studio Odyssey



spit、ウィザードになる!



 『おしらせ』


 夕暮れをすぎて、プロンテラの街並みは夜のとばりに包まれていました。
 ここはいつものプロンテラベンチ。

 さすがにもう、スピットたちの姿はありません。
 それもそうです。

 明日はスピットたちが前々から計画していた『例のツアー』の日。
 スピットたちも今日は静かにベッドに入ることでしょう。

 ところで。
 それならなぜ、今こうしてベンチの前を映しているかって?

 それは今からここに、ある人たちがやってくるからです。

 とことことやってきたのはペコペコに乗った騎士がふたりと、そして盗賊がひとり。
「師匠〜、今日もレベルあがりませんでしたねぇ」
「まぁ、もうなかなかレベルはあがらないな」
「俺は早く帰って飯を食う。嫁さんがまってるからな」

 とことこ歩いている三人。うち、ひとり。
 盗賊の彼がベンチ脇に置いてある掲示板に貼り付けられたメモに目をとめました。

ベンチの前の掲示板
「むあ!?」
「なんだ、どーした?」

 そこには丸い文字で、『おしらせ』とかかれていました。


パーティ プロンテラベンチ
ギルド Ragnarok からのおしらせ


プロンテラベンチのみんなと冒険をしたことのあるすべての方、
ベンチの面々をご存じの方、すべての方へ。

明日、11時半にベンチ集合で、我がパーティーリーダー、spitのウィザード転職ツアーを行います。
祝福してくださる方、
妨害したい方、
とりあえずお祭り騒ぎに参加したい方、

当日、この場所にお集まりください。

よろしくお願いします。

「…スピットくんが?」
「これは、懐かしい名前が出てきたなぁ」
「誰?」
「ああ、師匠はしらないですねー」

「こりゃあ、参加しなきゃだな」
「だな」




 掲示板に張られたメモは、他にもたくさんの人に見てもらえたのでした。
「ギルド、Ragnarokか…あってみたいな」
 剣士の方、
「プロンテラベンチっつーと…確か、シュトがそんな奴らと冒険をしたことがあるとか言って…」
 アサシンの方、
「ぅあ!?スピさん、とーとー、ウィズ!?」
 商人、
「ちょっとマテ」

 こちらのシーフは、

「そんな話は初耳だぞ、スピット!ゴルァ!!」

 ショボコソこと、ラヴァスでした。

 ラバは人気のないベンチの前で叫んだかと思うと、びりっと掲示板に張られていたメモを取りました。
「最近冒険出てなかったら、やつめ、いつのまに…」

 手に取ったそのメモの下の方、残りの空白部分には、稚拙な絵で緑髪の魔導士の絵が描かれていました。それは、紛れもなく魔導士の絵でした。魔法使いではありません。マジシャンではなく、確かに、ウィザードの姿なのでした。
 その手に持った杖の先からは、びりびりっという風に、電撃らしきものがほとばしっています。

 そして、彼のトレードマークでもある帽子が、ちょこんと頭の上に乗っています。

 その絵を見て、ラヴァスはちょっと笑う風にしてつぶやきました。


「ウィザード、スピットかよ」




いざ、ツアー!
 そして朝。

 今日もプロンテラの空は快晴です。



spit、ウィザードになる!


spit:「うお!? なんだこの人数!?

ベンチ前
 スピットは目を丸くしました。

mayumi:「キター!
 と、第一声、声を上げたのはパーティ、プロンテラベンチの一員であり、ギルド、Ragnarokのメンバー、まゆみ・さくらです。

syu-ho:「11時30分、っと。

 腕の時計を見て言うのは、プロンテラベンチ二号店の称号を持つ商人、萩帆。
ita:「…時間通りに…
 ぽつりとつぶやくのはプロンテラベンチのナイト、イタ。

Ridgel:「まゆみさんにスピットさんが帽子あげていた時以来か。
 こちらはプロ北ツアー、金ゴキバトルとお世話になった騎士、リジェルさん。

"hayate":「スピットさん来たので…
 すっくと立ち上がって、シーフのハヤテさんは言います。

"hayate":「解散!!


spit:マテ!

