刺すな。*1
そんなこんなで、いつものベンチ。
いつも通りにスピットたちがベンチでダベったりぶんぶくを刺したりしていると、ぷらりとひとりのアコライトの男の子がやってきました。
lang:「はじめまして〜。
spit:「ん?
Ridgel:「ああ!ぶんぶくを刺さない!!
Farmei:「こんにちわー。
Trice:「こんちわー。
spit:「どちらさま?
と、スピットが聞くと、彼は答えました。
lang:「あ、『プロンテラベンチの仲間たち』を読んで、遊びに来てみたんです。
Ridgel:「おー。ベンチも有名になりましたなぁ。
spit:「だなぁ。(ぷす
Ridgel:「だから、刺さないー!?
なんて遊んでいるスピットの隣。
槇恵さんはぶんぶくに興味津々です。
makie:「ああああああぁぁぁぁぁぁあぁ。
spit:「…なんだ?
makie:「かわいいなぁ、
ちくしょぅー。
今にも持って帰っちゃいそうな勢いです。
Ridgel:「ふっふっふ。やっとの事で手に入れたのです。かわいいでしょう。
makie:「あああぁぁぁ。
makie:「
食べちゃいたい…
Ridgel:「ノオオオォ!?
spit:「(ぷす
Ridgel:「だから、刺すなと!
Farmei:「ワープポータルー。
Ridgel:「おうああぁぁ!? ぶんぶくの足下に!?
spit:「あ…ぶんぶく、飛んだ…
makie:「あああぁぁ、ぶんぶくー!
lang:「…何か、一緒にひとり飛んだような。
spit:「…
Ridgel:「…
spit:「さて、行くか。
激戦が!?
まぁ、それは置いといて。
*2
lang:「来てしまった…
spit:「まぁ、いつもこんなモンだ。
makie:「狸かわいさに…
華ちゃんの出したワープポータルに、ぶんぶく共々、飛んだ槇恵さんを追いかけてきたベンチメンバーは、スピット、リジェルさん、華ちゃん、フリアイさん、トライスさん、そして、狼さんです。
Trice:「で、ぶんぶくは?
と、トライスさん。
きょろきょろと辺りを見回して言います。
けれども、どこにもぶんぶくの姿は見あたりません。
Ridgel:「ああ、ぶんぶくなら、たまごに…
spit:「
どこへ行った!ぶんぶく!!
とりあえず、
そう言う方向らしいです。
spit:「さーて、いこうかー。
Ridgel:「え!? いやだって、ぶんぶくは卵に戻して…それに、武器がありませんし。
*3
Furiae:「戻るもよし、逝くもよし。
意味は一緒。
spit:「では、とつ、げき!!
逝ってヨシ。
lang:「どこでも、一撃死だなぁ。
そんなこんなで…
室内ダンジョンに来てみました。
Ridgel:「で、どの部屋に行きます?
室内ダンジョンは、全部で4つの部屋からなります。
spit:「んー。
スピットは少し思案するように顎に手を当てると…
そんな選択基準。
そんなわけで…
沸き沸きでした。
Ridgel:「大ビンゴですね。
spit:「あー、そういえば、室内ダンジョンなら、アリスいるじゃん。
Farmei:「…リジェさんの出番ですね。
Furiae:「ですね。
Ridgel:「
なぜだ!?
makie:lang:「
メイド泣かせのリジェル!?
Trice:「噂をすれば…
ノリ気じゃん。
Ridgel:「フ…
Trice:「これが、メイド泣かせのリジェルです。
makie:lang:「おお〜。
Ridgel:「し、しまった!?思わず!?
すばらしい。*4
あ。
それもサービスですよね?
spit:「フ…
lang:「さすがスピットさん!
Furiae:「仕様です。
Farmei:「青ジェム、あんまり持ってきてないんだけどなァ。
spit:「しっかし、なんか沸いてるなぁ。
座りこんでSPを回復しながら、スピットは帽子を直しつつ言いました。
spit:「こんなにいっぺんに出てきたのは、久々な…
Ridgel:「あまり、死にたくないのですが…
Farmei:「エー。
spit:「あー、俺ももうちょっとでレベル上がるからなぁ。あんまり死にたくねぇなぁ。
Ridgel:「ですねー。
Furiae:「エー。
makie:「あ。
ぽんっと槇恵さんは手を打つと、言いました。
makie:「
だからか。
Trice:「なるほど。
lang:「狙いすましているのですね!
*5
Farmei:「あ、隣の部屋…
Ridgel:「行きます?
Farmei:「
フクロウさん、3匹くらい…
フクロウこと、オウルデュークというモンスターはかなり上級レベルの敵です。
その力は、中ボスクラスとも言われるモンスターで…
Ridgel:「げげげ。
spit:「げ。
Ridgel:「
むりむりむり。
開始。
spit:「ぎゃああー!敵の風魔法、けっこーいてええぇ。
Ridgel:「か、鏡もいますよ!?
Furiae:「し、死ぬ!?
こちら、前衛。
Farmei:「ヒール!
lang:「ヒール!って、役に立ってるのだろうか…このヒール…
*6
makie:「あたらないけど、ダブルストレイフィング!!
Trice:「…ナニモデキン。殴りMage。
こちら、後衛。
Ridgel:「と、いうより、これは確実に無理な気が!?
Furiae:「死にます…
それもそうでしょう。
spit:「
4!?
Ridgel:「3匹って言いませんでした!?
Farmei:「3匹
くらいいる。
Furiae:「あー、奥にライドワードがいる…
*7
spit:「うむ。
spit:Furiae:「
リジェルさん、お先。
Ridgel:「
ノオオォォ!?
makie:「一瞬で消し飛びました…
lang:「む、無理…
Trice:「5だけあたった…
Ridgel:「切り抜けてみせるぞ!!
Ridgel:「
ボーリングバッシュ!!
Ridgel:「いや、無理。
そして、ベンチ。
spit:「はーい、みんな並んでー。
Ridgel:「…そんなわけで、スピットさん。
ベンチに戻ってきて、リジェルさんは言いました。
Ridgel:「ほれこの通り、ぶんぶくは…
Ridgel:「ぶんぶくです!
spit:「あー、今、素で間違えた。ぶんぶくね。戻ってきたか、ぶんぶくー。
Ridgel:「いえ、初めから、卵に戻していただけで…
spit:「探したんだぞ、ぶんぶく。
Ridgel:「探してないし。
Furiae:「ですね。
spit:「お前が迷子になったから、俺たちはわざわざグラストヘイムまで命がけでなぁ…
Ridgel:「華さん、お願いします。
Farmei:「ワープポータルー!!
spit:「俺の足下かよ!?
Ridgel:「逝ってらっしゃいませ。
と、スピットが飛ばされたのは、プロンテラ西門でした。
スピットはふんっと鼻を鳴らすと、急いでベンチに戻りました。
spit:「ゴラァ!!
いっそ、
死んでくればよかったのでは?
ふんっと鼻を鳴らしながら、いつもの位置に座るスピットを見て、フリアイさんが言いました。
Furiae:「ま、スピさんが飛ばされるのは、いつものことで…
spit:「
マテ。
Ridgel:「まぁ、ベンチはいつもこんな感じです。
lang:「そのまんまですねぇ。
今日も、プロンテラの空は快晴でした。