を見回し、スピット。
spit:「さて、戻るか。
Tsubasa:「ベンチでいいのん?
spit:「OKだ。頼む。
そしてプロンテラ北ダンジョンにワープポータルの光の柱が立ち上りました。
rumoa:「これは?
spit:「乗れ。冒険の終わりに、みんなで乗って、たまり場に帰るためのモンだ。
笑い、スピットは帽子を軽く押さえつけ、十一人の仲間と共に、その光の柱に飛び込みました。
PURE:「うそつきいいいいいいいいいいいいいい!
rumoa:「ここはどこっ!?
jeers:「ごらあああああああああああああああああああああ!
さやさやさやや:「お?
spit:「うそつきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!
KENNY:「どこー!?
Liede:「翼さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
brid:「だまされたああああああああ!
Tsubasa:「
うははははは!
Tsubasa:「最後に闇ポタ。
しかも、ウンバラ即死ポタ。
spit:「おのれ…完全に不意打ちッ!?
rumoa:「人間不信になりそうです…
今日もベンチは平和です。