mayumi:「かいさーん。おつー。
ita:「おつかれ〜。
Ridgel:「おつかれさまー。
syu-ho:「しゅうりょ〜。
irurur:「おつかれ〜。
ita:「今日のツアーは終了しますた!
"hayate":「いやー楽しかったね。
ita:「楽しかったね。
irurur:「うん。
Ridgel:「愛と夢と冒険。
mayumi:「そして伝説へ。
"hayate":「そう、spitさんが来るまでが遠足です!
spit:「ちがっ。
ita:「きたら終了です。
syu-ho:「だって、時間守るなんて…さては偽者っ!?
spit:「なにが?なにが?
ita:「おまえ!偽者だな!!
"hayate":「だな。
mayumi:「だね。
"hayate":「本物のspitを返して!
ita:「マフラーが黄色い!!
"hayate":「黄色だ!!
syu-ho:「目が吊り上ってる。
Nill Gram:「何故マフラー?
Ridgel:「偽者といえばマフラーですよ、師匠!
"hayate":「マフラーが黄色スピットですよ!
Ridgel:「貴方は私の知ってるスピットさんじゃないッ!!
"hayate":「本物はマフラーがどどめ色のはず。


spit:「あーもー!マテー!!

mayumi:「んに?

spit:「久々にみんな出てきたと思ったら、好き放題いいやがって!
ita:「まぁ、なかなかこんなに集まらないしな。


spit:日記を編集する側の身にもなれ。



みんな:なにが?


spit:「…まぁ、なんだ。そんなわけで…

syu-ho:「ベンチ前でのおもしろチャットのログが見たいかたは、こちらー
mayumi:「えろちゃっとー!

ita:「技だなぁ…*2


 わいわいと楽しげに語り合う仲間たちが、ベンチ前に集まりました。

 スピットもその輪の中に入ります。
 やがて、遅れてやってきた仲間たちも合流します。

 そしてプロンテラベンチの前には…

ita:「しかし、いるなぁ。
 ご存じ、プロンテラベンチのナイト、ita-yu。

mayumi:「初めてあった人もいるしねー。
 とは、アサシン、まゆみ・さくら。

aoiruka:「はじめまして。
 と、返したのはスピットも初めて顔を合わせる剣士、あおいるかさんです。

syu-ho:「掲示板にはってあったメモをみて、来たそうです。
 商人、萩帆がカートの中をごそごそしながら言います。
aoiruka:「いやぁ、ちょっとおもしろそうだったんで。
"hayate":「スピットくんの自殺ツアーが!?
 お馴染み、プロ北ツアー、金ゴキバトルとお世話になったシーフ、ハヤテさん。
Ridgel:「あながちはずれでも。
 そのギルドメンバー、リジェルさん。
Nill Gram:「あぁ、そう言えば、私も初めて会いますねぇ。
ita:「そうですね。
Ridgel:「ギルマスにして、私の師匠です。
Nill Gram:「よろしく。
 と、ナイト、ニルさん。

irurur:「こちらこそはじめまして。
 アサシン、いるるさんも皆に頭を下げます。


spit:「で、他のメンツは?
 スピットは聞きました。

mayumi:「うちのギルド、パーティメンバー、あつまりわるーい!
ita:「まぁ…な。

 イタのつぶやきに、皆の声が重なりました。


みんな:リーダーがリーダーだし。

Ahsgrimm:「プロンテラベンチのツアー集合所はここでいいのかな?

 と、ひとりのアサシンがやってきて言いました。

syu-ho:「そうです。
"hayate":「愛と死の、大冒険ツアーです。
mayumi:「前者は少な目です。
spit:「なんでだ。

 ぷんすかっと頬をふくらませるスピットに向かって、その声をかけたアサシンは言いました。
Ahsgrimm:「はじめまして。アースグリムといいます。アーサー・シュトライトを知ってるとは思いますが…
spit:「シュト?
irurur:「シュトさん?私、元パーティメンバーです。
ita:「シュトの知り合い?
Ahsgrimm:「ええ、奴の代わりに、ちょっと参加してみようかと。
syu-ho:「どーぞどーぞ。
mayumi:「一名様、ごあんないー。
"hayate":「そしてベンチの面々は来ない。

spit:「はぅ!?

syu-ho:「じゃー、みんなが来るまで、配給しますよー。
 と、萩帆はカートの中からごそごそとたくさんのアイテムを出しました。

syu-ho:「今日の商品は…ハット〜!

