studio Odyssey



彼女が聖職者に転職したら。




spit:「えっさ、ほっさ。

 スピットは走っていました。
 向かう先は、プロンテラ大聖堂。

 プリースト転職所です。


spit:「ふぃー、間に合ったー。

 そして右側の列の、最後尾に並びました。

プロンテラ大聖堂

ebu:「あ、お師さまきた。
shintisu:「来たんだね。
aoiruka:「でも遅刻だ。

spit:「今、な。さっき知ったから。

fu-ka:「やほほ。

 神父の前には、ポタアコをしていたときに知り合った、風花ちゃんが座っていました。


fu-ka:「では。

 と、風ちゃんは立ち上がり、くるりと神父に向き直ります。


fu-ka:「転職します。

転職です


 見守るみんなが、ごくりと喉を鳴らしました。



彼女が聖職者に転職したら。


 彼女の身体が、ぽっとまばゆい光に包み込まれ、その姿がアコライトのそれから、プリーストのそれに変わりました。

「おめー!!


 さあ、開始ですっ。

転職と言えば、スキル祭り!

 さぁ、よく見てみましょう。

撃て撃て撃てー!


 二発って、何の話ですか?*1


 さて、転職を終えた風ちゃんに、みんながお祝いの品々をあげています。「がんばってね」「おめでとう」「捨てちゃダメだよー」「これ、せんべつ」

fu-ka:「ありがとー。

響きは似てますが







spit:「それは違う。


 風ちゃんのお祝いは、人数が多いだけあって、続きます。
 それはもぉ、ギルドRagnarokの面々のお祝いなんかとは、全然違います。暖かい祝辞に、お祝いの品々の数々…


何してますか…

 マスター!?


何故集まりますか!?








spit:「食えんのっ!?


あおさん、食ったの!?






 え?*2


spit:「負けずに、へっぽこ召還!
aoiruka:「よし、こっちも!
「ならば、負けるか!!
「おおよ!








 


fu-ka:「では、二次会へ…


spit:「お?


湧いてる…





 謎です。*3




 さて、一行はプロンテラを南に下り、ソクラド砂漠入り口、砂漠の分かれ道へと向かいました。

fu-ka:「人が少ないところの方がいいかと。


 何故って?


古木のえだー

 枝祭り。*4


ebu:「あ、アルギオペがでたー!?
Farmei:「プティでましたー!


spit:「…
shintisu:「なぁ、スピット。こいつ倒していいか?

spit:「…好きにしろ。


 数十本の古木の枝を使い、モンスター召還、殲滅(あるいはされる)を楽しんだ一行は、わいわいと召還モンスターに何が出たかを話しています。「ムカー出た」「私は、赤コウモリがでたなぁ」「オボンヌとチョンチョンがでた」

spit:「…ピッキと、サベージベベ…

shintisu:イキロ。*5



 わいわい、興奮さめやらぬ一行です。
spit:「うーむ…

 スピットはへっぽこをぷにぷにとつつきながら、うなりました。


spit:物足りない。


 どうやら脳内感覚が麻痺しているようです。


fu-ka:「では、逝きましょうー!!


グラストヘイム!


 みんなだったようです。


fu-ka:「では、みなさん、装備を調えてくださーい。

「あー、にんじんがないなぁ。
「属性武器持ってくるの忘れた!?
「そろそろオチーです。
shintisu:「あ、俺もそろそろ落ちかなぁ。
ebu:「私もですー。
Farmei:「あれ?おあいるかさんがいませんよ?
「ああ、彼ならさっき、砂漠で落ちたみたい。

spit:「…センセー。
fu-ka:「はいっ、スピットくん。


spit:「いろいろと、整えてから来るべきだったのでは?


fu-ka:「じゃ、PT組みましょうー。


spit:聞いてネー!?

 最も、スピットの場合はいつでも臨戦態勢なので、関係がありませんが。*6
fu-ka:「固定パーティのひとー?
 と、風ちゃん。

spit:「ほーい。
 と、スピットが手を挙げます。

spit:「まぁ、俺のみ固定とも言う。

 っていうか、むしろそれ。


fu-ka:「では、私とスピさんとでPT組みますので、みさなん、パーティに入ってください。

spit:「…はーい、センセー。
fu-ka:「はいっ、スピットくんっ!


spit:「みなさんのスペックが、全くわかりません。

初対面のみなさんばっかりです

 とりあえず、スピットはあおいるかさんもシンティスもえぶを戻ってしまったため、まずは華ちゃん、そして近くにいた騎士さん、ハンターさん、プリーストさんをパーティに引き入れました。


spit:「うむ、とりあえずこれで前衛後衛はばっつりだ。

騎士:「リーダーさん…

spit:「なんですか?

騎士:「向こうのパーティに比べて、明らかに人数が少ないですが…?


spit:仕様です。

Farmei:「突貫死仕様です。


 かなりの勢いで、マテ。


嫌な鼻歌だ


 一行はグラストヘイム古城2Fへと突き進みます。


主役は言うことが違う



 やっぱり仕様のようです。


本編の主人公も、言うことが違う


 誇れません。




ばばーんと








 早っ!?


