studio Odyssey



shintisu、転職する。




「おーい、スピットー!」

 と、いつものようにスピットが冒険に出る準備をしていると、階下から帽子屋の主人が呼びました。
「んー?」
 スピットは道具袋にアイテムを押し込み、アークワンドを手に取ると、壁にかけている帽子を頭に乗せて、階下へと急ぎました。

「なんすか?仕事はしないっすよ?」
「お前、最近店番すらしてないな」
「いやぁ、冒険が忙しくて」
「家賃あげるか…」
「今月は頑張って、帽子作ります」
 なんて言うスピットに、主人は苦笑します。

「手紙だ。冒険者仲間からじゃないか?」
「ん?」
 と、スピットは手紙を受け取りました。
 ぺらりとそれを開き、中に目を走らせます。

「ほぅ」
「なんだって?」

「ああ」

 スピットは帽子をなおしながら、言いました。

「転職するって」
「今日は遅くなるな」
「かもね」


shintisu、転職する。


 さて、いつものベンチ。

Str:「お、きたきた。
 騎士のアートーシュトライトがスピットを見つけて言いました。

aoiruka:「集まってますよー。
 と、同じく騎士のあおいるかさん。
Leona:「準備万端。
 こちらは、プリーストの玲於奈さんです。

shintisu:「久しぶり。

spit:「よ。

 と、スピットはシーフ、シンティスに向かって片手をあげました。

spit:「強くなったか?
 笑います。
shintisu:「まぁ、転職できるくらいには。

spit:「よし。

 帽子を直し、スピットは言いました。
いざ、転職の旅
Leona:「ワープポータルー!!
 きゅうんと立ち上る光の柱の中に、一行は飛び込みました。

Str:「そういや…
spit:「ん?

Str:「ラバより早かったな。


 ショボコソですから。*1


 一行がたどり着いたのは、モロクより東。
アサシンギルド
 砂漠の中にぽつんと立つ、宮殿のような作りのその場所、アサシンギルドです。

shintisu:「ついに来た…

spit:「長かったろう。


 はやる気持ちを抑えきれずといった感じのシンティスを先頭に、一行はアサシンギルド内へと進みました。



 さて、ギルド内を進み、一行はアサシンギルド職員の前へと来ました。

ギルド職員前



shintisu:「お願いします。

 と、緊張した面もちで言うシンティス。

玲於奈さんは職員じゃない!?

aoiruka:Σ( ̄□ ̄;

Str:「拒否された。
Leona:「フフリ…*2



shintisu:「い、いや。では、気を取り直して、今度こそ…

 ごくりと喉を鳴らし、シンティスはギルド職員に話しかけました。

 そして、ふっと、その身体が輝きました。




アサシン、シンティス誕生!
aoiruka:「おめ〜。
Str:「おめでとー。
Leona:「エンジェラス〜!


shintisu:「ありがとー。

spit:「では…

shintisu:「む…

お約束が!?


spit:かわすな。


 ある意味、お約束。*3

Str:「あ、そうだ。これ、グリムから渡してくれとあずかった、カタール。
aoiruka:「あ、俺も属性武器もってきた。
Leona:「あおさん、ふとっぱらー。
shintisu:「ありがとぉ。


spit:スキアリ!!

かわせない一撃!


spit:「ふぅ、満足。


 何しに来たんだ、スピット。*4



Leona:「じゃ、これはあたしから。

…

Leona:逃げる用。


 結構重要かとは思いますが。*5


aoiruka:「それじゃ、転職しましたし、軽く稼ぎにいきますか?

shintisu:「あ、センセーちょっと待って。
Str:「センセー?
aoiruka:「何故かそういわれるのです…

shintisu:「スピット。

 と、シンティスはスピットの方へ歩み寄って言いました。


shintisu:「あのときの角弓。
 笑います。

なつかしの

shintisu:「なおしたんだ。

spit:「折ったやつな。*6


shintisu:「アサシンになったから、もう使わない。

 それは、シンティスがまだシーフの頃の話です。
 そういえば、それはずいぶん昔のことのようで、つい最近のことのようで…スピットは笑うシンティスに帽子を直し、

spit:「よーし。

 ひょいと、その角弓を拾い上げました。


spit:「俺が預かっておこう。


Str:「金に困って、売るなよ。


spit:ソンナコトスルワケナイジャンカ。



 何故、カタカナ!?




spit:「んで、あの頃の冒険者としての気持ちを忘れそうになったら…

 スピットは言いました。


spit:「これで打ち抜いてやろう。


shintisu:Σ



Str:「じゃ、軽くレベル上げにいくか。

 軽く息を付いていうシュトに、

Leona:「グラストヘイム〜。

 言うがはやいか、玲於奈さんは続きます。「ワープポータルー!!」
船がでるぞー


 一行はグラストヘイム修道院を抜けて、カタコンへと進みます。


Leona:「パーティぐちゃぐちゃだから、ダメージ食らったら自己申告ねー。

 と、唯一の回復魔法を持ったプリーストの玲於奈さんが言います。


spit:「だいじょうぶ。

 アークワンドを構えながら、スピットは鼻息も荒く言います。


きっぱり言われてもなぁ

aoiruka:「…きっぱりと…

Str:「ある意味、腹をくくってる…

shintisu:「俺も腹をくくった方がいいかな。

Str:あれを見習うな。

え?




 いや、よくないでしょ!?

はやいなっ!?






 早っ!?


shintisu:「ぐは…


Str:aoiruka:シンティスー!!





ちーん





 ちーん。



Str:aoiruka:「見習うなと、あれほど…


spit:マテ。



Leona:「初したい〜。


shintisu:「たちけて…

 シーフからアサシンへと転職を果たしたシンティスの冒険も、まだまだ続きそうです。


*1 あれはもう、一生あのままなのではないかという…(そんな事はありません)
*2 しかも、あなたはプリーストです。
*3 詠唱速度を上げると、SSがとれず、レベルをあげるとかわされるという、ジレンマ。(どうでもいいジレンマとかいうな)
*4 これを。それ以外に、なにを?
*5 ハエの羽は短距離ワープに使う。緊急回避にベスト。
*6 詳しくは「spitは強くない!?」参照。