一行はゲフェン西、コボルド森の下へと来ました。
無論、ゲフェンから来た方がはやいし、安全だったりするのですが…
そんなことは些細な問題。
Leona:「ここで、血の騎士がでる。
という玲於奈の情報を元に、そのマップをうろうろと歩いてみます。
すると…
spit:「
いた!?*3
いるって言ったじゃん!?
あわてて戦闘体勢に入るパーティ、プロンテラベンチ。
支援魔法も何もかかっていない状態から、スピットはセイフティーウォールを辺りに乱射します。
Leona:「血の騎士の攻撃は、セイフティーウォールじゃ防げないよ?
spit:「よーし、あおさん、リジェルさん、あとは任せた。
aoiruka:Ridgel:「
なにっ!?*4
とは言っても、既に戦っていたパーティが血の騎士はなんとか処理。
スピットたちは周りに寄ってきたコボルドやコボルドアーチャーをばっしばっしと片づけているだけでした。
Ridgel:「…だけ、という割には、ものすごい量のコボルドの毛が落ちていますが…
aoiruka:「ちょっと怖かったですね…
uxi-ta:「っていうか、死んだし…
spit:「いやー、怖いな、血の騎士。
けらけらと、スピットは笑いました。
spit:「まぁ、いいや。とりあえず、ちょっと散策してみよう。
そして、とことこと歩き出しました。
フィールドを歩いていくと、大きな池のようなものがありました。
そしてその池の上には、ぷかぷかと空中に浮く島で創られた橋が架かっています。ゲフェンに伝わる失われた浮遊の魔法による、空中展望台でしょう。
spit:「ついでに、観光だー。
と、スピットたちは空中展望台へと、登って…
はい。
当然ですよ?
即死。
spit:「うわ!? しかもみんなはやくも死んでるよ!?
Leona:「血の騎士は、範囲攻撃してくるよ!?
aoiruka:「下がれません。
spit:「ライトニングボルト!!
スピットの魔法に、雷が、血の騎士を襲いました。
しかし、血の騎士はくるりと振り向き、スピットには目もくれず、プリースト、玲於奈をその巨大な剣でなぎ払いました。
Leona:「うあ。
Abd:「げふ…
おまけに巻き込まれたアブもぱたり。
Ridgel:「なにっ!?
Ridgel:「スピットさんが
最後まで生き残るとは!?
レアな瞬間。
spit:「おのれ、血の騎士! 俺の、全魔法力を込めた、ライトニングボルトを…
プス。
ぱた。
spit:「んー…
spit:「いい景色だ…
Ridgel:「ある意味、地獄ですか…
壮観では、ある。*5
さて、毎度のごとくプロンテラに戻ってきた一行。
ここで、リジェルさんがぽつりと…
Ridgel:「どうせ今日でこの祭りも終わりみたいだし…
Ridgel:「
記念に、髪でも染めてみようかな?
はい、
そんなわけで、ヨボビチさんっ。*6
しかも、
緑。
spit:「コケだー!?
Ridgel:「微妙。
Ridgel:「すっげー、微妙。
Ridgel:「この…胸にわき上がる感情は…
へっぽこ力です。*7
さて、リジェルさんを緑化したスピットたちは、ベンチへと戻ります。
すると、いつものポタ広場で、ひとりの魔導士がアイスウォールという、氷の壁を作り出す魔法で、広場を埋め尽くしているではありませんか。
てくてく、スピットは近づきました。
無駄に、
すっげ。
spit:「で、何故、IWを連打しているのです?
*8
スピットが聞くと、魔導士さんが答えました。
「来るべき市街戦にそなえ、封鎖の練習です。
びっと、魔導士さんは親指を突き立てました。
spit:「ほぅ…
スピットはうなりました。
やがて、街はいつもと違う空気に包まれはじめました。
いつだったか…
思い返せば、それは一年ちょっと前と同じような雰囲気です。
そう。
あの日も今日と同じように、家々の窓はすべて鎧戸で閉じられ、街には冒険者たちの姿しかなかったのでした。
モンスターの、街襲撃。
*9
スピットはベンチに座り、静かに、時を待っていました。
そして、どれだけの時が流れたでしょう…
スピットはゆっくりと、目を開けました。
それは、ゲフェンでの戦い。
無数の魔の者たちを前にした、冒険者たちの戦い。
魔法士団長の声が、響いていた。*10
「ただいま、我が軍はやや劣勢だ!攻め込まれているぞ!」
聖職者たちに、彼の声が届く。
「回復部隊、前衛部隊を援護してくれ!彼らの生命線を握っているのは、君たちだ!」
そして魔法士たちがそれに応える。
「大魔法発射用意!…撃てぇぇぇぃ!」
しかし、魔の者たちは、じわりじわりと魔法都市、ゲフェンへと迫る。
「ただいま、我が軍は劣勢だ!このままでは最終防衛ラインを突破されてしまう!防衛線を死守せよ!」
そして、
「まずいぞ!このままでは突破される!」
やがて訪れる静寂。
「無念だ…誠に悔しい限りだが、ゲフェンはモンスターの手によって陥落されてしまった。
だが、まだプロンテラは生きている!