 突然現れた深淵の騎士が、その巨大な剣を振るいました。
 ごぅと巻き起こる風に、ばたばたと冒険者たちがなぎ倒されていきます。

 と、その背後から、さまよう騎士の魂が乗り移ったと言われる、動く鎧のモンスター、レイドリック。そしてうろつく者も現れたではありませんか。

「うわー!?
「ぎゃー!!
「2発しかたえられん…

 ばったばったと、冒険者たちはなぎ倒されていきます。

 そして最後に残っていたひとりのウィザードが、魔法を立て続けに放ち続けていました。「ファイヤーウォール!!ファイヤーウォール!!」

「フロストダイバー!!」


JTがうちてぇ…


 しかし、ファイヤーウォールを突き抜けてきたレイドリックの剣が一閃。
 最後のウィザードもぱたりと倒れました。

「あーあ。


ちーん


 死屍累々。


spit:「うむ。

 そしてスピットは言いました。


お約束


 ちょっとマテ。


spit:「いや、だって、お約束言ってくれるキャラが、今日はいないからさぁ…

 っていうか、ナレーションと会話すんな。



「うわっ。

 そこへ、別の冒険者の一行が通りがかりました。

「すごっ。


 確かに。*7


「おきますか?

 と、プリさん。
 そして…


「では、みさなん、おこしまーす。

 かっと、地面が光りました。「サンクチュアリ!!」続いてプリースト魔法、リザラックションがプリーストたちに向かって飛びました。


一挙に復活です






spit:ふっかーつ!



fu-ka:再侵攻!


はいはい、お約束





 だから、はえぇよ。



「リーダー、起きて仕事してくださーい。
spit:ごめんなさい…


 乱戦です。


撃て撃てー





fu-ka:「すすめー。


何がなんだか、わかりません







spit:「突貫!




 ふたつのパーティは、グラストヘイム古城をところ狭しと駆け回ります。





 そして、時間は過ぎていきました。

fu-ka:「では、そろそろ、三次会はお開きに。


spit:「…言われてみれば、これ、三次会か…


fu-ka:「みんな、今日はありがとう。

 いう風ちゃんに、皆、笑います。

spit:「つぅか、三次会は祝福云々より、みんな暴れまくっていただけのような…
「確かに。

 騎士さんが笑いながら言うと、皆も軽く笑いました。

Farmei:「では、四次会は時計ですかね。
fu-ka:「あ、ちょうど時計に行こうと…
spit:「そうなんだ…

 らしいです。


「じゃ、我々は別行動します。
「修道院で、狩るかな…
「風花ちゃん、おめでとねー。
「お帰りのプロポタはこちらー。
「こちらは、ゲフェー。


Farmei:「ワープポータル!!

 そして立ち上る光の柱の中に、それぞれが飛び込んでいきます。

お開きー

spit:「んじゃ、俺はここで戻るわ。

fu-ka:「あい。

Farmei:「あれ?スピさん、行かないんですか?


 スピットは軽く頷いて、帽子をちょいとなおしました。


spit:「まぁ、風ちゃんは風ちゃんの仲間たちと、楽しんできてよ。俺はほら…


 そして、スピットはプロンテラ行きのワープポータルの中に飛び込みました。


spit:「一緒に冒険したい時は、ベンチに来ればいつだって逢えるしな。


spit:「おめでとう。
fu-ka:「ありがとー。またね。







 そしてプロンテラベンチに、スピットはとことこ、戻ってきました。

Ahsgrimm:「ハケーン。
Leona:「捕獲ー。

spit:「…俺は今、グラストヘイムの帰りだ。

Grill:「へぇ、ちょうどよかった。これから行こうって話していたんだ。リダ。
appi:「さー、行きましょうかー。


spit:「…


spit:今日のノルマ分は、すでに死んでます。


Ahsgrimm:「多い分には、誰も文句は言わない。
appi:「ですね。

 そしてまた、プロンテラベンチから冒険は始まるのです。


spit:「あのっ、レベルあげたいんですけど!?今週は!?
Leona:「死ななければ上がるよ?


*1 よく見るところは、LoVを二回撃っているところではなく、最後のカット。風ちゃんのお友達のましまろさんが場所を間違えて遅刻してきたところ。
 場所を間違えて、ずーっと別のところで待っていたとか。
 そしていじけちゃうましまろさんに、取り巻くみんなと風ちゃん。SSが何枚かあるので、掲載。(最後の方のカットでスピットがぺしぺしポリンを叩き始めているのは、また別の話だ。クリックすると、おっきくなります。サイズの関係上、多少小さくしてありますが)
ましまろさんの一部始終 *2 ドラプスはオレンジ味で、ポポリンはわさび味です。(ぇ
*3 引き金を引いたのは誰とか、いうな。
*4 アイテム、古木の枝を使って、モンスターを呼び出すことが出来る。古木の枝は通称、テロ枝とも呼ばれ、よく街中でテロに使われたりもするが、正しい使い方はこうやって使う。のか?(テロが正しい使い方だという噂も)
*5 SSの中で、スピットの近くにやられているピンクの小さいのが、サベージベベ。うりぼうみたいなモンスター。ピッキというのは、ぴょこぴょこ跳ねている、小鳥だ。ザコ。
*6 突然ポタで飛ばされることも日常茶飯事なので、いつでも戦える状態になっている。
*7 16人死んでます。