みんな:「いらない。

syu-ho:「はぅ!?

spit:「なつかしのハット軍団を作りたかったのか…?
syu-ho:「な、ならば、本日のメイン商品!

mayumi:「どきどき。

 萩帆はおなかのバッグから、それをとりだしました。そして、「てけてけん♪」と言う効果音でもきこえてきそうな勢いで言います。*3

syu-ho:萌える白ポ〜。

spit:「字、ちがっ!?

syu-ho:「空き瓶の中に、一所懸命つめました。
mayumi:「なにを?
syu-ho:「スピさんのな…むぐぅ!?
spit:「…Ragnarokは全年齢対象です。

luvas:「たのしそうだなぁ。

 と、やってきたのはご存じ、ショボコソこと、ラヴァスです。
Abd:「まぁ、いつもこんなんな気もしますが。
 とは、いきずりの魔導士、アブドゥーグ。
Grill:「ショックとすれば、リダよりあとに来ちゃったことか。
 炎ウィザード、焼豚こと、グリル・ポークです。

spit:「おせぇよ。

 スピットが言います。
 その口許は、ちょっと笑っていました。

appi:「うぁぁあ、ビリっけですか!

 たったかたったか、噴水広場の方から走ってくるのはアピです。はぁはぁと息を切らし、急いでやってきます。


spit:「おせぇよ。

 ちょっと、勝ち誇ったような感じです。

mayumi:「全員、きたね。
syu-ho:「白ポ、みんなに行き渡りましたかー?
Abd:「萩帆さんも行くんですか?
syu-ho:「私はここでまた別の取引があるんでいけないですけど、今日はここで、ベンチ2号店を開いてますよ。
appi:「あ、しゅーちゃん、青ジェムいっぱいください。
syu-ho:「むりょーかいほうちゅぅ。
Grill:「くれ〜。
Ahsgrimm:「むらがってるむらがってる。*4

"hayate":「スピット隊長、全員集合、準備万端のようであります!

 ハヤテさんが言います。

"hayate":「出陣ののろしを!

spit:「あ?

 スピットは一瞬「えっ?」というような顔をしましたが、すぐに理解して、にやりと笑いました。


spit:「いぐぜぁ!!

出陣ののろしは強烈に

ita:「それかー!?


 そして一行は、魔法都市ゲフェンへと向かって、歩き出したのでした。*5


spit:「ぞーろぞーろ。

 ゲフェンまでは徒歩です。
 転職以来、スピットはゲフェンに行ってませんでした。
 懐かしい道程を、ひとりで辿ったあの道を、今日はパーティのみんなと歩きます。


こらこら
spit:「まちがえた。
luvas:「おい…

 なんてことをやりながらも…


 魔法都市、ゲフェンです。



ゲフェン
 街の中心にある巨大な塔。ゲフェンタワーを中心に、山の中の窪地に出来た街です。

 古くからの言い伝えによると、この塔の地下に眠るという強大な魔法力を求め、魔法使い、魔導士が次第に集まり、そして生まれた街と言われています。魔法と技術の入り交じった独特の文化が栄え、今はミドカルドから西北地方へ抜けるための要所ともなっています。


 そしてなによりも今のスピットたちの目的である、ウィザードギルドもこの街にあるのでした。

Abd:「ウィザードギルドはゲフェンタワーでしたっけ?

Ridgel:「タワー、最上階です。
mayumi:「そーだ、アブきゅんもウィズに転職するんだね。
Abd:「ええ。
 アブは言います。

Abd:「スピとの、男の約束ですから。

spit:「そんな約束は、した覚えがないがな。

appi:「いざ、タワー!

spit:Abd:「って、ちょっとは突っ込めよ!!*6


 一行は街の中心にそびえ立つタワーの中に入ります。
 タワーの中は、柔らかな青い魔法の光と、少しひんやりとした空気に包まれています。
 それはまるでゲフェン魔法ギルドそのものを象徴するようであり、スピットとアブは、ごくりと唾を飲みました。

Grill:「なつかしいな。

 ウィザードの先輩ともいえる、グリがぽつりとつぶやきます。

Grill:「リダ、アブ。
spit:「ん?
Abd:「なんですか?

Grill:「ウィザードに転職したら、ふたりはどうするつもり?

spit:「どーするって?
 聞き返すスピットに、グリ。

Grill:「ウィザードになれば、魔法使いの頃とは比べ物にならないほどの強力な魔法が使えるようになる。SPも増えるし。でも、使える魔法の数の制限は、魔法使いの時と同じだからね。よく考えて、ウィザードの道を進まないと…

spit:「ああ、心配ないよ。
Abd:「ですね。

 ふたりはあっけらかんとして、答えます。

spit:「雷魔法を極める以外に目的はない。
Abd:「同じく、氷結魔法を。

Grill:をぅわ!?


 学習能力ナシ!