プロンテラだけは…
皆の者!絶対に生き残れ!
私も精一杯、力の限り戦う。
ミッドガルド王国を、私たちの街を、守り抜くのだ!
この戦いが歴史に名を残すような、
伝説の戦いとして、受け継れていくようなものになるためにも、
我々は、絶対に勝利しなければならない!
さぁ武器を取っていざ行かん、プロンテラ!」
それは、モロクでの戦い。
陥落した町、モロクより迫る魔の者たちを迎え撃つべく、ソクラド砂漠に展開したレオ率いる、冒険者たちの戦い。
「私はプロンテラ第四騎士団情報部所属、レオ=フォン=フリッシュである!
よくぞ集まってくれた勇士達よ!
モロク、フェイヨンの街から進撃してきたモンスター達は、この砂漠にて合流し、北上するらしい。
こちらも部隊を編成し、モンスター達を迎え撃ちたい!
私の指示する座標を基準にして、東西に隊列を組んでほしい。
最前列は剣士・騎士、
2列目はシーフ・アサシン、
3列目にマジシャン・ウィザード、
4列目にアコライト・プリースト、
商人・ブラックスミスは最後尾にて回復材の販売、
後方支援を行ってくれ。
中には、信仰心よりも戦いに特化した聖職者もいることだろう。だがしかし、義勇軍の統制を計るためにも、こちらの指示に従ってくれぃ。
まだ指示を聞いていない者はいるか?」
「アチャ・ハンターは?」
冒険者の中の誰かの声に、レオはとぼけた風に肩をすくめて見せた。
「おっと、忘れていた。ひさしぶりの戦いでハンターに指示を出すのを忘れていたようだ。すまんすまん。」
軽い笑いが戦場になろうする地に、少し、生まれた。レオは笑う。そして顔を引き締め、言った。
「アーチャー、ハンターは、アサシン・シーフの後列で待機していてくれ。隊列を綺麗に整えてくれるとうれしいのだが…できるかね?
よし、もう一度おさらいしよう。
最前列は剣士・騎士、
2列目はシーフ・アサシン、
3列目にアーチャー・ハンター、
3列目にアコライト、プリースト、
マジシャン、ウィザードで、
編成してくれるか?」
「レオ教官!3列目がすごいことになってます!?」
誰かが言う。
「おっとしまった。久々の実戦で…」
「大丈夫なのか、このおっさん…」
「ところで、ノビは放置っすか〜?」
「ん?やる気のあるノービスが若干名いるようだ。頼もしいかぎりだ!
ノービスもりっぱな戦力だ!
よろしくたのむぞ!いざとなったら『死んだフリ』*11だ!」
「無敵の戦力!?」
「最強じゃんか!?」
「よし!綺麗に整列できているな!さすがだ!
どうやら敵の偵察隊がやってきたようだな」
少数の偵察隊に向け、乱れ飛ぶ魔法に、レオが言う。
「落ち着け、君たち。まだ、敵は侵攻してきていないぞ。こんなことでは敵のモンスターを倒すことはできないぞ。」
レオの声に、騎士団員が声を張り上げていた。
「レオ様の命令に従って下さい!」
「よし!そろそろ準備はいいか!?」
そして伝令兵が砂漠の向こうから走ってきた。
「伝令!伝令! 前方にモンスター群確認!」
冒険者たちが色めき立つ。
レオの声が、響いた。
「今こそ団結力を見せるときだ!!
