studio Odyssey



熱い!?男たちの闘技場!!





 神仙の島、「コンロン」への道が開かれて、スピットたちプロンテラベンチのみんなも、コンロンへと遊びに来ていました。*1

 今日はみんなで、コンロンにある闘技場に行ってみようという事になっていて…

Ridgel:「おや?スピットさん、どこにいらっしゃるので?

 と、パーティにだけ聞こえる声でリジェルさん。

spit:「ああ、時間まで、ちょっとコンロンでも散策しようかと思って…
makie:「あー、空に浮いてる町ですし、景色いいですからねー。

spit:「うむ、景色がいいのはいいんだが…


まてまてまて!





spit:「まぁ、人生いろいろだぞ、少女よ。



熱い!?男たちの闘技場!!


 そんなこんなで、スピットは一件の店の前に来ていました。

 くるりとあたりを見回しますが、皆の姿は見えません。

spit:「あれ?どこに?
Ridgel:「あー、店の前にいるオジサンに話しかけてください。

 「ふむ」とスピットは店の前にいたオジサンに話しかけます。

[>そう、関係ないね


spit:「何を?


 にやりとオジサンは笑い、言いました。




この、石の入った袋を持ち上げて見ろ」


 見ると、オジサンの足下に、大きな袋があります。それはとても重そうで…


700以上も石はいらない…



 オジサンは「ほう」とうなり、奥の店を指さします。

「面白いものを見せてやる」





 連れられて店の奥にいくと、そこにはワープポイントがありました。「乗りな」と促されるままにそこに入ると…

そこは待合室



Ridgel:「おー、きましたな。
makie:「スピさん、観戦するなら、上ですよ。

ringo:「まだかなー。
aoiruka:「何と戦おう…


 何やら、ベンチの仲間たちが、列の中に居ます。
 ともあれ、スピットは観客席とやらに向かいます。


Harusame「あ、スピさん来た。
yuuki:「よく石、持てましたね?
spit:「持てるか。あんな重いもん。
Abd:「魔法で、重量相殺しましたね…
spit:「んで、ここが闘技場なの?

 聞くスピットに、焼豚こと、グリが返します。

Grill:「そそ、ここで、モンスターとサシで戦えるんだ。
spit:「下にいた、他の連中は、順番待ちか…

 つぶやき、眼下の闘技場を見ると、そこにオーラを身にまとったプリーストが現れていました。
 そして、オーラプリが対するは…


強敵!




 それは合成獣、キメラ。

 高レベルモンスターです。



 しかし、流石はオーラプリ。
 ものともせずに、キメラをうち倒します。

 と、観客席から歓声がわき起こりました。

spit:「すげーなー。
Abd:「結構、高レベルのモンスターも出る見たいですねぇ。*2


 と、次の挑戦者が入場してきます。

カッコイイとこ、見せてくれ!!




 ケイゴ、晴れ舞台!!


keigo:「がんばるぽー。


MilliaDream:「ケイゴ、合成獣がいいぞ。
spit:「ああ、チョーオススメだ。

keigo:「マジぽ?


 対戦相手を選ぶケイゴに、観客席から外野の声援。

keigo:「じゃあ…


 ケイゴが選んだのは…


それでこそ、ケイゴだ!!

 ナイスだ、ケイゴ!!*3


spit:「死ねー!
jeyad:「負けたら、死ね。
mayumi:「死ぬ気で、死ネー!
yuuki:「逝くんだ、ジョー!!


あといっぱつ!あといっぱつ!



 みんなの応援のおかげです。


Grill:「応援なのか?


よし、よくやった。キメラ。



 かんかんかーん。



keigo:「あとは…まかせた…

 続いて、入場してきたのは、ケノンさん。

kenon:「…うむ。

vsプティ


 ちょっと食らいはしたものの、相手はプティ。
 ケノンさんは難なく、撃破。そして…

kenon:「ケイゴの敵は取った…


keigo:「あれ?プティにやられたんだっけー!?
kenon:「うむ。
spit:「ケイゴ、まだまだだな。
Abd:「緊張すると、弱い、小さい敵も、大きく見えたりしてししまいますからね。
keigo:「修行が足りなかった!?
kenon:「そうだ!



