spit:「いくぞ!
三色ウィズ、騎士トリオ、アサシントリオにシーフペア、アーチャー、剣士と、無敵チックにそろい踏みの、13人のメンバーがゲフェンダンジョンに挑みます。
しかし、一行は大きな間違いに気づいていませんでした!
spit:「はやっ!
早速かよ!!
Abd:「つ、つい未亡人にしたくて。
luvas:「響なだけだろ。
ita:「そうとも言うな。
eve:「ああっ、アブ!死なないでっ。
spit:「まー、別に気にすることはねぇべ。
スピットはいいます。
spit:「アピがいれば大丈夫。
mayumi:「だねー。
Grill:「…
Ahsgrimm:「……
ita:「………で。
みんな:「
どこに?
っていうか、
前回から一回も出てきてませんが?
spit:「うああぁぁあ!?
mayumi:「アピたん、忘れて来ちゃったー!
それが兄弟、姉妹キャラの欠点です。
*1
eve:「おねがい、生き返らせてっ。
必死にイブが言います。
spit:「とはいってもなぁ…
mayumi:「アピたんいないし。
eve:「じゃ、いいや。
Abd:「あうぅ。
*2
mayumi:「ちょっとプリさん探してくる。
しばらくすると、まゆみ嬢がプリーストをつれて戻ってきました。
spit:「しかし、今、俺はすげぇ大問題に気づいたぞ。
ita:「いうな。
spit:「13人もいるくせに、アコ、プリ、
0人。
"hayate":「って、みんな気づいてるって。
aoiruka:「おそろしや。
spit:「まぁ、気にせず、再とっかんーん!
Ahsgrimm:「しろっ!
Grill:「いや。
luvas:「無理。
Abd:「イブは私が死なせませんよ!
eve:「アブ…
irurur:「いや。
Ridgel:「それも無理。
spit:「突き進めば、その先に答えはあるさ!
その答え。
ある意味大正解。
spit:「俺のことはかまわず、先に行け…
ita:「いや、いるかさんも死んじゃったから、そう言うわけにもいかない。
luvas:「お前だけならおいていく。
spit:「マヂですか!?
Abd:「さっきのしかえしだ。ふみふみ。
spit:「んにゃろぅ…
スピットは倒れたまま、むかりと口許を曲げました。そして、言います。
spit:「アブ…
Abd:「なんですか?
spit:「ひとりで消えるのはしゃくだ。
ita:「いや、プリいないから、無理だよ。
spit:「そうじゃねぇ。
"hayate":「なにを?
ふっとスピットは笑って言いました。
spit:「イブはもらうぞ。
spit:「スピット流呪術!
道連れ昇天!
ばしゅっという音とともに、スピットの身体が光の中に消えました。
同時に…
eve:「わあっ!
Abd:「イブ!?
eve:「とばされる!?
突然巻き起こった光の中に、イブの姿も消えました。
ita:「い、今のは…
Abd:「スピットめー!
スピット、あおいるかさん、ついでにいつの間にか死んでいたラバ。(本当にいつのまにか)
が、皆の目の前から消えました。
Abd:「い、いったい何が…
ただ呆然とするアブの肩を、まゆみ嬢が笑いながらぽんぽんとたたいていました。
mayumi:「よくあること。
ねェよ。*3
さて、ゲフェンダンジョンに取り残された一行はというと…
Ridgel:「うーん。ゲフェンダンジョンはちょっと辛いですかねぇ。
ita:「つらいですねぇ。
mayumi:「ウィスパが出ると辛いね。
Ahsgrimm:「とりあえず、入り口まで戻る?
"hayate":「良い考えだ。
Nill Gram:「が。
Grill:「キター!
ita:「どうやら、そうもさせてくれないらしいですね。
動き出そうとした一行の前に、馬モンスター、ナイトメア、幽霊モンスター、ウィスパ、マリオネットがわさわさと沸いてきます。
mayumi:「ぴーんち!
Nill Gram:「SPが、がんがん減りますな。
irurur:「が、やるしかないでしょう!
一行は武器を手に、乱戦の中へと突っ込みます。
迫り来る敵を倒し、帰路を確保しようと進みます。
しかし、敵の量は倒しても倒しても、減りません。通常武器ではダメージの与えられないウィスパを、アブ、グリがなんとか退け、ナイトたちは前衛となり、敵の攻撃を交わしつつ進みます。
剣を振るい、魔法を唱え、一行は進みます。
でも、じりじりと体力が削られていってしまいます。
萩帆からもらった白いポーションも、残り少なくなってきてしまいました。
mayumi:「これはぴーんち!
