世界は、始めての危機に直面していた。
魔物たちの襲撃。
後に『トリスタンの悪夢』と呼ばれ、歴史に名を残した、一大事件。
だがしかし、冒険者たちはこの出来事を、こう呼んだ。
国王、トリスタン三世が、冒険者たちに結束を求め、この襲撃事件の間の必要経費、およびすべてを肩代わりすると明言したため、冒険者たちは、この出来事をこう呼んだのであった。
『カーニバル』
*1
そして、そのカーニバル中のプロンテラベンチでは…
Domi:「青にしてみましたっ!
と、ドミさんは自分の髪を皆に見せて言います。
前出の通り、このカーニバルの間のすべては、保証されます。
つまり。
Ridgel:「
テストですな。
当然、
戻ります。
spit:「なるほど、何でもアリか。
uxi-ta:「やったもん勝ちですね。
*2
うんうん頷くベンチメンバーの中、金色の髪のアコライトが、ぽつりと言いました。
putiLeona:「ところで、カーニバルには参加しないの?
spit:「
誰だ。
間髪入れずにスピット。
しかし、すでに名前から察しはつきます。
putiLeona:「ぷちは、ぷちだよー。
言いながら、ぷちこと、ぷちれおなはへっぽこを、
プスっ。
heppoko:「あぅ!?
putiLeona:「せっかくのカーニバルだし、どこかに行かないの?
*3
spit:「つーか、既に何回死んだか…
スピットは帽子をなおしながら言いました。
spit:「で、今一番ホットなスポットって、どこなの?
ホット=モンスターたくさん。
Ridgel:「先ほど、『ミドガツ放送局』で流れた放送によりますと…
『ミドガツ放送局』というのは、このミドカルド全域に届く放送で、今回のこの襲撃事件を冒険者たちに伝えるために組織された機関です。この放送では、逐次、各地の戦況が報告され、冒険者たちはこの放送を聞き、世界中へと散らばっていっているのでした。
*4
putiLeona:「今は、
カピトーリナ修道院がホット。
spit:「
カビトリ?
カピトーリナ修道院*5
それはプロンテラの北東に位置するところにある、修道院です。
古くはアコライトの転職のために、その修道院を訪れることが当たり前だったのですが、今ではかなり寂れ、冒険者たちが大きなイベントの際に使う程度の、モンスターのでない安全な場所でした。
*6
spit:「修道院に、モンスターが出てるのか?
Ridgel:「らしいですな。
すっくと、リジェルさんはスピットに続いて立ち上がりました。
spit:「いかいでか!
一行は、意気揚々とカピトーリナ修道院へと飛び込みます。
Ridgel:「いきなり、インジャスティス!?
spit:「しかも、狭い!?
現れた魔物はグラストヘイムに住む、インジャスティス。
Domi:「修道院にインジャスティス!?
uxi-ta:「
なんて背徳的な!?
putiLeona:「たたけー。
spit:Ridgel:「
叩くな!ぷち!!
死ぬから。
とりあえず、突然に襲いかかってきたジルタスを撃破し、スピットは言います。
spit:「よし、んだらば、修道院を回って、敵を発見次第、撃破。
Ridgel:「了解っ。
Ridgel:「アイスクレイモアが唸るぜ!!
uxi-ta:「矢も、返ってくるの?
Domi:「きます。
spit:「撃破ー!
と、戦うスピットたちのところへ、いるるがやって来ました。
irurur:「ちわ〜。
spit:「お、いるる。
irurur:「祭りですね〜。
spit:「
手伝え。
irurur:「ところで、今、来る途中に、変な素っ裸の敵がいたようなんだが…
putiLeona:「アサシンのなれの果てだよー。
*7
irurur:「…はじめて見た。
spit:「あれか?
irurur:「そうそう、あんな…
putiLeona:「おじちゃん、はやすぎー。
irurur:「
仕様です。
Domi:「そういえば、回復役がぷちさんだけ…
uxi-ta:「いつものことだけど…
Ridgel:「ぷちは、レベルは?