 置いといて…



あおさん登場


 あおさんの番がやってきました。

aoiruka:「がんばりまーす。

Grill:「いるかさん、がんばれー。
jeyad:「7バッシュがんばー。


aoiruka:「じゃー、どれと戦うか…

 と、あおさんが選んだのは…


狩られる!?



 市場で刺身として売られ!?*4


aoiruka:「うおおおお、売られてたまるかー!!



グリフォンはなかなかの強敵



eve:「たべられました。



 かんかんかーん。






spit:「ふむ…

 スピットは唸りました。
 そして…


やってやるぜ!



 やってみたくなったようです!!


spit:「なに、この奥にいる人に話して、モンスター選ぶの?

 闘技場から、スピットは観客席の皆に向かって聞きます。

Grill:「そう。
spit:「ふむ…
Grill:「んで、選んだモンスターを3分以内に倒したら、勝ち。出来なければ負け。それだけ。
spit:「なるほど。

Sylphienne:「スピさん、がんばってくださーい。
spit:「おー、シルさん、来てたのか。
Sylphienne:「先ほどきましたー。
spit:「よーし、がんばるぜー。

eve:「かなり前から、私はいるよ?
mayumi:「ボクもボクもー。

spit:「…やる気がそがれるな。

 むっとして、
eve:「じゃあ、スピ、剣士とやんなよ。剣士と。
 言うイブに、スピットも「ぴくり」

spit:「ほう…剣士とな?

 にやり笑って、スピットは係員に言いました。

spit:「ならば、その剣士とやら、俺が倒してやるぜ!!




ちーん





 早すぎ。




 それは魔剣、ミスティルテイン。

 言うまでもなく、高レベルモンスターです。







spit:「おーのーれー…

 闘技場待合室に戻り、スピットは歯をぎりぎりとかみしめます。

spit:「この俺が、剣士なぞに…
Ridgel:「まぁ、魔剣は強敵ですからね。
spit:「違うっ!

 スピットは言います。

spit:「ちょっと油断していただけだ!!

 と、言うわけで、リベンジに燃えるスピットは、再び闘技場に乗り込み、「剣士!!」と係員に告げたのでした。

ringo:「スピさんがリベンジに燃えている!?

 と、スピットの前に闘技場に入って、負けて倒れている林檎。
 スピットは闘技場に現れた魔剣、ミスティルティンに挑みます。

spit:「いくぜぇぇぇぇぇぇぇえ!!



それが勝利の鍵だッ!



spit:「セイフティウォール! セイフティウォール! セイフティウォール!!



Furiae:「漏電雷魔導師の面目躍如だ!!
Harusame「キター!?


 観客席から、歓声が上がります。

 ベンチメンバー以外からは「ありえねー!?」とか声が聞こえていますが、知った事ではありません。

負けん!負けんよ!!


 ミスティルティンが怒りにまかせ、スキル、マキシマイズパワーを使ってこようが、知った事ではありません。*5

spit:「当たらなければ、そんなものは、意味がなく!!


 物理攻撃の絶対防御魔法、SWを前に、ミスティルティンは手も足も出せません。

「ばかな、なんという戦いだ!!
 という観客席からの声に、フリアイさんが答えます。
Furiae:「さすが、念雷のみ!!
Sylphienne:「スピットさんは、雷と念の魔法以外は使えないのです。

「なにぃ!? じゃあ、ファイヤーウォールとか…


 ファイヤーウォールって、なんですか?*6



keigo:「すごい戦いだ!!

 SWの中から、ユピテルサンダーをうち続けるスピット。
 切れるよりも早く、次のSWを出し、そこへ移動。
 手も足も出ないミスティルティン。

 これは、誰もが勝ったかと思ったときでした。




残り、1分です。


 係員の声。



spit:なにッ!?


eve:「制限時間、3分だから。


keigo:「時間との戦い!?
Furiae:「燃える展開!?


spit:「おのれ…魔剣、ミスティルティン!!