Ahsgrimm:「アサシンにはつらい!
aoiruka:「逃げましょうー!
Ridgel:「師匠、突破口を開きましょう!
Nill Gram:「SPがそろそろやばい…
"hayate":「師匠、がんば〜。
ita:「突っ込みますか!
Ahsgrimm:「おしゃー!
irurur:「SPつきるまで!
Abd:「すでにつきました。
Grill:「早っ!
"hayate":「いくぞー!!
一行が、眼前のモンスターの中へと、飛び込みます。
その時でした。
「主よ!哀れみ賜え!!」
その声が響きました。
「キリエ エルレイソン!!」
光の十字架が、13人の頭上できらめきます。
Nill Gram:「これは!?
Ahsgrimm:「キター!!
mayumi:「アピたん!!
ita:「と、ゆーことは…
Grill:「当然ですね。
irurur:「当然でしょう。
"hayate":「ヤツがキター!?
舞い散る光の衣に皆がはっとした次の瞬間、もうひとりの声が響きました。
「突破口とは、こうやって開くのだ!!」
その声に、風が渦を巻きました。
響く詠唱に、巨大な魔法陣が生まれます。
appi:「みんな、逃げてー!
Abd:「敵か味方か!?
Ridgel:「こ、この魔法は!?
"hayate":「むしろ、敵。
空気の中の電子の粒が、呪文の詠唱にはじけ、小さな雷を生み出します。
渦を起こす風にふれた肌が、その雷にぴりぴりと震えました。
「待たせたなっ!」
響く詠唱が、最後を結びます。
スピットはにやりと口許を曲げて言いました。
spit:「ロード・オブ・ヴァーミリオン!!
mayumi:「えいっ!
spit:「をわ!
ゲフェンは北の入り口。
階段に座り込んでいたスピットは、突然のまゆみ嬢からの毒の洗礼に片目を伏せました。
spit:「なにすんだー!
mayumi:「しかえしだー!
ゲフェンダンジョンから戻ってきた一行は、装備を調えた後、この場所に集合ということにしていました。
ちょっと、ゲフェンダンジョンはみんなで行くには厳しいところだったのです。
mayumi:「アサシンは、ウィスパきらーい。
スピットのとい面に座って、まゆみ嬢。
Ahsgrimm:「属性攻撃しかきかないからね。
Ridgel:「ですね。
spit:「そーなんだ。
ita:「知らないでゲフェン特攻かよ!?
appi:「いつものことですけどねー。
luvas:「あとは、いるかさんといるるさん、ハヤテさんにうちの焼豚か?
Abd:「で、みんなが来たら、今度はどうするんです?
spit:「…
spit:「さぁ?
ita:「をい!
mayumi:「スピたんの漏電っぷりを発揮するなら、イズルードかな?
Ridgel:「ですね。
Nill Gram:「それもいいか。
spit:「でも、伊豆はいつもいってっしなー。
"hayate":「んなら、モロクは?
とことこと歩いてきたハヤテさんが言います。
irurur:「いいですねぇ。
とは、後ろについていた、いいるさんです。
"hayate":「4F目指すか、地下か。
mayumi:「モロクー!
luvas:「そういえば、そんなところが故郷だった気がする。
"hayate":「うちも故郷です。
irurur:「あ、そういえば…
Ahsgrimm:「お。
mayumi:「アヒャ!?
appi:「うーん、今気づいたんですが、このパーティ、シーフ・アサシンが五人もいるんですねぇ。
モロクは盗賊の街。
シーフ、アサシンたちの故郷、そうでなくとも、転職のために訪れたことのある、ゆかりのある街なのです。
Abd:「そしてマジは三色。
とことこと歩いてきた焼豚こと、グリの姿にアブは笑います。
Grill:「なにが?
aoiruka:「なんでしょう?
隣にいたあおいるかさんが首を傾げる姿に、アピ。
appi:「剣士・ナイトも四人ですけどね。
spit:「そしてプリはひとりだ。
appi:「あうぅぅ。
ita:「ポタ、ないね?
appi:「ないです。
"hayate":「ポタ探し!
spit:「では。
スピットはすっくと立ち上がって、階段の真ん中あたりまで行って、言いました。
spit:「団体割引やってるトコで!!
ita:「あんのかよ!?
そして、ゲフェンタワー脇でポタ屋を開いていたアコライトさんの前に一行は集まりました。
mayumi:「交渉せいりつー。
ita:「すみません、人数多いんで…
「はい。大丈夫ですよ。何人ですか?」
アコライトさんは、にこにこと笑いながら言いました。
スピットは右手の指をみっつたて、左手の人差し指をたてて、突き出します。
「四?」
spit:「13。
っうか、
多すぎ!!
