まぁ…
ギルド砦の防衛に一役かったというのは本当らしいし、正直、あの子たちがそれほどの力をつけたのかはわからないのだけれど…
Ridgel:「ギルドダンジョン、初体験!
Furiae:「即死な予感!
Curou:「…防衛には参加しなかったけど、いいのだろうか。
私は、ギルド、Ragnarokのいつものたまり場という、あのベンチに行き、防衛戦に参加したという騎士とアサシン、そしてそこにいたクルセイダーを連れ、ギルド砦へとやってきました。
*1
はてさて…
ギルド、Ragnarokの面々の力というのは、どれほどのものか…
ところで、どうでもいいんだけど、私、なんでノービスなのかしら…
「あのー…」
私は、騎士、リジェルに言います。
「ギルドダンジョンに挑むのはいいんですけど…」
Ridgel:「なんでしょう?
「プリーストはいないのですか?」
Ridgel:「
仕様です。
Furiae:「ベンチ突貫は、プリがいないなど、
いつものことです。
本気か、この人たち…
「ま、まぁ…クルセさんいますし…」
Curou:「ヒールなんて
当然ありませんが?
本気か!?*2
Ridgel:「あ、一人、追加で来るようです。ゼルクさん、迷っているようで…
Furiae:「じゃ、逝きましょうか。
へ、平気なのか、この人たち…
そして、砦の地下にある、ギルドダンジョンに私は彼らを連れて入り…
早っ!?
Ridgel:「さーて、では、ギルドダンジョン、初体け…
おおおぉ!?
Ridgel:「何をしてますかー!?
Zeruk:「あり得ない強さ…
Furiae:「即死ですよ…
Curou:「勝てませんって。
Ridgel:「うおおおぉぉぉ!
負けるかー!!
と、騎士、リジェルは狂気のポーションを飲み、ツーハンドクイッケンを発動。
マヤパープルの攻撃をかわしながら、斬りつけていきます。
この騎士は…強い…
Ridgel:「いえ、
無理です。
Furiae:「リジェルさんが勝てない敵に、我々が勝てるはずもなく…
Zeruk:「ですねー。
Ridgel:「た、探索する暇もなく終わった…
…強いのか?このギルド。
がっくり肩を落とし、4人はベンチに戻ります。
Ridgel:「うーむ…
Zeruk:「やはり、プリなしでは、死ねましたね。
Furiae:「当然といえば、同然でしょうが…
Curou:「火力も足りないですしねぇ…
と、ベンチに戻ると…
rukino:「おか。
Ridgel:「
火力発見。
ichigo:「おかー、です。
Zeruk:「
プリ発見。
reira:「何かやってるのですか?
Furiae:「
さらに火力アップ。
Curou:「じゃ、
再チャレンジといきましょうか。
立ち直り、早っ!?
rukino:「いあいあいあ…何を突然…
赤い髪のセージが言います。
Ridgel:「今、ギルドダンジョンに挑んでいるのです。
Furiae:「攻城戦で防衛できたので、体験させていただけているのです。
rukino:「ほほぅ…
決断、早っ!?
そして、3人増えて、7人になって、再びギルドダンジョンへ。
まぁ…でも…平均レベル70とかのパーティじゃ、何人増えても、高レベルモンスターばかりのギルドダンジョンでは…
rukino:「ずどーん!
reira:「くまうまー!
Ridgel:「ふははは!速度にブレス!!私は、風になるッ!
Furiae:「グロリアがあれば、クリもでるー!!
なんか、
突然強くなった。
意気揚々と、彼らはギルドダンジョンを歩いていきます。
rukino:「ここには、何がいるんだー?
Ridgel:「強いくまとか、強い蝶とか、強いイノシシとか…
強いくま=レイブオルマイ。
強い蝶=クリーミーフィア。
強いイノシシ=グリンブルスティ。
まぁ…彼らにとっては、そんな事はどうでもいいようで…
Furiae:「あ、あと、強いPTがいるかもしれませんね。
reira:「あー、ギルドダンジョンは、攻撃出来ちゃうんだっけ…
ichigo:「誤爆に注意しながら進みましょうー。
*3
Curou:「砦の人たちに、迷惑かけちゃうしね。
Zeruk:「イノシシ接近!
Ridgel:「
滅殺!!
何を剥ぐのだろう…
*4
rukino:「…くまといのしし、FWに引っかかるのか。倒せそうだなー。
と、ぽつり、セージの彼女。
ここにいるモンスターの多くは地属性です。
よって、彼女の炎魔法は、有効属性なので、かなりのダメージを与えられるよう…
rukino:「ちょっくら、やってみるぜー。
Ridgel:「では、私もくまとタイマンしようかな。
からって、一人では…
勝ってる!?
rukino:「おおおぉぉ…
Ridgel:「どうしました?
rukino:「
ウマー!?
