studio Odyssey



spitとその仲間たち。2



 spit(スピット)には、仲のいい友達がいる。

 というより、正確には勝手に友達と思ってる友達がいる。

 そんな中のひとりに、ネコミミ剣士(♂)の、ita-uがいる。

 通称、イタ。

 ネコミミなんぞをつけてはいるけれど、れっきとした剣士。

 今日も、スピットとその仲間たちをちょっと、見てみようと思う。

spitとその仲間たち。2



 今日もスピットは、プロンテラのベンチで暇をもてあましていた。

 暇で暇で暇で…
spit:「むにむにむに…
 スピットは目をつぶって、電波*1で友達のみんなが何処にいるのかを探っていました。

spit:「いた。

ita-u:「逃げ。

 スピットの頭の中に、プロンテラ地下水道にいるitaの姿が映ります。
 地下水道、通称、下水。
 先日、スピットたちがパーティで潜りにいった、あの場所です。

 どうやら、itaは下水でレベルアップのために戦っているらしく…

 あ、スピットが立ち上がりました…

spit、ゴー。
spit:「ふふふ。
ita:「くるな〜。

 spit、下水へ乗り込みます。単身。
 魔導士のくせに。防御力のない。



遭遇!
 しかしspit。

 なぜ、こういう時は迷子にならない。


spit:イタ。




ヲイ。

spit:ヲイ。


 spitを無視して、itaは奥に進みます。
 下水道のB1、B2には凶暴なコウモリが住んでます。突然襲いかかってきます。*2

spit:マテヤ、ゴルァ!!

 あぁ、スピット。
 必死です。

 コウモリに殴られながらも、itaを追いかけます。


spit:イッパツナグラセロ。

 スピットとイタは敵を倒しながら、奥へと進みます。
 どうやらスピットの思った通り、イタは鍛錬にこの下水に来たようです。

 戦いながら、イタはがんがん進んでいきます。

spit:「むぅ。
 やっぱり剣士は強いねぇ。

なぐるなぐる!


ita:「スピも戦えば?
spit:「あー。


全力!

 いや、いいんだ、スピット。
 スピットはもともと、魔法使いなんだから。

spit:「しかたない。ちょっと全力だすか。

 さすがのスピットも、下水にただ、遊びに来たわけではありません。ちょっとは経験値を稼いでかないと、せっかくきた意味がありません。

spit:「いきます!

 ラグ魔導士!!


魔法さくれつ!

spit:Σ(・◇・ii

ita:「あっちは氷魔導士だ。(w



spit:ま、負けるカー!


spit:ライトニングボルト!

spit:ライトニングボルト!


spit:ライトニングボルト!!
spit:ライトニングボルト!!


とうぜん…










 ダメじゃん。*3

 そんなこんなで戦いながら下水を進むスピットたち。

 そんなおり、突然、イタが…

ita:「さて、そろそろ…

戦わないの!?
spit:;゜д゜)

 てくてくとita-uは歩いていきます。
 修行に飽きたのですか?
 いえ、デフォルトです。

spit:れっつ、チェキ!*4

 なにやら、スピットも乗り気です…



 何しに下水に来たんだか…



 そして早速…
アコさん!

 アコさん、逃げ。

 当たり前だ…怪しすぎるぞ。二人。
 めげません。

戦う商人!

spit:「こっち向いてクダサイーイ。

 なんて言ってたスピットが、その数秒後、コウモリに叩かれたのは内緒の話だ。



 でも、めげません。

戦う女マジ!
spit:「女マジ〜。(はぁと)

ita:「え〜、アコさんだよー。

 そういう問題か…?


 てくてく歩いていると…

ドッペルゲンガー!?  二台ならんだ、自販機商人。
spit:「…ふたご?

 さっき、スピの双子もいたけども…


 なんだかんだと、チェキ隊は進みます。
 もはや下水でのレベルアップなんて、忘れた話です。

 スピとイタは下水を戻りはじめました。


 そう、すべては、チェキ!のため。


 そんな中、僕は見てしまいました…

疑惑の一枚



 これ。

 イタが、ネコミミ剣士(♀)をチェキしています。

 スピットが言っています。

spit:「どもですー。

 スピットは構えていた形跡があります。

 そう…

 スピットはコウモリに囲まれていたのです!

 そして、



 ネコミミ剣士(♀)に、助けられていたのです。



 スピットは堅く心に誓っていました…

spit:「隊長には内緒にしとこう…

 斬られるから。



 ネコミミ剣士さまは、スピットに「いえいえー」と軽く言って、てくてくと歩いていきました。

 その先に、ふっと、コウモリが2匹、現れました!


spit:助けなきゃ!

戦う乙女!!


 必要ナッスィング!


spit:「た…戦う乙女はカッコいい…


 揺れる彼女の髪に、スピットはぽーっとしていました。


ita:「バカモノー!


 そんなスピットをかばって戦ってくれている、ネコミミ剣士(♂)の、ita-uなんか、彼の目には入っていません。


 spitと仲間たちは、いつもこんなです。


*1 ウィスパーという耳打ち機能(インスタントメッセンジャー機能)の他に、パーティの中でだけ会話のできる機能、パーティのメンバーが、今どこらにいるかが分かる機能などがRagnarokには用意されている。これがあれば、パーティの誰がどこにいるかは一目瞭然。
*2 アクティブモンスター。基本的にRagnarokのモンスターはプレイヤーが攻撃しない限りは襲ってこないが、中には勝手に襲いかかってくる、アクティブモンスターがいる。ここで言うコウモリ(ファミリアー)は、もっとも弱いアクティブモンスター。でも、Lv18くらいでは簡単に死ねる。
*3 スピットの、おなじみ電池切れ。
*4 チェキ。チェックすること。かわいいアコライトや、剣士、マジシャンなどを見つけ、「チェキ!」とやる。(パーティ会話で発言するので、外部には見えていない)
 lokiサーバにはVNI(バーチャルネットアイドル)のみなさんもたくさんなので、「チェキ隊」も結構、多い。