「に、二回に分けていきますねー」
そりゃそうでしょう。
irurur:「あ。
と、突然、いるるさんが言いました。
spit:「ん?
irurur:「すみません。
時を告げるゲフェンタワーからの鐘の音が、聞こえてきていました。
irurur:「時間になっちゃいました。
spit:「はぇ?
irurur:「これで、お別れです。楽しかった!
mayumi:「あれ?いるるさん、今日はもー、終わり?
"hayate":「わ。戦力ダウン!
Ridgel:「うーん、仕方ないですねぇ。
irurur:「申し訳ない。
そしているるさんはぽりぽりと頭をかいて、言いました。
irurur:「短い間でしたが、みなさんと冒険できて、楽しかったです。本当にありがとう。
spit:「何をいるるさん、今生の別れみたいに。
スピットは笑います。
ita:「あれ?こいつ、しらないのか?
appi:「…プロンテラの告知板なんて、スピさん、見ないです。
spit:「なにが?
luvas:「何の話?
Abd:「ラバはしらなくて当然か。
mayumi:「だねー。
Nill Gram:「辞めちゃうんか?
irurur:「ええ。
ニルさんの言葉に、いるるさんは仕方なさそうに笑います。
irurur:「短い間でしたが、プロンテラベンチのみんなと冒険できて、楽しかったです。
spit:「何の話?
ita:「後で説明してやる。
「ポタ、でますよー」
irurur:「あ、ポタ、出るみたいです。
アコライトの女の子が、呪文を唱えました。
ゲフェンの街の中に、光の柱が立ち上ります。「モロクー!」
mayumi:「いっくよー。いるるさん、じゃー、ばいばーい。
"hayate":「行きますか。
Ridgel:「じゃ、いるるさん。
Nill Gram:「こちらこそ、楽しかったですよ。
Ahsgrimm:「じゃあな。アサシン仲間!
luvas:「なー、何の話だ?
Abd:「あとで教えますよ。
Grill:「あ、もー、来週にはそーか。
aoiruka:「そーなんですよねぇ。
皆、次々とワープポタルの中に消えていきます。
appi:「じゃ、いるるさん。ごきげんよう。
ita:「じゃ。
irurur:「はい。ありがとうございました。
spit:「今日はさんきゅ。
最後、スピットはポタルに飛び込む直前、言いました。
spit:「じゃ、また今度な!
irurur:「はい。
軽く笑って、いるるさんは手を振りました。
光の向こうに、その姿がふっと、消えて見えなくなりました。
ita:「スピ、知らないだろうから、教えておいてやる。
spit:「なにを?
appi:「来月の頭から、冒険者たちはみんな、冒険するのに、お金払わないといけないんです。
spit:「はぁ!? なんで!?
ita:「冒険者の数が増えてきたからな。プロンテラで、冒険者たちの管理、治安維持、その他もろもろのために、月額を冒険者たちにかけることがきまったんだ。
*4
spit:「…払わないとどうなるんだよ。
ita:「冒険ができない。街から、一歩も外に出られなくなる。
appi:「だから、これを機会に冒険者をやめちゃう人も、結構、いるみたいなんです。
spit:「…じゃー、いるるさんは…?
スピットは答えをわかっていましたが、聞きました。
ita:「たぶん、ね。
appi:「そうゆうことだと思います。
ポタルの向こうには、仲間たちが待っていました。
mayumi:「スピたん、どーしたの?
spit:「あ?
Abd:「なんかありました?
spit:「いや。
スピットは口許を軽く曲げて、言いました。「ねぇよ」
そしていつもの帽子のつばをちょいとあげる仕草をして、言います。「行くか!!」
spit:「
ピラ、突貫死!!
みんな:「おー!
"hayate":「呪いの主を、ぶちのめしにいきますか!
Grill:「おうよ!
そして一行はピラミッドの地下へと進みました。
王家の墓、ピラミッド。
スピットたちも、幾度となく、この場所には訪れています。
高レベルモンスターうごめく、神秘の地。
王墓の奥には、数多の冒険者たちが求める秘宝が、眠っているのでしょうか。
でも、いつも痛い目にあって帰ってくるのがオチでした。
スピットたちには、ピラミッドを抜けるだけの力は、なかったのでした。
でも、今日は違います。
今日は、13人の仲間たちが、この場所にはいるのです。
*5
"hayate":「目的地は、ピラミッド最深部!
