神仙の島、「コンロン」への道が開かれて、スピットたちプロンテラベンチのみんなも、コンロンへと遊びに来ていました。
*1
今日はみんなで、コンロンにある闘技場に行ってみようという事になっていて…
Ridgel:「おや?スピットさん、どこにいらっしゃるので?
と、パーティにだけ聞こえる声でリジェルさん。
spit:「ああ、時間まで、ちょっとコンロンでも散策しようかと思って…
makie:「あー、空に浮いてる町ですし、景色いいですからねー。
spit:「うむ、景色がいいのはいいんだが…
spit:「まぁ、人生いろいろだぞ、少女よ。
そんなこんなで、スピットは一件の店の前に来ていました。
くるりとあたりを見回しますが、皆の姿は見えません。
spit:「あれ?どこに?
Ridgel:「あー、店の前にいるオジサンに話しかけてください。
「ふむ」とスピットは店の前にいたオジサンに話しかけます。
spit:「何を?
にやりとオジサンは笑い、言いました。
「
この、石の入った袋を持ち上げて見ろ」
見ると、オジサンの足下に、大きな袋があります。それはとても重そうで…
オジサンは「ほう」とうなり、奥の店を指さします。
「面白いものを見せてやる」
連れられて店の奥にいくと、そこにはワープポイントがありました。「乗りな」と促されるままにそこに入ると…
Ridgel:「おー、きましたな。
makie:「スピさん、観戦するなら、上ですよ。
ringo:「まだかなー。
aoiruka:「何と戦おう…
何やら、ベンチの仲間たちが、列の中に居ます。
ともあれ、スピットは観客席とやらに向かいます。
Harusame「あ、スピさん来た。
yuuki:「よく石、持てましたね?
spit:「持てるか。あんな重いもん。
Abd:「魔法で、重量相殺しましたね…
spit:「んで、ここが闘技場なの?
聞くスピットに、焼豚こと、グリが返します。
Grill:「そそ、ここで、モンスターとサシで戦えるんだ。
spit:「下にいた、他の連中は、順番待ちか…
つぶやき、眼下の闘技場を見ると、そこにオーラを身にまとったプリーストが現れていました。
そして、オーラプリが対するは…
それは合成獣、キメラ。
高レベルモンスターです。
しかし、流石はオーラプリ。
ものともせずに、キメラをうち倒します。
と、観客席から歓声がわき起こりました。
spit:「すげーなー。
Abd:「結構、高レベルのモンスターも出る見たいですねぇ。
*2
と、次の挑戦者が入場してきます。
ケイゴ、晴れ舞台!!
keigo:「がんばるぽー。
MilliaDream:「ケイゴ、合成獣がいいぞ。
spit:「ああ、チョーオススメだ。
keigo:「マジぽ?
対戦相手を選ぶケイゴに、観客席から外野の声援。
keigo:「じゃあ…
ケイゴが選んだのは…
ナイスだ、ケイゴ!!*3
spit:「死ねー!
jeyad:「負けたら、死ね。
mayumi:「死ぬ気で、死ネー!
yuuki:「逝くんだ、ジョー!!
みんなの応援のおかげです。
Grill:「応援なのか?
かんかんかーん。
keigo:「あとは…まかせた…
続いて、入場してきたのは、ケノンさん。
kenon:「…うむ。
ちょっと食らいはしたものの、相手はプティ。
ケノンさんは難なく、撃破。そして…
kenon:「ケイゴの敵は取った…
keigo:「あれ?プティにやられたんだっけー!?
kenon:「うむ。
spit:「ケイゴ、まだまだだな。
Abd:「緊張すると、弱い、小さい敵も、大きく見えたりしてししまいますからね。
keigo:「修行が足りなかった!?
kenon:「そうだ!
置いといて…
あおさんの番がやってきました。
aoiruka:「がんばりまーす。
Grill:「いるかさん、がんばれー。
jeyad:「7バッシュがんばー。
aoiruka:「じゃー、どれと戦うか…
と、あおさんが選んだのは…
市場で刺身として売られ!?*4
aoiruka:「うおおおお、売られてたまるかー!!
eve:「たべられました。
かんかんかーん。
spit:「ふむ…
スピットは唸りました。
そして…
やってみたくなったようです!!
spit:「なに、この奥にいる人に話して、モンスター選ぶの?
