studio Odyssey



敵は何処だ?





makie:「えーとつまり…

 いつものベンチ。
 やってきた槇恵さんが聞きました。

makie:「どういう話になっているのですか?

Ridgel:「ええと…コモド北洞窟に…
Favnir:「よくわからない敵を確かめに…

いつもと変わらず




 ピックニックなのか!?



敵は何処だ?


 そんなわけで、一行はコモドへとやってきたのです。


 が。


Ridgel:「なぜだぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?
Furiae:「何故、コモドにボスクラスの敵が!?
MilliaDream:「カーニバルの影響かのぅ…

 そうです。

 なんとコモドには、ボスクラスの敵がわんさかわんさかと湧いていて、カプラさんでワープして来た一行に、突如襲いかかってきたのでした。*1

ebu:「迎撃迎撃。
makie:「死ぬー!?

 と、迎撃する一行。

 他の冒険者たちの協力もあって、なんとか迎撃に成功するも…



MilliaDream:「あれ?いぬは?

Ridgel:「おや?そう言えば、一緒に来たのに、どこへ?

 くるりと辺りを見回しますが、一緒に来たはずのすていぬの姿はなく…



 と、皆に電波が届きました。








suteinu:たすれけた



Ridgel:何語!?


 と、突然、しゅんっと…




何をしてますか、貴方は。


 訳:「たすけて


Ridgel:「何故、あなたはアクエンと戯れていますかー!?
suteinu:「近づいたら、インティミ*2されたんだよぉぉお!!



 近づくなよ。



 ボス一杯のコモドにやってきて、すていぬは近くにいたアクエンこと、アークエンジェリングに手を出してみたのでした。と、アークエンジェリングはすていぬを捕まえて、テレポート。

suteinu:「死ぬかとおもったー。
Ridgel:「というより、よく死にませんでしたな…
MilliaDream:「よく堪えた、いぬよ。

 アークエンジェリングはすていぬを抱えたまま、びゅんびゅんとコモドを飛びまわっていたのです。

迎撃迎撃〜


 で、冒険者の皆に囲まれては、さすがのアークエンジェリングも、長くは持ちません。

 やがて倒され…ボスを狩っていた冒険者の人のひとりが、呟きました。「全部倒したと思ったら、アクエンがいたのかー」

suteinu:「てへ。

よく堪えた…




 嫌なランデブー。




Ridgel:「ともあれ、我々の目的は北洞窟。
Furiae:「では、北洞窟に向かいましょう。

 と、一行はコモド北洞窟へ。

Ridgel:「幸い、一名の死者も出さずにすんだので、ここからが本番。
makie:「前哨戦でボス戦なら、本番は…
ebu:「大変な事になりそうです。


suteinu:「…




HPとSPが全快するアイテム、イグドラシルの実のこと。非売品。



 すでにクライマックス終わってませんか!?









 で。




Ridgel:「うーん…

Furiae:「至って平和ですね…



変な敵とか、いませんでした…



 特になし!



ebu:「仕方がないので、他の場所に行ってみましょうか。




 で。



袋だたき



suteinu:「ふははははは!イグ実の恨み、思い知れ!!


 叩いているのは、アークエンジェリング。


Ridgel:「個人的な恨みはないが、死ねー。
brid:「というより、イグ実を使ったのは自分のせいでは?
suteinu:「聞こえない。*3


Furiae:「ふむ。

 と、フリアイさんが言いました。

Furiae:「じゃ、カーニバルで、いろんな所にボスが出ているようですし、ボスと戦いにでも行ってみます?

suteinu:「おー。

 すていぬ、嬉々として返します。

suteinu:「じゃー、弱いのから倒していって、順々にレベルアップしていくというのはどう?
Ridgel:「って事は、最後はバフォとかなのかなぁ…
MilliaDream:「まぁ、最後はともかく…それなら、手始めには何から?
ebu:「では…


MVPボスの中では弱い部類



ebu:虎さんあたりはどうでしょうか。


 そんなわけで、対エドガー。


てろってろってれ〜ん



 あっさり撃破。




suteinu:「おおー。いける。いけるぞー。
ebu:「思ったよりも楽でしたね。
MilliaDream:「意外と強い?

ebu:「そう言えば、このマップには、ヤファもいるそうですよ。

suteinu:「ふふふ。次は、ヤファか!

 ヤファとは、月夜花と言う、女の子の姿をした、狐人間のモンスターです。それを知っているすていぬは、ぐっとこぶしを握りしめ、言いました。

suteinu:「ベンチの犬としては、狐如きには負けられません!!

Ridgel:「微妙にどうかと思う台詞ですが。
Furiae:「キノセイキノセイ。

 ぎゅっとこぶしを握りしめたまま、すていぬは言いました。

suteinu:「獣人系トップの座は、譲れませんよ!!




即死





 身の程を知れ。








spit:「むー…


eve:「暇そうだね、スピ。

 ベンチ。
 暇そうにしているスピットに向かって、イブが言いました。

eve:「スピも、みんなと一緒に、どっか出かけてくればいいのに。
spit:「んー…まぁ…そうだがなぁ…

 帽子の中に手を突っ込んで、ぽりぽりとスピットは頭を掻きました。

spit:「今回のカーニバルには、俺は、あんまり出番がないのだ。
eve:「もしや、闇の声を追っている魔導師というのは…!?
spit:「ふっふっふ。そう…

 にやり、スピットは口許を曲げて言いました。

spit:「俺ではない。
eve:「そんなことは、百も承知。

 あっさりと言うイブに、スピットはちょいと帽子のつばを下げました。「アレだ」そして言いました。

spit:「俺様の戦うべき敵が、いないのさ。

 フッとニヒルに笑うスピットに、イブはポタ広場の方を指さしました。

eve:「いってら。


spit:おおぉぉお!