 スピットは次のセイフティウォールを出します。
 残り時間は、あと1分。




spit:「ならば…勝負ッ!!

 光の中に飛び込み、高らかに唱える呪文、それは…



必殺技は、最後まで取っておくものだ!!



keigo:「完璧な演出!?
Furiae:「まさか、こうなることを予想して!?


spit:「くたばれー!?


魅せてくれるぜ!!



キター!!


 熱狂する観客席。


 の、一部。

Grill:「おー…
eve:「負けが見えたねぇ…


 冷静。


あれ?




 ミスティルティンが、突然、カクカクカクと変な動きをして、止まってしまいました。


時間切れ



spit:「時間かッ!?

Furiae:「引き分けだ…
spit:「くっそおおぉぉぉ!?


 待合室に戻されるスピットに、観客席から惜しみない拍手です。



Ridgel:「おや、時間切れでしたか?

 待合室にいたリジェルさんが聞きます。

spit:「うん…でも、LoVはちゃんとうった。
Ridgel:「漢だ、アンタ漢だよ。

makie:「青ジェムはいくつ使いました?





spit:聞くな。



 少なくとも、この日もいつものように、青ジェムを30個持っていてよかったと、内心思ってました。*7



再び観戦モード


 観客席に戻ってきたスピットを、皆が迎えました。


 青ジェムを使いまくって、セイフティーウォールを越えた、セイフティーロードを創りだして戦う魔導師など、今まで誰も見た事がなかったのか、観客席でもちょっと有名になってしまったようでした。*8


spit:「お、ロブだ。

 見ると、闘技場には魔導師のロブの姿があります。

spit:「ロブ、魔剣やれ、魔剣。
Rove:「あー…ちょうど、魔剣、やってみようかと思っていたところで…

 ロブは係員に、スピットが戦ったミスティルティンをオーダーします。
 と、闘技場に現れた魔剣に…

これらのスキルは、すべてspitには、ない


Rove:「ファイヤーウォール!!アイスウォール!!


 即座に挟み撃ち。

Rove:「ユピテルサンダー!!


 観客は、スピットの時とは別の意味であっけ取られました。
 というのも、ロブの高速詠唱はベンチでも一番。他の冒険者たちと比べても、群を抜いて速いのです。


 しばらくの後には、折れた魔剣が、闘技場の上にはあったのでした。

Rove:「結構、強いですね。
spit:「うーむ…まだまだ、精進がたらんか…

ちなみに、デスペナはありません。


 そして、勢いづいて次々と闘技場に挑む面々。


何をしているんだか



 槇恵さんvsジルタスで、仕掛けたトーキーが次の人で発動したり、


なんかちょっとイイかも!?



 死神を背負った女が現れたり、


名前が「下町のナポレオン」なお酒



 ノリノリだったり、





 そして…





sinma:次 こ そ は。



 皆の期待を一身に背負って現れたのは、この日のコンロン巡りに参加するためにベンチにやってきた、神魔くんです。


spit:「キター!!
Abd:「決めてくれ!!


 彼が一体、何故、ここまで皆を熱くするのか…それは…






 よく、今までのSSを見てみよう!!*9



 そう、彼は幾度となく敵に挑み、ことごとく、破れていたのだ!!


 そして、その破れていた理由は、ただひとつ…


sinma:「見ててくれ!!

気合いをためてー…



sinma:「気功!!気功!!気功!!きこうー!!

 生み出されるのは、五つの光の弾。










sinma:「SP回復…


spit:「SP切れるの早っ!?
Abd:「早すぎる男登場。

 そして、SPが回復するや…



sinma:爆裂波動!!


 ずしんと揺れる闘技場、観客席のボルテージも最高潮です。


準備万端!


Ridgel:「熱いぜ、熱いぜー!! 熱くて、死ぬぜー!!

spit:「今度こそ、決めてくれ!!




spit:Ridgel:死ぬ前に、阿修羅を!!