putiLeona:「
じゅう…
spit:「はい、
ぷち終了。
putiLeona:「えー。
ぶすぅとぷちは頬をふくらませましたが、さすがにこの修道院の状況では、ぷちの出番はなさそうです。
ぷちはワープポータルを出し、それに乗って、プロンテラへと戻りました。
*8
倒れたスピットはイグドラシルの葉で復活。
スピットは皆に向かって言います。
spit:「玲於奈が来るから、いったん修道院外に待避。
Ridgel:「了解。
irurur:「てったい〜。
と、一行が入り口に戻ろうと、隣の部屋に戻った時でした。
Ridgel:「モンハウか!?
irurur:「ぎゃー!?
そこには、大量のモンスターたちが待ちかまえていたのでした。
spit:「セイフティーウォール!!
防御魔法をスピットは唱えます。セイフティーウォールはブルージェムストーン(約460z)を消費する魔法ですが、
どうせ戻ってきます。
パーティメンバーだろうが誰だろうが、かまいません。スピットは一挙に無数の光の壁を生み出し、辺りにいた冒険者たちを守ります。魔導士の誰かが氷の大魔法、ストームガストを発動させ、魔物たちを一掃しました。
spit:「面白くなってきたじゃネェか。
光の中で、スピットはにやりと口を曲げながら、帽子をなおしました。
さて、一行は修道院の入り口で玲於奈を待ちます。
ここでドミさんとはお分かれ。
程なくして、玲於奈が修道院へと姿を現しました。
Leona:「ぷちの身体では、この祭りにもたない…
spit:「フ…祭りをなめてんな…
帽子を直し、スピットは言いました。
spit:「
祭りは、体力だッ!!
粋ッ!?*9
spit:「とつ、げき!
Ridgel:「むおー!?
irurur:「お。
Domi:「お、奥にも!!
spit:「いくぞ、皆の者!
祭りは体力だ!
Ridgel:「次のモンハウはどこだー!?
リジェルさんは剣を振るいます。
spit:「うはははははー!!
スピットも杖を手に、駆け出します。
irurur:「いたぞー!
そして、突っ込みます。
Ridgel:「うおおぉぉー!
irurur:「ごめん、いすぎたかも。
祭りですから。
Leona:「おこすよー。
spit:「おぅよ!
スピットは起きあがるやいなや、体勢を立て直し、眼前の壇上に駆け上がり、「セイフティーウォール!!」皆に向かって、振り向きます。
spit:「あれ?
spit:「なんか、
いる!?
ソウルストライクをナイトメアにたたき込みながら、スピットはついさっきまで自分が立っていた場所をみました。
spit:「
むぉ!?
spit:「絶対、ムリです…
それはボスモンスター、バフォメット。
高レベル冒険者たちすらも、その鎌で一撃でなぎ倒すという、凶悪なモンスターです。
Leona:「せっかくの、タイマン…
irurur:「ですよ。
Ridgel:「今日の見せ場だったのに…
spit:「
勝てるか!
uxi-ta:「まぁ、いつも通りの結末と。
むしろそれ。
spit:「ガガっ…こちら、修道院捜索に向かった、パーティ、プロンテラベンチ。
Ridgel:「感度良好。
spit:「な、なんだあれは!うあ!? うわあぁぁぁぁ…
uxi-ta:「ぶち、
つーつーつー…
Ridgel:「どうしたああぁぁぁ!?
Leona:「修道院が落ちた?
spit:「オーヴァー。
Ridgel:「戻りますか。
uxi-ta:「だね。
仕方なしに、一行はセーブポイントへと戻りました。
と、スピットがいつものセーブポイント、プロンテラ西門にぴよっと飛び出すと、そこに…
spit:「
!?
spit:「
死神を背負った男がいる!?
Ridgel:「なにィ!?
spit:Ridgel:「…カッコイイ。
uxi-ta:「次回、『死神を追え?』
次回予告ですかッ!?