Grill:もっとさー、ファイヤーピラーとかサイトレシャとか、マグガイヤとかいろいろ魔法はあるんだからさー…
spit:「グリ、いくよー。

 きいちゃいねぇ。

最上階  先に最上階にあがっていた皆が、すでにギルド職員の周りに集まっています。

 スピットたち以外にも、何人かのウィザード転職者が仲間たちと一緒に訪れているようでした。

"hayate":「さぁ、スピットくん!今こそ皆の前で、新たな姿に生まれ変わるのだ!
mayumi:「すっぽんぽーん!
ita:「新たな姿、チガウ。

spit:「う、うむ。

 スピット、そしてアブはギルド職員の元に歩み寄ります。


Abd:「じゃ、私、お先に失礼しますよ。

spit:「う、うむ。

 スピットはどきどきしていました。
 こんなにどきどきしたのは、魔法使いに転職するとき、ギルドを作るために王宮を訪れたときくらいです。
 それもそうです。

 スピットの新しい人生が始まる、また、新たな瞬間を、スピットは迎えようとしているのです。

 アブがギルド職員にウィザードになるための訓辞を聞いています。
 スピットはそれを、じっと眺めています。

 ぽうっと、アブの身体が光りました。
 魔法の言葉が、聞こえてきます。

spit:「お…

 一瞬、まばゆい光があたりを包みました。

転職、アブ! mayumi:「おめー!
Nill Gram:「おめでとう!
"hayate":「やったな、アブ!
ita:「ウィズ、第二号!
aoiruka:「おめでとうございます。
Ridgel:「新たなウィザードの誕生に、乾杯ー!
appi:「ぱいー!
irurur:「ぱいー!
Ahsgrimm:「乾杯です。
luvas:「よかったなぁ、アブ。
Grill:「長い道のりでした。

mayumi:「エンチャント・ポイズン!

みんな:汚すなー!

mayumi:「あうあう。

Abd:「ありがとう。

 アブは短く返します。

spit:「ところで、そのカッコは、なんかのネタ?
Abd:「気にするな。


 いや、スゲー、なる。*7


Abd:「さて、じゃ、次は…

 そして、皆の視線が一カ所に集まりました。

 スピットはごくりと唾を飲みます。
Abd:「真打ち、登場。

spit:「お、おう。

 スピットはゆっくりと歩き出しました。

appi:がんがれー。
 小声で言うアピに、「何をだよ」とか、つぶやいて返します。

 スピットは、ギルド職員の前に立ちました。



そして… 「こんにちわ」
 澄んだ、響きの中に魔法の力を持つような声で、ギルド職員が言いました。
「お名前は?」

 スピットは返します。

「スピット。パーティ、プロンテラベンチのリーダーにして、ギルド、Ragnarokのマスター」

「スピットですね。少々、お待ちを」

 ギルド職員はそう言って、机の上の本に手をかざしました。
 魔法の言葉に、その本の真っ白だったページに、文字が浮きあがります。

「スピット…確認しました。おめでとう。あなたはウィザードへの転職資格を、確かに有しています」
「じゃ、ウィザードに…」

「では、いくつか、質問をさせていただきます」

 本にそっと手をかざし、ギルド職員は言います。

「スピット、あなたは魔法使いでの修行の中で、どんなことを学んできましたか?」
「どんなこと?」
 スピットは首を傾げます。「あー…」
 考えます。考えて、でも、出た答えはそれでした。
「いろいろ」

 ギルド職員は笑います。その手の下にある魔法の本が、心なしか、弱く光っていました。
「では、ウィザードになると、あなたはこれまでよりも強力な、たくさんの魔法を覚えることが出来るようになります。あなたはその力を使って、何をしたいですか」

「あー…」

 これも考えて、考えて、でも、出た答えはそれでした。

「いろいろ」

「そうですか」
 笑って、ギルド職員は弱く輝く魔法の本をぱたんと閉じました。「では、最後の質問です」
 そして、言いました。

「スピット、あなたはウィザードの力を手に入れることにより、もしかしたら、世界を変えるほどの力を手に入れることになるかも知れません。より強力な魔法、強い精神力、その力を悪用し、この世を終末に導くことすら、可能になるかも知れません」

 響く澄んだ声に、スピットは目を細めました。
 ギルド職員は続けます。

「あなたはその力に流されず、誠実に、今この瞬間の想いを忘れることなく、ウィザード・スピットとしてあり続けることを誓えますか?」

「…」

 今度の質問は、スピットもちょっと考えました。
 前のふたつの質問は、答えるにはちょっとたくさんのことがありすぎて、なんとも答えようがなかったのです。
 でも、今回の質問は違います。