ミッドガッツ王国を護り抜け!!」
「剣士・騎士の最前列!突撃!!」
「伝令! 敵部隊先発隊はアーチャースケルトンが主体の模様」
「よーーし!第二陣前へ!!シーフ、アサシン突撃!!」
「最前線は早くも隊列が崩れている」
「マジシャン、アコライトなどの魔法職はすこしづつ前線へ進み、後方支援。アーチャー、ハンターは、剣士・騎士の後ろにつき一斉射撃を行え!」
「我が方優勢、だが、隊列が乱れすぎている」
「隊列が延びきっているぞ!!前線に進め!」
「敵主力部隊、前線と交戦中」
「ようし!その調子だ!中央の敵を押し崩せ!アーチャー、ハンターは前線の援護!」
「先発隊が先に出すぎている!このままでは挟み撃ちだ!!」
「先発隊と後列が分断されている!しかし、挟み撃ちの好機だ!
前線部隊は一旦退却し、敵の後ろを突き崩せ!
よし!うまく合流したぞ!」
「伝令! 敵弓手隊と遭遇」
「こちらも、弓で対抗する!」
「ニューマ及び、遠隔攻撃を求む」
「アーチャー、ハンターは遠距離攻撃を行い、相手の侵攻を許すな!」
前線にたった騎士たちが、魔の者を切り崩し、戦線を押し込んでいく。
気づいた伝令兵が声を上げていた。
「前方に敵遊撃隊を確認、前線部隊は先に突っ込みすぎるな!」
レオが続く。
「相手の陣形につられて、突出した味方が何名か倒れている。前線をそのまま押し返して、同志を救え!数では負けているが、質ではこちらが上だ!」
「敵主力部隊と総力戦の模様」
「敵最前線、キメラを確認した!」
「前線に壁をつくり陣形を立て直せ」
「むやみに突出せず、徐々に前進せよ!敵に徐々に押されている!一旦、後退して編成を組みなおす!」
「敵主力部隊は想像以上に強力な上、数も計り知れません」
レオは冒険者たちに向かい、気力を振り絞って声を上げていた。
「アコライト、プリーストは回復役に徹し、マジシャン、ウィザードはファイアーウォール、ファイアーピラーを張り巡らし相手の侵攻を食い止めろ!
敵の侵攻が徐々にではるが、緩んでいる!今のうちに蘇生を行い、回復せよ!」
「最前線には負傷者多数!」
「最前線の戦士達は前線にすすみ、負傷者の確保に努めよ!」
冒険者たちは戦線を押し込んでいく。
数では圧倒的な戦力差だ。
だが、冒険者たちは武器を手に、突き進んでいく。
そこに、光が見えた。
「よし!!敵は怯んだぞ!!
敵は西南方面に後退しはじめた!こちらも西南方向に戦力を集中せよ!
踏ん張れ!!ここが正念場だ!」
「最前線では、狭い地形から進攻を食い止められている!一時撤退と、陣形の建て直しを要請!!」
「すこしづつだが、敵主力部隊を後退させているぞ!いまのうちに、陣形の建て直しをはかる!前に出すぎると敵の罠にはまるぞ!
剣士、騎士は防御線をはり、敵の攻撃を食い止めろ!」
「突出しすぎた先発隊に負傷者多数!敵主力部隊と総力戦の模様!!」
レオは戦場の冒険者たちを見回した。
普段は、ただ血気盛んなばかりの者たちだ。
だが、彼らは今、思いは違えど、同じ敵を前にして戦っている。
そして思いは違えど、皆、冒険者たちだ。
レオは叫んだ。
「押し切れ!!」
最前線の騎士たちが、戦線を押し上げた。
「あともうすこしだ!!」
敵の本陣にかまえる、頭が見えた。
「敵の本体は、『オシリス』だ!!」
冒険者たちが乱戦の中へ、雄叫びと共に切り込んでいく。
やがて訪れる、静寂。
レオの声が、静かに響いていた。
「よし!よくやった!
合流したモンスターの大群は西南方向へ撤退したようだ。
だが、これで終わりではない。
この戦いが歴史に名を残すような、
伝説の戦いとして、受け継れていくようなものになるためにも、
我々は、絶対に勝利しなければならない!
さぁ武器を取っていざ行かん!」
「プロンテラを護るのだ!!」*12
スピットはゆっくりと、目を開けました。
そして、言いました。
spit:「いこうか?
