studio Odyssey



あれから…





 ああ、そうだ。

 ん?

 お前がいつも見てるあの冒険者、なんて言ったっけ?

 魔導師の?

 そうそう。
 お前も、よくもまぁ、飽きないもんだよな。

 そうか?
 でも、あいつら、いつも何かしでかしてくれるし、本当に飽きないし…なんなら、お前もちょっと見てみるか?

 あれ?あの魔導師、冒険に出てるの?

 いや…わからないけど…ベンチを覗いてみれば誰かいるだろうし…

 ベンチ?

 ああ、あいつらのたまり場なんだ。大抵、誰かいるから…

 お、じゃあ、ちょっと見せてくれよ。

 んじゃ、ちょっとベンチを覗いて…






なんの祭りだ




 何をしている!?



あれから…


 …
 何してんだ?こいつら…

 いや…えーと…なんだろう…と、とにかく、別の奴らを見てみよう。
 もうちょっとマシな冒険してる奴がいるかも知れないから。

 誰見るの?

 えーと…ああ、魔導師がこの前拾ったすていぬが冒険に出てるみたい。

 すていぬ?

 うん。アコライト。



 犬じゃないの!?


 えーっと…と、とにかく、すていぬなら、真面目に天津*1あたりでレベルアップを…

何故、BAP!?



 してねぇし!?


suteinu:「うおぉぉぉぉ!!BAP許すまじー!!



 …アコだろ?

 アコだな…*2




 あ、なんか、魔導師、時計塔に行ったみたいだぞ?

 ん?
 あ、珍しいな。アブもいる。

 アブって、この魔導師?

 そう。氷の魔導師。

 へぇ…SG使いか。

 いや…フロストノヴァ10*3とか、そう言う感じ。

 


 ま、まぁ、でも魔導師ならFWあるし、アラームはそれほど…


SWがむなしい…



 って、はぇぇぇな!?


 ああ、この魔導師たち、二人ともFWとか、持ってないから。


 マジか!?
 いや、マジ以下だ!?

 あー、FWを使えるなら、セージの、ルキノっていう奴がいるよ。

 ルキノ?女?

 うん。女セージ。あ、今いるみたい。
 グラストヘイムに挑むみたいだ。


いざ、グラストヘイム!!


 あ、結構この子はまともそう…
 パーティバランスもいいし。


 いや…どうだろ…
 目的地にもよると思うけど。

 目的地?
 レベル上げに、監獄とかじゃないの…






 いや…たぶん…






ダンジョンは最下層を目指してこそ、意味があるのだ!!




 最下層死にツアーかよ!?



 …ま、まともなのはいないのか?

 それは、スキル的に?

 …他に何があるのか気になるけど、聞かないでおこう。
 あ、さっきのアコの…すていぬちゃんだっけ?時計塔に挑むみたいだ。「ご主人さまを助けるのです!!」とか言ってるけど…

 魔導師の事かな。

 魔導師、もう帰ったじゃん。

 んー…


そこにダンジョンがあるからさ…



 本音と建て前?


 ま…まともなのはいないのか…


 スキル的には、いぬはまともだけど…あ、時計塔地下に挑むみたいだ。

 プリに魔導師、マジと騎士とハンター…結構豪華なパーティだし、ペノメナにも負けなそうだ。


hako:「諸君、ここから先がペノなわけだが…重要な情報があるから聞くように。

ringo:「なーに?
makie:「はい?


はこ べぁーの真実!!



 何故、それでペノとか来る!?



 仕様かな?*4


 えっと…もうちょっとその…普通っぽいのは…

 あ、へっぽこがいるな。

 へっぽこ?

 うん。魔導師のギルドのアイテムとかを管理してる、アルケミ。

 ケミ子!?いいな!!よし!その子を見よう!!



 元ポリン。


 


heppoko:「おろー?蜜柑さんではないですかー。
mikann:「こんにちはー。
heppoko:「およ、+6 2HSですか。750Kは、ちょっと高いような…
mikann:「うっ…で、でも、750Kでも売れると思うし!!
heppoko:「うーん…

Ridgel:「こんにちはー。

mikann:「リジェルさん、2HS買ってー。
Ridgel:「HAHAHA、+6から+7とか、そんな賭けはいたしません。
mikann:「しようよー!

heppoko:よし。



Ridgel:「で、何故、私の手には+6 2HSが握られているのでしょうか?
heppoko:「+7にして売り、へっぽこが儲けるためです。
mikann:「私的には、売れたので、折れろよコラ、という感じですが。


heppoko:「+6に価値はありませんが、+7なら、1Mくらいでも売れると思います。

れっつ、くほ!



mikann:「折れちゃえ。

heppoko:「儲けさせて頂きます。
mikann:「むしろ、折れろ。

Ridgel:「では、行きます…







 かんかん!