ギルドダンジョンのモンスターたちは、軒並み、経験値が多くなっているので、彼女くらいのレベルでは、そのモンスターを一匹倒しただけでも、結構な経験値になるのでしょう。
rukino:「わははー!経験値、いただきだー!!
いや、
減ってるし、それ。
rukino:「こ、この柱がッ!柱がッ!!
Ridgel:「何をしていますか、貴方は。
Furiae:「仕様です。
Ridgel:「まぁ、でも経験値おいしいし、死んでも痛くはないですな。
Zeruk:「ですねー。
Curou:「これで、レアが出れば…
Furiae:「それは高望みしすぎかと…
reira:「くま、はっけーん!
Ridgel:「む!くまうまー!!
rukino:「おこしてー。
ichigo:「リザレクショーン!!
と、彼らが、通路の向こうからやってきたレイブルオマイを倒したときでした。
Curou:「あ…
rukino:「い?
Zeruk:「う。
Furiae:「え…
ichigo:「を。
Ridgel:「どうしました?
ある意味、レア。
うれしくないけど…
Ridgel:「ふーむ…
それからしばらくまた彼らは狩りをして、一通りギルドダンジョンを回りきりました。
今度は一回目と違い、全滅どころか、やられたのも、セージの彼女だけです。
Ridgel:「一通り回りましたし、敵も斬りましたか…
rukino:「ねーねー、なんか、さっき、強いのにやられたんじゃないの?
Furiae:「ああ、マヤパープルですね。
Curou:「あれ、マヤじゃなかった?
Zeruk:「パープルだったと思いますが…
Ridgel:「とりあえず、強い奴ということで…
rukino:「うむ。
と言っても、マヤパープルもそう簡単にあえる敵ではないですし、1回目は全滅した相手。
*5
この子たち、本気なの…
本気だ。
Ridgel:「ふはははは!
Furiae:「さっきは、よくもー!!
rukino:「こいつか、こいつかー!!
reira:「つよーい!!
rukino:「なんか、おまけがついてるなー。
Ridgel:「うざいわ、イノシシ!!
ichigo:「がんがれー。
そして、あっというまに…
殲滅。
もしかするとこの人たちは、個々ではそれほど強くないけれど、パーティを組むと…
Ridgel:「ふははははは!勝った!!勝ったぞ!!
Ridgel:「
SP使い果たしたけど。
強い…のかな?
rukino:「だっしゅつ!!
「おう!!
そして、出口へ走る彼ら。
その前に、レイブルオマイが2匹、立ちふさがります。
rukino:「なぜ、出口に!
Ridgel:「あやうい…
Furiae:「さあ、脱出しましょう!!
そして…
さんさんと午後の陽光が降り注ぐヴァルキリーレルムに、彼らは戻ってきました。
rukino:「ふー。
と、セージの彼女は軽く息を吐き出しました。
rukino:「とりあえず、レルムのベンチで休憩しようか。
Furiae:「ですね。
Zeruk:「あれ…
ichigo:「どうしました?
Zeruk:「
たりないような…
Ridgel:「
置いて行かれる、僕。
reira:「貴方の事は忘れません…
rukino:「気合いでくりぬけろー。
Ridgel:「こう、颯爽と助けに来てくれたり…
は、しないようです…
reira:「ちなみに、レルム抜けたら、忘れますが…
Zeruk:「さよなら、リジェル!ありがとう、リジェル!!
Ridgel:「
ひでぇや。
えぐえぐと嘘泣きする騎士、リジェルの声が聞こえていました。
「どうだ?あいつの、プロベンの仲間たちは?」
私の頭の中に届く声。「そうね…」
私は、彼にだけ聞こえる声で返す。
「個々の実力は、それほど高いわけではないけれど、特筆すべきは、仲間たちと組んだときの強さと…」
「それぞれの心の強さといったところかしら」
「へぇ…」
唸るようにして返した彼に、私はそっと、続けたのでした。
「彼らは、もしかしたら、たどり着くかも知れないわね」
「同じ場所に?」
「その時は、ともすれば…」
「私たちと、戦うことになるかも知れないわね」
「やりたくはねぇ相手だな」
彼の笑うような声。
私も軽く笑う。
来るべき、魔物たちとの決戦。
その時、その場所で、もしかしたら…
午後の陽光の差し込むプロンテラ砦、ヴァルキリーレルム。
私は彼らに気づかれないよう、そっと、姿を消しました。
青い石を、その呪文の言葉にはじけ飛ばせて。「…ワープポータル!」
Furiae:「あ…
rukino:「ん…?
rukino:「リジェさんにあげる。
Ridgel:「いらねー!!
彼らとまた出会うことを、ちょっとだけ期待しながら。