 そう、神魔くんが狙うのは、ただひとつ。


 最強の一撃必殺スキル、「阿修羅覇凰拳」による、一撃粉砕です!!*10


 今までは爆裂状態にたどり着く前にやられていたりしましたが、今回は爆裂状態からスタートです。
 さぁ、見せてくれ!!




 その一撃の破壊力を!!



よりにもよって、ここまで盛り上げたのに、ファミリアかよ!!



 って、あまりにも敵が弱すぎな!?



sinma:「まぁ、仕方がない…では、さくっと。

 神魔くんは身構えます。


 そして…

今、必殺のー…!!




sinma:阿修羅覇凰拳っっっっっっっっっっっっ!!















…







 ミス!?





 もはや、阿修羅が必中だとか、たまにはずれるらしいとか、詠唱阻害されると止まるとか、そんな事は関係ありません。

 少なくともそれは、誰の目から見ても詠唱は終わり、突き出された拳が、ファミリアをとらえたかに見えたのでした。





 はずしましたが!!*11





今のなし!なし!!

当たれば一撃なんだよ、当たれば…





sinma:モキャー!!


 ファミリアー、一撃粉砕の後、神魔くん、そそくさと退場。

 一方、観客席…


言いたい放題
しかし、あのタイミングは、再現できない…
流石としか言いようがないタイミングだった…


Ridgel:「よくやった、感動した!!

spit:「感動しすぎて、笑い死ぬかと。










sinma:「なんと、アンコールですか?


今度こそは、華麗に決めてくれるそうです!! 期待大!!




spit:「役者キター!!


sinma:「いきまーす。気功x5!!


いかなるピンチでも、SP回復を挟まなければならないのだ!!




Ridgel:「その弱々しさが!!

spit:「なんともイイ!!


sinma:「大変、長らくお待たせしました。


もはや、パフォーマーとして開き直ったか!?



Ridgel:「3番線に電車がまいります?


sinma:「いやいやいや。


準備万端!!


jeyad:「爆裂まだー!?


sinma:「いきます。









sinma:「そして…







な、なにぃ!?



sinma:「カウントされてたの!?


Ridgel:「新たな事実ですね。
spit:「うむ、俺も、今知った。


sinma:「うあ、えーと、じゃあ敵は…








かんかんかーん





spit:よくやった。感動した…





…






八つ当たり!?





 熱い男たちの集う場所、それが闘技場。


*1 そんなわけで、前回の続き。
*2 強いものから弱いものまで、実にさまざまな敵が用意されているが、さすがにボスはでない。
*3 モンスターは正式名称ではなく、ちょっと変わった名前が付けられている。
*4 昔のあおさんの職位。何故か、凄く印象に残っているフレーズ。
*5 マキシマイズパワー。通称、MP。ブラックスミスのスキルで、解除するまで、最大攻撃力で攻撃できる。
*6 そんなものは、ありませんよ!!
*7 SWを使うには青ジェムこと、ブルージェムストーンを1個消費する。ちなみに1個、商人で安く買っても、456zする。
*8 そんな魔導師は、はっきり言って、いない。
*9 画面のはしで死んでます。
*10 阿修羅覇凰拳。通称、阿修羅。アコライトの上位職、モンクが使う事の出来る、単体攻撃において全スキル中最大のダメージを放つ事が出来る必殺技。前提条件が厳しく、気弾5つの、爆裂波動状態でなければ使えない。ちなみに爆裂状態になるには気弾が5つ必要で、SPをかなり食う。上、爆裂状態になるとSPが回復しなくなるどころか、阿修羅は残りSPのすべてを使い、かつSPによってダメージが変わるので、まさに超々必殺技。
*11 真実は誰にもわからないが、阿修羅は「DEF無視の必中攻撃」と言われている。ので、これが事実ならは、阿修羅は「詠唱阻害される事はあっても、はずれる事はない」となるのだが、この詠唱阻害を受けるタイミングがどうやらくせ者らしく、「発動した」と思ったタイミングでもまれに阻害されるらしい…しかし、ファミリアに殴られて、ダメージ1で阿修羅を止められるあたりは、流石としか言いようがない。