素手部健在!

spit:「殴りコロース!!

 おそらく古木の枝で召還されたのであろう、ペノメナをぼてくりまわしていた冒険者の輪の中に、スピットは飛び込みました。

spit:「俺も混ぜてくれ!!
「Wiz!?

 はっと、プリーストの女性が目を丸くしたのもたった一瞬。


Ridgel:「おや?あれはスピさんでは?
Furiae:「あ、本当だ。

 ちょうどその場に、皆が帰ってきて…


Ridgel:プロボック!!*4


brid:ヒール!!(敵に

ステキ支援



 即死。



spit:「なんか、突然ペノメナが強くなったぞー!?

brid:「キノセイキノセイ。
MilliaDream:「ヨクアルヨクアル。
spit:「なるほど、気のせいかー。







spit:「んなわけ、あるかぁ!!



Furiae:「あるある。
ebu:「あるある大辞典。
Ridgel:「いやー、楽しそうですね、スピさん。


spit:「て、敵は何処だ!?


eve:「ベンチの周りに多分、一杯いるよ。

Abd:「相変わらず、楽しそうですねぇ…

 と、やってきたのはアブです。

Grill:「まー、リダらしいと言えば、らしいね。

 と、一緒にいた焼豚こと、グリも笑います。

spit:「おお。

 久々に集まった三人。
 ベンチに戻り、いつもの位置に座る皆に、グリが言いました。

Grill:「あー、そうだ。オレっちがギルド抜けるって話は、みんなは…?
spit:「おお、知ってるぞ。

 スピットは帽子を直しながら言います。

 グリは今回の闇の声の影響か、諸説ぷんぷんでしたが、平行世界に行く事が出来るかも知れないという噂に、平行世界へと旅立つ決意をしていたのです。そのため、ギルドを抜け、その時を待っていたのでした。*5

Abd:「と、言うことはあれですねぇ。

 アブが笑いながら言います。

Abd:「ベンチ三大魔術師そろい踏みも、見納めですねぇ。
spit:「おおぉ!?

 ぽんと手を打ち、スピット。


spit:忘れていたぞ、そんな称号!!


Grill:「同じく。
Abd:「私も、今思い出したわけですが。

見納め、三色パン



spit:「と、なればやはり…
Abd:「やはり…
Grill:「ウム…





spit:Abd:Grill:その力、とくと目に焼き付けておくがよい!!*6





やりすぎ



 敵は何処だ?




spit:「ふはははははは!久々だ!アブ!!
Abd:「久々ですねぇ。

spit:「具体的に言うと…




spit:112話ぶりだな。*7


spit:Abd:「合体魔法!!


久々過ぎるぞ!?


Abd:「ストームガスト!!
spit:「ロードオブヴァーミリオン!!


Grill:「こっちも負けてられない。
KENNY:「豚さん、援護します!!


Ridgel:「魔法合戦DADADA!!
brid:「落ちる落ちる。
Furiae:「カクカクカク。



spit:「落とせー!!
Abd:「了解!!


Grill:「敵はどこだ?







「恨み…悲しみ…痛み…怒り…苦しみ…お前たちに理解できるか…

 無という恐怖…

 ここは、生への強力な執着が作り出した世界。
 お前たちに打ち消され、無に帰ることを拒否したものが集う世界。

 一度この世界へ来たものは、何をしようと報われることはない。だが、確かにここに存在している。 無ではない…それだけが唯一の救い。
 無ではない。だからこそ、生まれることも叶う。

 我らは、お前たちへの復讐を願い続けた。
 そして今、それが叶わんとしている」

 聞こえる闇の声に、魔導師は返す。

「もういい加減、鬼ごっこは終わりにしないか?
 俺たちも、お前を追い続けるのに疲れたし、このままじゃ、落ち着いて芋も食えやしねぇ…」

 闇の声は返す。

「我が目的は、我が願いは、復讐を果たすこと。
 お前たちを…

 この歪みに…永遠に…貴様等を取り込むこと!!」

 闇の声の響きと共に襲いかかるモンスターたちに、もう一人の魔導師が返す。

「仕方ありません…この時空のひずみで生きることよりも、無に帰るほうが幸せでしょう…
 参りましょう!」
 やがて、最後の戦いが始まる…*8








spit:「…


何故か整列してチャットを立てる面々

 世界のどこかで起こっている戦いを知るよしもなく。

 敵の居場所も、ともあれ。

 敵はどこだと尋ねたからと、別に戦いを挑むわけでもなんでもなく。



 今日も今日とて、ベンチはいつもと変わらずなのでした。


*1 正確にはカーニバルイベントではなく、アニメ連動イベントだったらしい。まったく知らなかったが。
*2 対象と一緒にテレポートするローグのスキル。一部のモンスターが使う。中ボスとはいえ、アークエンジェリングにインティミされると、かなりの高確率で死ねる。
*3 カーニバル中なので、戻ってきますしね。
*4 対象の防御力を下げる剣士のスキル。ただし、対象の攻撃力が上がる。
*5 前回参照。つまり、移住のこと。
*6 神か!?
*7 多分、合体魔法ネタを使ったのって、44話(「Ragnarokにようこそ!」)以来。
*8 今回のマイグレはメインストーリーを追いかけていない(もとより、それほどメインストーリーに絡むイベントもなかった)ので、こんな話が裏であったんですよ、というような感じの紹介。ちなみにコレがラストバトルだったらしい。