それは、あの時の比ではありませんでした。
あの頃、三千人もいなかった冒険者たちが、今では一万人を越えようかというほど、このミドカルドには存在しています。
*13
南門から噴水広場へと抜ける目抜き通りは、その、たくさんの冒険者たちによって、埋め尽くされていたのでした。
eve:「で、私たちは、どこで敵を迎え撃つの?
uxi-ta:「プロはこれだけ人がいたら、私たちの出る幕なんかなさそうだけどね。
Ridgel:「ですなー。
spit:「…それもそうだな。
スピットは南門前、あの時座っていた場所で王城に向かって振り返りました。
目抜き通りには、無数の冒険者たちが魔物の襲撃に備え、待機しています。
ここは自分たちが護らなくとも、この冒険者たちと、レオのような指揮官さえいれば、どんな魔物の襲撃にも耐えられそうに思えます。
spit:「…別の町を護る部隊に、参加しよう。
eve:「別の町って?
spit:「俺は、奴らにはやれん町が、もういっこ、あってな。
Ridgel:「ほぅ?どこです?
スピットはにやりと笑うと、帽子をなおして歩き出しました。
spit:「アルベルタは、俺たちが護ってやろうじゃねぇか。
そして一行は一路、アルベルタへと向かったのでした。
*14
アルベルタは先日の防衛戦に勝利をおさめてはいたものの、商人組合は多大な打撃を受け、今も冒険者たちに頼っているという話を聞いていました。
しかし、アルベルタを基点とする冒険者は多くありません。
もしも魔物の襲撃を受ければ、簡単に落ちてしまうであろう事は、容易に想像がつきました。
スピットたちはアルベルタにたどり着くと、まずは街を一回りし、冒険者たちの数と配置を確認しました。
街の入り口の方には少しばかりの冒険者たちが陣取っていましたが、港の方の守りは手薄です。
spit:「北入り口と、港の交差点の辺りで、待機するか。
スピットの指示に皆うなずき、T字路の脇にあった民家の壁にもたれて、四人は座り込みました。
そして…
約1時間。
生チャットログでお楽しみください!
ミッドガルド放送局 : この放送をお聞きの皆様!
spit : お?
ミッドガルド放送局 : ミッドガルド大陸中を襲撃し各地に大きな被害をもたらした
Ridgel : 虎さんと決着付けに行こうかなぁ
ミッドガルド放送局 : ダークロードと無数のモンスター群は
Ridgel : って何か黄色い声が
ミッドガルド放送局 : 各地の義勇軍勇士達により見事撃退されました!
ウィータ : ・・・
F:\Program Files\Gravity\RagnarokOnline\ScreenShot\screenloki347.jpg is Saved.
ミッドガルド放送局 : 国中の街から、勝利の雄たけびと歓喜の声が上がっております!
Ridgel : え?イベント終わり?
evelin : うあ
Ridgel : 聞こえませんよ?
spit : なにもしていない…
F:\Program Files\Gravity\RagnarokOnline\ScreenShot\screenloki348.jpg is Saved.
ウィータ : 撃退?
evelin : 待ちぼうけでしたか
ミッドガルド放送局 : ミッドガッツ王国は、勇敢なる義勇軍によって守られたのです!!
Ridgel : nounaiサーバーですか?
spit : ちょっとマテ
F:\Program Files\Gravity\RagnarokOnline\ScreenShot\screenloki349.jpg is Saved.
ウィータ : つまり、アルベルタはスルー
Ridgel : 私まーつーわ、いつまでもまーつーわ
ウィータ : ここは街ではないと
Ridgel : 村?
evelin : ん〜
Ridgel : 集落?
evelin : フェイヨンの方がよっぽど村だ
ウィータ : 過疎地であることにはわかり無いけど
spit:「さて…
スピットは帽子をなおして、立ち上がりました。
spit:「だな。
そして、実に5日間にも及ぶ、後にカーニバルと呼ばれるこの祭りが、
これで終わりだったら…
ブーイングだろ?
ここはいつのもベンチ。
すべてが終わって、ほっと一息。
スピットはぷちと軽く談笑していました。
その時でした!!
spit:「ん?
聞こえた放送に、スピットは耳を傾けました。
こちらはミッドガルド放送局です。
みなさんのおかげで、モンスターの襲撃を何とか阻止することができました。
今回は、再度モンスター襲撃があった時のために軍事訓練を行います。
白い特殊な装束を身にまとった特殊部隊教官が、PvPエリアのどこかで待ち構えておりますので、皆さんで協力して特殊部隊教官を倒してください。
皆さんの健闘を祈ります。
spit:「ほっほーう?