 今この瞬間から、未来へ。
 その質問は、スピットの心に対しての質問でした。

 今の、この瞬間の想いを忘れることなく…

 スピットは、ゆっくりと返しました。

「…さぁ?」
 小首を傾げて、ちょっと、笑う風に。

「こんな俺ですから、先のことはわかりません」
「…そうですか」

「でも」

 大きく息を吸い込んで、スピットは言いました。
 少し、大きな声で。

 自分の後ろで自分を見守るみんなに、ちょっとでも、届くように。
 「いろいろ」と答えた質問の答えの中にいたみんなに、ちょっとでも届くように。

 そして最後の質問の答えの中にも、いてくれるみんなに。

「こいつらがいてくれる限り、俺はきっと、大丈夫でしょう」

 スピットは翡翠色の髪を揺らして、笑いました。



 やがて、魔法の言葉が響き始めます。
 スピットの身体が、弱く光を放ち始めます。

 冬の夜にランプに手をかざすような、柔らかな暖かさがスピットの身体を包み込みました。ふっと、身体が軽くなるような感覚がして、スピットは目を閉じました。
 いつか感じたことのある感覚です。

 それはそう。
 初めての転職のとき。

 マジシャン・スピットとなったときと同じ感覚でした。


ウィザード・スピット

mayumi:Ahsgrimm:「キター!
"hayate":iruka:「おめー。

Nill Gram:Ridgel:「おめでとー!

 スピットはみんなの声に、ゆっくりと目を開けました。

appi:「エンジェラス!
 アピの魔法に、スピットの頭の上で魔法の鐘が鳴り響きます。
Grill:「サイトレシャ!
 グリが火炎魔法を炸裂させます。
luvas:「インベナムー!
 ラバは毒の洗礼。
Abd:「スピならこれでしょ。サンダーストーム!!
 アブは雷魔法で…


spit:「アピはともかく、オマエら、それが祝福かよ!?


みんな:もっちろん!

 ってか、スピットもいつもやってます。*8


「スピット」

 転職を終え、はれてウィザードとなったスピットに、ギルド職員が言いました。

「今の気持ちを忘れることなく、今後も、ウィザードとして精進してくてださいね」

spit:「…そーだな。

 素っ気なく返して、スピットは皆に向き直りました。「では、ウイザードにもなったことですし!」

 ひょいと、腰にぶら下げていたそれを手に取ります。
 そして、ひょいと、頭の上に載っけます。

装着!
mayumi:「おおっ!
"hayate":「それでこそスピットだぜ!

 皆も笑います。

spit:「しっくり来るね。

 笑いながら、スピットはそのいつもの帽子のつばをちょいとあげて、言いました。


spit:「ってわけで、このまま、地下ダンジョン、突貫!

 突き上げる拳には、アークワンド。びりびりっと、踊るような雷のほとばしりが宙に舞います。
 勢い、頭の上の帽子がちょっと跳ね上がりました。

spit:「いくぜ、やろうども!!

「おー!



 皆も勢いよく拳を突き上げて、スピットの声に答えました。



 ウィザード、スピットと仲間たちの冒険が、今まさに始まろうとしています。*9


*1 って訳で、spit転職ツアーのすべてです!お待たせしましたっ!!
 って割には、ちょっとSS少な目。
*2 えろちゃっとの神髄です。(ぉ?
 まぁ、このチャットログは「何も」改ざんしていませんので、念のため。
*3 ドラ○もん風に。
*4 青ジェムこと、ブルージェムストーンは復活魔法、リザラックションを使うのに使う。グリの魔法、地雷こと、ファイヤー・ピラーでも使う。
*5 さて、ここで本日のメンバー紹介。いすぎて、誰が誰だか、さっぱりでしょう!
 本日のメンバーは、Ragnarokのメンバーから、
  スピット、イタ、まゆみ嬢、グリ、アブ、ラバ、アピ、
 の、7人と、
  ハヤテ、リジェル、ニル
 の、ギルド、RachetyRamblersの3人。
 そして、ベンチメンバーのお友達、
  いるる
  アースグリム
 そしてこのRO日記を読んで、ベンチに駆けつけてくれた、
  あおいるか
 の、総勢、13人でお送りしますっ!
 多っ!?(順不同、敬称略)
*6 ってゆーか、したっけ?
*7 でも転職のインパクトの方があるので、誰もつっこんでくれない罠。
*8 この場をかりて、みんな、ありがとー!
*9 ところが次回はまだ冒険には出ません!
 なんと、このあと、このゲフェンタワーの中で、大変なことが!

 次回、「便乗!お祭り騒ぎ!!」
 を刮目して待て!