Ahsgrimm:「いきましょう!
Grill:「
逝。
ita:「ちがっ!
一行は進みます。
そうです。
何をもって冒険が終わりとなるか。
スピットにはわかりません。
一行はずんずんとピラミッドを進みます。
Nill Gram:「負けるか!
"hayate":「ハット軍団!
*6
迫りくる敵を、次々と撃破していきます。
スピットたちは無敵です。
スピットたちの冒険はちょっとくらい、強い敵が出てきたからって、終わりません。
仲間がいてくれる今、終わりはしません。
まぁ、それでもやっぱり強い敵に囲まれちゃったりすると、やられちゃったりなんだりはするんですが…
spit:「突撃隊、停止ー!
"hayate":「どうしました隊長!
spit:「…アピが死んだから、モロクまで迎えに行ってくる。
mayumi:「アピたぁーん!
appi:「うぅぅ、ごめんなさい。
でも、仲間がいてくれるから、だいじょうぶです。
appi:「あれ?スピさんひとり?
spit:「…あれ?
mayumi:「がんがれー、スピたん!
"hayate":「入り口で待ってます。
Grill:「リダ、ふぁいとぉ。
Abd:「見せ場を作ってあげました。
luvas:「いけしゃあしゃあと。
spit:「…だって。
appi:「あはは。
そんな仲間達ですけども。
目指すは、ピラミッド、最深部です。
Ahsgrimm:「乱戦だー!
mayumi:「アヒャ!
Nill Gram:「あっ!ハヤテ!?
"hayate":「しぼーん。
spit:「おーい、アピー。
appi:「手術完了。
Ridgel:「手術なんだ。
ita:「よーし、片づいたー。
"hayate":「ふ、楽勝!!
luvas:「悪ぃ、つっこませてくれ。マテ!
Abd:「この下ですか?
Grill:「どきどき。
luvas:「オシリス初めて。
"hayate":「道のりが長いです。
spit:「では、いきますか。
ita:「逝きますか。
Ridgel:「逝きませう。
aoiruka:「w
"hayate":「(笑)
Nill Gram:「うっ、モンスター、湧いてる!?
appi:「キリエしますっ!
"hayate":「突っ込むぞー!
眼前には、王墓を守るモンスターたちの壁。
プロンテラベンチの面々が、その中に飛び込んで行きます。
剣を抱え、まっすぐに斬りかかるナイト、剣士たち。イタ、リジェルさん、ニルさん、そしてあおいるかさん。
素早く左右に回り込んで、敵を挟み込むのはアサシン、シーフチーム、まゆみ嬢とアースグリム。ラヴァスとそしてハヤテさん。
ウィザード、アブドゥーグとグリルポークの二人が氷の壁と炎の壁を作りだし、プリースト、アピは皆にバリア魔法、キリエエルレイソンをかけて援護します。
そしてその仲間達の背中に向かって、スピットは勢いよくアークワンドを振るいながら、叫びました。
spit:「いっくぜぁ!!
ita:「!?
mayumi:「まぢー!?
Grill:「みんな、にげろー!!
Abd:「場所!場所考えて!!
luvas:「無理だなー。
風が、渦を巻きました。
響く詠唱に、巨大な魔法陣が生まれます。
Ahsgrimm:「またアレか!?
"hayate":「魔法陣から離れろ!
Ridgel:「間にあわん!近くにあるものにしがみつけ!
Nill Gram:「って、スピットさんは本当に敵か味方か!?
aoiruka:「どっ、どっちなんでしょう!?
空気の中の電子の粒が、呪文の詠唱にはじけ、小さな雷を生み出します。
渦を起こす風にふれた肌が、その雷にぴりぴりと震えました。
appi:「いや…
響く詠唱が、最後を結びました。
appi:「漏電雷魔導士ですから。
spit:「ロード・オブ・ヴァーミリオン!!
*7
王墓、ピラミッドの最深部。
冒険者たちの剣戟から離れ、そこはありました。
Ridgel:「なかなか怪しげな。
"hayate":「まだ、奥にはいけないけどね。
ita:「オシリスはこの奥に?
mayumi:「そーなるみたい。
Grill:「王の寝室への入り口か。
*8
"hayate":「ここが目的地。ちょいと休憩しましょう。
mayumi:「ピラミッドクリアー。略して、ピラクリ。
Abd:「微妙な略。
そしてスピット達はその場所、目的地に、よいしょと座り込みました。
そんなみんなを見て、スピットは言います。
"hayate":「あ、そうですね。
Ridgel:「そか。そんな時間か。
スピットは言います。
spit:「えっと、今日のツアーはこうして、まだ行けない場所とか、いろいろいったり、みんなで突貫したりなんだりとした訳ですが…
その時でした。
Nill Gram:「イシス!?