闘技場から、スピットは観客席の皆に向かって聞きます。
Grill:「そう。
spit:「ふむ…
Grill:「んで、選んだモンスターを3分以内に倒したら、勝ち。出来なければ負け。それだけ。
spit:「なるほど。
Sylphienne:「スピさん、がんばってくださーい。
spit:「おー、シルさん、来てたのか。
Sylphienne:「先ほどきましたー。
spit:「よーし、がんばるぜー。
eve:「かなり前から、私はいるよ?
mayumi:「ボクもボクもー。
spit:「…やる気がそがれるな。
むっとして、
eve:「じゃあ、スピ、剣士とやんなよ。剣士と。
言うイブに、スピットも「ぴくり」
spit:「ほう…剣士とな?
にやり笑って、スピットは係員に言いました。
spit:「ならば、その剣士とやら、俺が倒してやるぜ!!
早すぎ。
それは魔剣、ミスティルテイン。
言うまでもなく、高レベルモンスターです。
spit:「おーのーれー…
闘技場待合室に戻り、スピットは歯をぎりぎりとかみしめます。
spit:「この俺が、剣士なぞに…
Ridgel:「まぁ、魔剣は強敵ですからね。
spit:「違うっ!
スピットは言います。
spit:「ちょっと油断していただけだ!!
と、言うわけで、リベンジに燃えるスピットは、再び闘技場に乗り込み、「剣士!!」と係員に告げたのでした。
ringo:「スピさんがリベンジに燃えている!?
と、スピットの前に闘技場に入って、負けて倒れている林檎。
スピットは闘技場に現れた魔剣、ミスティルティンに挑みます。
spit:「いくぜぇぇぇぇぇぇぇえ!!
spit:「セイフティウォール!
セイフティウォール! セイフティウォール!!
Furiae:「漏電雷魔導師の面目躍如だ!!
Harusame「キター!?
観客席から、歓声が上がります。
ベンチメンバー以外からは「ありえねー!?」とか声が聞こえていますが、知った事ではありません。
ミスティルティンが怒りにまかせ、スキル、マキシマイズパワーを使ってこようが、知った事ではありません。
*5
spit:「当たらなければ、そんなものは、意味がなく!!
物理攻撃の絶対防御魔法、SWを前に、ミスティルティンは手も足も出せません。
「ばかな、なんという戦いだ!!
という観客席からの声に、フリアイさんが答えます。
Furiae:「さすが、念雷のみ!!
Sylphienne:「スピットさんは、雷と念の魔法以外は使えないのです。
「なにぃ!? じゃあ、ファイヤーウォールとか…
ファイヤーウォールって、なんですか?*6
keigo:「すごい戦いだ!!
SWの中から、ユピテルサンダーをうち続けるスピット。
切れるよりも早く、次のSWを出し、そこへ移動。
手も足も出ないミスティルティン。
これは、誰もが勝ったかと思ったときでした。
「
残り、1分です。
係員の声。
spit:「
なにッ!?
eve:「制限時間、3分だから。
keigo:「時間との戦い!?
Furiae:「燃える展開!?
spit:「おのれ…魔剣、ミスティルティン!!
スピットは次のセイフティウォールを出します。
残り時間は、あと1分。
spit:「ならば…
勝負ッ!!
光の中に飛び込み、高らかに唱える呪文、それは…
keigo:「完璧な演出!?
Furiae:「まさか、こうなることを予想して!?
spit:「くたばれー!?
「
キター!!
熱狂する観客席。
の、一部。
Grill:「おー…
eve:「負けが見えたねぇ…
冷静。
ミスティルティンが、突然、カクカクカクと変な動きをして、止まってしまいました。
spit:「時間かッ!?
Furiae:「引き分けだ…
spit:「くっそおおぉぉぉ!?
待合室に戻されるスピットに、観客席から惜しみない拍手です。
Ridgel:「おや、時間切れでしたか?