スピットは帽子を直し、にやりと笑いました。
spit:「つまり…
spit:「この溜まったうっぷんを、今回はGMで晴らせと、
そういうわけだな!?
OK!!
ぷちから玲於奈にチェンジして、スピットと玲於奈の二人は、いざ、PvPへ!
まずはプロンテラに降りたものの、ここにはGMがいないと聞き、GMはどこにいるかと訪ねると、なんと、PvPフェイヨンにいるとの情報をゲット。
ベンチからPvPエリアまでは1分にも満たない時間です。
そして、フェイヨンにGMがいるとの情報を得たのも、メッセージが流れてから数分以内。
いけます。
いざ!
GMとバトル!!
無論、即死!!
その強さは、鬼神のごとし。
怒濤の速さで迫り、一撃。騎士の必殺スキル、ボウリングバッシュを繰り出したかと思うと、スピットや玲於奈では、一瞬で消し飛んでしまうほどの威力です。
*15
spit:「お…おのれ…GM!
ぎりぎりと歯ぎしりをしていると、ひとりのプリーストが玲於奈にリザレクションをかけました。
ふっと立ち上がった玲於奈が、スピットを起こします。
spit:「…おのれ、GM!
ぎりりりと、スピットは歯ぎしりしました。
まともに戦っては、勝てません。スピットの魔法ではたいしたダメージは与えられないでしょうし、詠唱をはじめれば隙が出来、ボウリングバッシュで一撃です。
しかし、スピット。
じーっとGMを見ていて、気がつきました。
spit:「ふ…見えたぜ…
Leona:「なにが?
spit:「この特別教官、片手剣騎士型だ…つまり…
ぶんっと、スピットはアークワンドを振るいました。
spit:「
直接攻撃以外は脳ナシ!!
spit:「セイフティーウォール!!
それは直接攻撃の絶対防御魔法。
しかもどうせ、青ジェムは戻ってきます!!
この時スピットが持っていた青ジェムは、30個!!
その
すべてを使い、スピットは辺り構わず、光の壁をうち立てました。
*16
spit:「ふははははは!プリースト達さえやられなければ、オマエなど恐れることはない!!
spit:「ゆけ!!騎士たちよ!! GMを…
spit:「
ぶっ殺せ!
あんたが悪役かよ。
さすがのGMと言えども、次々と集結してくる冒険者たちに、じりじりと押されていきます。
特殊部隊教官チルダ:「いったーい…あうあうあう…
悪役らしくなってきましたっ!?
特殊部隊教官チルダ:「こうなったらー。
spit:「
知ったことかよ!?
悪い魔法使い、確定。
そしてGMは冒険者たちを前に、しゅんっと姿を消したのでした。
*17
PvPフェイヨンにいた皆の耳に、彼女の声が聞こえてきました。
特殊部隊教官:「みんなつよいね!!これだけ強い人がいれば…
GM、ここで誤字!?
特殊部隊教官:「訓練はこれでおわりだよー。じゃあねー。
spit:「いや、嵐のように現れて、嵐のように去られても…
Leona:「…私たちは、この後、どうすればいいんだろう。
spit:「しかも、
誤字だし。
Leona:「時間は、もうすぐ(朝の)6時だけどね。
*18
spit:「…
spit:「まぁ、いっか。
スピットは帽子をなおして、くるりと冒険者たちを見回して、言いました。
spit:「いくか。
Leona:「ベンチ、帰る?
にやりと笑い、スピットは言いました。
spit:「んにゃ。モロクのポタない?
Leona:「モロク?あるけど…なんで?
spit:「モロク、昨日で陥落して、今、魔物がひしめいてるって話だろ?
Leona:「あ…
帽子をちょいと直し、スピットは軽く、言い放ったのでした。
spit:「まだまだ、祭りはこれからよ!!
そしてスピットは光の中に飛び込みました。
その出来事は、のちに、『トリスタンの悪夢』と呼ばれ、歴史に名を残すことになりました。
しかし、冒険者たちは誰も、この歴史上の名を覚えてはいません。
教科書に載っている歴史は、『トリスタンの悪夢』
しかし、冒険者たちは、
この出来事を目の当たりにした冒険者たちは、
皆、この出来事をこう呼ぶのでした。
『カーニバル』
実に5日にも及ぶ、冒険者たちの祭りが今、終わりを告げたのでした。
*19