Abd:「スピ!そっち行きました!
spit:「むかっ!!
皆が一斉に立ち上がります。そして、突然現れて襲いかかってきたモンスター、イシスに向かって斬りかかります。
さすがのイシスといえども、この人数を前には、すぐに倒れはしましたが…
Ridgel:「締めの言葉で湧くモンス。
Abd:「さすがスピ。
"hayate":「課金前、最後のスピーチをじゃまされたわけですな。
いや、
まったく。
spit:「で、なんだっけ?
luvas:「みんなで突貫したりなんだりとか。
spit:「ああ、そうだ。で、課金、もうすぐ始まっちゃう訳だけど、課金後もやるならないはともかく…
"hayate":「ふんふん。
spit:「今のイシスねぇさんのように。
みんな、笑いました。
*9
spit:「めでたく、俺もウィザードになれたことですし…
その時でした。
Ridgel:「やはりギルドマスターたるもの、イシスも呼び寄せる、と。
luvas:「なんかしてるだろ。
spit:「するかっ!!
ita:「で、スピーチの締めは?
spit:「なんだっけ?
mayumi:「をいをぃ。
ああそうだ、と、スピットは続けました。
spit:「今日はみんなでこうして冒険できて、よかったな。と。こんな大所帯のパーティなんか、そうそうないでしょう。
スピットだって、こんなにたくさんの仲間と冒険したのは初めてです。
今まで、たくさんの冒険をしてきました。
"hayate":「ちょっと、前衛後衛のバランス悪いけどね。
aoiruka:「私、一次職ですし。
appi:「いえいえ。みんなそろえば、戦力ですよ。
Ahsgrimm:「そうですよ。
今まで、たくさんの仲間たちと、出会ってきました。
そのすべてが、spitたちの冒険です。
そして、これからも。
spitたちの冒険は、続くのです。
その冒険の果てにあるものは何か。
それは、誰にもわかりません。
だからこその、冒険なのです。
スピットは言いました。
それは、スピットがずっとずっと、そしてこれからも、心に思ってる事でした。
spit:「またこうして、みんなで冒険できれば、と。
その時でした。3。
spit:「そうか!
spit:「俺がちゃんとスピーチするのはゆるさないのか!?
spit:「あーもー、なんでもいいや。
スピットはひょいと、帽子をあげました。
その口許は、ちょっと、笑っていました。
spit:「それで、いい。
その時でした。4。
spit:「ったくもぉー!!
誰かが、思わず吹き出しました。
つられて、誰かも吹き出しました。
いつの間にか、みんな笑ってました。
声を上げて、みんなで笑ってました。
spit:「ああ。
spitは言いました。
「それでいいや」
プロンテラの空は、今日も快晴です。
僕は一人の少年を見ていた。
彼は退屈そうで、
窮屈そうで、
彼は、
何かを求めて、世界に飛び出した。
彼は魔導士になった。
そして、彼の冒険が、はじまった。
ミドカルド。
神と悪魔とそして人間とが、共存する世界。
彼はその世界を生きる冒険者。
その名は、spit(スピット)。
彼は、ミドカルドを旅する数多の冒険者たちの中からすれば、まだ駆け出しの冒険者だ。
だけれど、僕は彼らの冒険を、空からずっと見つめている。
彼らはいつも、その場所に集まってくる。
首都、プロンテラ。
そのベンチ。
そして彼らは、大冒険の旅に出る。
だから、僕は、いつも見下ろしている。
彼の仲間たち。
ミドカルドを旅する、数多の冒険者たちの中からすれば、まだ駆け出しの冒険者である彼ら。
だから、僕は彼らの冒険を、空からずっと見つめている。
たとえ剣士としての力がなくても、
たとえシーフのような素早さがなくても、
まともに魔法が使えなくても、
僕はいつも見下ろしている。
数万の冒険者たちが、それぞれの旅を続ける大陸。
ミドカルド。
その中のひとり。
数多の冒険者たちの中の、ただひとり。
ただひとりの、彼ら。
その胸にある、冒険の果てを知るものは、他にはいない。
だから、僕は見つめている。
その出会い、別れ、旅路の果てを。
その記録。
物語は、ミドカルド大陸にあるルーンミドカツ王国の首都、プロンテラ。
そのベンチから、ゆっくりと動き出す。
そしてまた、
プロンテラベンチから冒険は…
*10