待合室にいたリジェルさんが聞きます。
spit:「うん…でも、LoVはちゃんとうった。
Ridgel:「漢だ、アンタ漢だよ。
makie:「青ジェムはいくつ使いました?
spit:「
聞くな。
少なくとも、この日もいつものように、青ジェムを30個持っていてよかったと、
内心思ってました。*7
観客席に戻ってきたスピットを、皆が迎えました。
青ジェムを使いまくって、セイフティーウォールを越えた、セイフティーロードを創りだして戦う魔導師など、今まで誰も見た事がなかったのか、観客席でもちょっと有名になってしまったようでした。
*8
spit:「お、ロブだ。
見ると、闘技場には魔導師のロブの姿があります。
spit:「ロブ、魔剣やれ、魔剣。
Rove:「あー…ちょうど、魔剣、やってみようかと思っていたところで…
ロブは係員に、スピットが戦ったミスティルティンをオーダーします。
と、闘技場に現れた魔剣に…
Rove:「ファイヤーウォール!!アイスウォール!!
即座に挟み撃ち。
Rove:「ユピテルサンダー!!
観客は、スピットの時とは別の意味であっけ取られました。
というのも、ロブの高速詠唱はベンチでも一番。他の冒険者たちと比べても、群を抜いて速いのです。
しばらくの後には、折れた魔剣が、闘技場の上にはあったのでした。
Rove:「結構、強いですね。
spit:「うーむ…まだまだ、精進がたらんか…
そして、勢いづいて次々と闘技場に挑む面々。
槇恵さんvsジルタスで、仕掛けたトーキーが次の人で発動したり、
死神を背負った女が現れたり、
ノリノリだったり、
そして…
sinma:「
次 こ そ は。
皆の期待を一身に背負って現れたのは、この日のコンロン巡りに参加するためにベンチにやってきた、神魔くんです。
spit:「キター!!
Abd:「決めてくれ!!
彼が一体、何故、ここまで皆を熱くするのか…それは…
よく、今までのSSを見てみよう!!*9
そう、彼は幾度となく敵に挑み、ことごとく、破れていたのだ!!
そして、その破れていた理由は、ただひとつ…
sinma:「見ててくれ!!
sinma:「気功!!気功!!気功!!きこうー!!
生み出されるのは、五つの光の弾。
sinma:「SP回復…
spit:「SP切れるの早っ!?
Abd:「早すぎる男登場。
そして、SPが回復するや…
sinma:「
爆裂波動!!
ずしんと揺れる闘技場、観客席のボルテージも最高潮です。
Ridgel:「熱いぜ、熱いぜー!! 熱くて、死ぬぜー!!
spit:「今度こそ、決めてくれ!!
spit:Ridgel:「
死ぬ前に、阿修羅を!!
そう、神魔くんが狙うのは、ただひとつ。
最強の一撃必殺スキル、「阿修羅覇凰拳」による、一撃粉砕です!!
*10
今までは爆裂状態にたどり着く前にやられていたりしましたが、今回は爆裂状態からスタートです。
さぁ、見せてくれ!!
その一撃の破壊力を!!
って、あまりにも敵が弱すぎな!?
sinma:「まぁ、仕方がない…では、さくっと。
神魔くんは身構えます。
そして…
sinma:「
阿修羅覇凰拳っっっっっっっっっっっっ!!
ミス!?
もはや、阿修羅が必中だとか、たまにはずれるらしいとか、詠唱阻害されると止まるとか、そんな事は関係ありません。
少なくともそれは、誰の目から見ても詠唱は終わり、突き出された拳が、ファミリアをとらえたかに見えたのでした。
はずしましたが!!*11
sinma:「
モキャー!!
ファミリアー、一撃粉砕の後、神魔くん、そそくさと退場。
一方、観客席…
Ridgel:「よくやった、感動した!!
spit:「感動しすぎて、笑い死ぬかと。
sinma:「なんと、アンコールですか?
spit:「役者キター!!
sinma:「いきまーす。気功x5!!
Ridgel:「その弱々しさが!!
spit:「なんともイイ!!
sinma:「大変、長らくお待たせしました。
Ridgel:「3番線に電車がまいります?
sinma:「いやいやいや。
jeyad:「爆裂まだー!?
sinma:「いきます。
sinma:「そして…
sinma:「カウントされてたの!?
Ridgel:「新たな事実ですね。
spit:「うむ、俺も、今知った。
sinma:「うあ、えーと、じゃあ敵は…
spit:「
よくやった。感動した…
熱い男たちの集う場所、それが闘技場。