キター!?





heppoko:HAHAHA!!

Ridgel:「なんで成功するかなぁ。




駆け出す乙女




mikann:引退します!!




 早まるな!!



 あ、魔導師がまた出かけるみたいだ。

 ん…どれどれ…


spit:「さて…これからみなさんには…








それ、先週、槇恵さんがやったし…





 バトロワネタは古いだろ!?









赤い!? 赤いよ、ママン!!




 つーか、真っ先に死ぬのか!?






 っつーかよ…

 ん?

 確かに退屈はしないかもだが…

 あ、いぬがいつの間にかコンロンに行ってる。

 …

 でも、もう帰るのかな?

Favnir:「ヘリも死んじゃったし、戻る?
suteinu:「戻る?
heriosu:「戻りますかー?


Favnir:「それとも、バンザイアタック?


戻りの燃料(青ジェム)はないッ!!





 マテ。



suteinu:「ばんざーい!!











よくやった。感動した。




 支援プリの道は遠いな…



 っつーかよ…

 ん?

 確かに退屈はしないかもだが…こいつら、まともに冒険者してるの?
 なんだか、死んでばっかりだし、遊んでばっかりだし…

 あ。

 ん?

 珍しいのが冒険に出てる。

 珍しいの?

「ブレスー。速度増加ー。エンジェラスー。
「うーし…


 お。
 なんかこのペアはまともそうな…


「行くぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!







赤ミスを生み出す男




 当たってないから!?



「がんばってくださーい。
「うおぉぉ!?パサナつえぇぇぇぇぇぇ!?







 なぁ…


 ん?


 こいつら、いつもこんなノリなの?

 んー…だいたいそうかな。

 これでよく、冒険者やってられるな…
 こんなに死んでたらレベルも上がらないだろうし、お金も貯まらないだろ。

 うん。いつも貧乏してる。
 あ…

 ん?




死にまくり

 いぬ、また死んだ。


 こいつ、明らかに何か間違ってるだろ!?
 支援型じゃないだろ!?


 つーか、死にすぎ!?




 マジ、こいつら大丈夫なのか?
 こんなんで、今のこの世界、生きていけないだろ?

 んー…どうなんだろ…
 でも、なんだかんだで…


 …ん?



 見なって。
 ベンチにみんな、集まってきたから。





「何事…?

 お。
 流石に、通りすがりのローグさんも驚いてる。

 ああ…そりゃ…驚くだろ…





多っ!?



 何人いるんだ!?



 17、8ってトコだと思う。

 ってトコって…凄い大人数だな。


「な、何かあるのですか?

spit:「いえ、特に。
Furiae:「狩りに。
aoiruka:「ゲフェン2Fに。
Abd:「まぁ、紆余曲折、いろいろあって…
jeyad:「要約すると、突貫。
makie:「じゃ、逝きましょうか?
spit:「夢さん、ポター!!



 …こいつらって、いつもこうなの?


 大抵、こんな感じかな。
 別に、お金持ちでもないし、レベルも高いってわけじゃないし、効率から最も遠いギルドとか言われていたりするけど…


spit:「ぶわっ。
appi:「スピさん、どうしました?

spit:「桜の花びらが口に入った。

Abd:「大口を開けているからですよ。

spit:「…あれ?
appi:「どうしました?

spit:「あれ?いつの間に桜、咲いたんだ?
appi:「あ、先日咲きましたよ。
Abd:「また花見でもしますか?
spit:「ああ、あれから…また一年経ったのか…

 あの魔導師、帽子にさわって、ちょいと位置を直すよ。

 どうして?

 いや、そうする。きっとそうする。

 ずいぶん、古ぼけた帽子だけど…

 でも、あれは彼にとって、とっても大事なもので、彼が冒険を続ける限り、彼の頭の上に、ちょこんとのっかているものなんだ。




 それで、彼はポタに飛び込む。
 帽子を押さえて、いつもと同じにね。

 笑って、プロンテラベンチの仲間達に向かって、いいながら。


spit:「よーし、んじゃぁちょっくら、冒険しに行ってくっか!!

 僕が見続ける限り、きっと彼は変わらずに。














spit:「ああぁぁぁああ!?







そして今日もあいかわらずな…


*1 支援型アコの聖地。ここで転職までレベルアップも可能なくらい、いい稼ぎ場所。
*2 BAPこと、バフォメットはボスキャラ。強い。
*3 取得条件的には、一番厳しい氷の魔法。だが、SGこと、ストームガストがあまりにも強すぎるので、FNこと、フロストノヴァを大魔法と言う人はいない。Lv10マスター。真の氷の大魔法だが、死にスキルともっぱらの…
*4 ペノこと、ペノメナの攻撃は遠距離攻撃の無効化スキル、ニューマで防ぐ事が出来る。