そんなわけで、スピットたち一行は魔法都市、ゲフェンへとやって来たのでした。
何故、こんなところにやって来たのかというと、ネルがついにウィザードに転職すると言うのです。
*1
spit:「いざ、ゲフェンタワー!
appi:「…はいはい。
spit:「…ノリ、わるくねぇ?
appi:「そんなことはないですよ?
uxi-ta:「うわ…アピさん、目が笑ってないよ…
Furiae:「何かあったんですか?
NERV:「さーて、転職試験っと。
*2
そんなこんなで、一行は魔法都市、ゲフェンの中心にあるゲフェンタワー最上階へとやって来ました。
ウィザード転職は、ここで行います。
spit:「おぉ、懐かしなぁ。
uxi-ta:「んじゃ、さくっと転職〜。
しかし、です。
NERV:「転職試験にパスしないと、
転職できませんよ?
spit:「
!?
uxi-ta:「スピの時は、試験なかったしねー。
*3
appi:「
モグリ。
Furiae:「…アピさん、なにかあったのですか?
appi:「何もないですよ?
spit:「すねてるだけだ、ほっとけ。な?
uxi-ta:「そうなの?
spit:「…
uxi-ta:Furiae:「
亀裂!?
appi:「スピさんより、ネルくんの方が、Wizになったら強そうですねー。
spit:「…
何事もなかったように会話続行。
spit:「まずは、申し込み?
NERV:「ですかね。
と、言うことで、ネルはウィザードギルド職員に話しかけ、申し込みをはじめました。
そこで、転職試験を受けるのに持ってくるようにと…
NERV:「火、水、風、土の各属性原石を
5個ずつ…*4
spit:「そんなものは、
倉庫にごろごろしてる。
uxi-ta:「まぁ、さすがにこのレベルになるとね。
Furiae:「持ってきましょう。
5分で終了。
ギルド職員の各属性原石を渡し、次は筆記試験です。
ネルは最上階にいた、陰気なウィザードに話しかけ、筆記試験を始めることにしました。
*5
uxi-ta:「筆記って、難しいの?
spit:「さぁ?
Furiae:「ウィザードのことは、全然、知らないです。
問題。
さすが、
ベンチ!?
appi:「そもそも、スピさん、FW使えませんしね。
spit:「うぉう!?
uxi-ta:「それもそーだ。
spit:「ゆ、ユピテルサンダーの最大ノックバック数は、6セルだ。Yes or No?
appi:「わかりません。
uxi-ta:「知らない。
Furiae:「全然わかりません。
spit:「…
ちなみに、
7セルが正解。*6
そんなことをやっているうちに、ネルは筆記をクリア。
そして最後、実技試験です。
NERV:「…スピさんもこれるのかな。
spit:「無理だろう。知らないけど。
Furiae:「無理でしょうね。
spit:「まぁ、とりあえず、アレだ。
appi:「…スピさんのアイテム、役に立つのです?
spit:「うぉう!?
スピットは大仰に目を見開いて言いましたが、そこはそれ。
曲がりなりにも、Lv70を越えるウィザードです。
一流とまでは行かなくとも、それなりの精錬防具に、ピアレスハット、ダブルデクスドアークワンド、そして…
spit:「
ヒルクリ!*7
NERV:「ありがとー。
appi:「そこで持ち逃げですよ。
spit:「したら殺す。
一通りの装備を貸し、ローヤルゼリー
*8などをあげると、ネルが自分のかぶっていた帽子をスピットに渡しました。
ちょうどかぶっていた帽子もネルに貸してしまったので、スピットの頭の上には、いつもの帽子がなかったのです。
spit:「ん?
NERV:「いや…かぶっててください。
ひょいとその帽子を頭の上に載せたスピットに向かって、ネルが言いました。
同感。
そしてネルは、実技試験会場へと向かいました。
uxi-ta:「試験かー。私たちの時には、なかったからねぇ。
spit:「んだな。
appi:「もしもスピさんが転職する時に試験があったら…
appi:「
ウィザードになれたのでしょうか?
棘のある台詞!?
全肯定!?*9
uxi-ta:「ところで…
実技試験を待つ皆の中、ウィータが言いました。
uxi-ta:「あの背後の犬が、
むかつく。
spit:「犬?
ぷいと振り向き、スピットはそこにいた白い毛の犬を見ました。
ふと、頭の中に直接声が響いてきます。
uxi-ta:「所詮、犬のくせに…
spit:「めちゃくちゃ、いいこというじゃねぇか、犬…
一部ウィザードには、心にしみる台詞ですね!?
*10
spit:「ちなみに…
スピットは皆に向かっていいました。
spit:「ギルド職員に話しかけると、『デートのお誘いならうれしいけど』と言われる俺。
内蔵破裂するよ!?
ほどなくして、ネルが戻ってきました。
spit:「おおっ。
NERV:「思ったより楽だった。
Furiae:「おめでとうございます。
appi:「では、あとは転職だけですね。
NERV:「うん。
ギルド職員に話しかけたネルの身体が、ぽっと輝いたかと思うと、その姿がウィザードのそれにかわるやいなや…
当然のことよ。
uxi-ta:「おめでとー。
Furiae:「おめでとうございます。
appi:「これからも、がんばってください。
NERV:「ありー。
spit:「さてっと…
祝福を終え、装備を返して貰ったスピットは、帽子をちょいと直しながら、言いました。
uxi-ta:「どこか行くの?
Furiae:「定番ですね。
appi:「ゲフェンダンジョンが近くていいですかね。
spit:「…うむ。
スピットは神妙にうなずきます。
spit:「まー、とりあえず、あれだ。
ぽいと投げ渡すそれは、ギルド、Ragnarokのエンブレムです。
NERV:「ありがとー。
spit:「んにゃ。
喜ぶネルに、スピットは口を曲げます。
spit:「シンに、お前をギルドに入れてやってくれないかと言われたんでな。まぁ、いい機会だし。
uxi-ta:「一回、間違えて、誰ぞ、加入要請を出してしまった件は、内緒。
Furiae:「言わなければ、ばれない話のような…
*11
spit:「ともあれ…
こほむと咳払いをして、スピットは言いました。
uxi-ta:「…
正解っ。
spit:「ようし!したらば、マスターの力を、見せてくれるわ!!
appi:「即死力?
Furiae:「ソレダ!!
uxi-ta:「見習わなくていいよ。
NERV:「見習いません。
spit:「マテェイ!?
新たな仲間を連れての冒険は、まだまだ続きます。
*12