著者のくだらない解説
というか、懐古感?
2004.11
「2nd Millennium END.(以下、2nd Mill)には、脚注がないんですか?」というのは、以前から言われていた事でした。
いわゆる週刊版、全26話の方には、各話毎に脚注が付いていて、それがまた好評だったようで、「2nd Millにも脚注を!」というみなさんの声は確かに多かったのですが、2nd Millは連載時、脚注をつけてはいませんでした。
というのも、2nd Millは週刊版にケリをつけようという気持ちがまず初めにあったので、脚注のようなお遊びはやらずにいたのです。どこまでこの作品に真面目に取り組めるか、それがまず第一にあったので、極力、自らの手でその根幹を崩してしまう事をしないようにしていたのでした。
でも、話の中で、パロディがないのかというと、そうでもない…ふと、今回(2004年、第2版)の加筆修正をしていて、思いました。
「これは、あと数年か経ったら、元ネタすらわからないのでは?」
そんなわけで、そろそろ時効かな?
と言う事で、第2版リリースにあわせて、脚注っぽいものを書く事にしました。
まぁ、脚注というカタチではなく(本文に脚注をつけるというわけではなく)、加筆修正ついでに、思い出した事、元ネタなどを、順につらつらと書きつづる、今回のくだらない解説。
すでに作品を読んでくださっている方々がほとんどだと思いますので、まぁ、解体書みたいな感じで、お楽しみいただければと思います。
あと、ネタバレもあると思うので、これを先に読むのはあんまりオススメしないです。ハイ。一緒に読む分には、問題ないと思いますけど、それはちょっと器用な気がするので、ファンディスクっぽい感じでとらえてもらえればと思います。
・第1部:つーか、そもそも連載前
そう言えば、2nd Millは劇中は1999年7月なのだが、この話、企画が持ち上がったのは99年の春で、そこからいろいろと動き始めて、99年の7月から連載されるはずだったんですよ。
まぁ、実際、連載が開始されたのは、2000年の3月19日で、連載終了が、2003年の12月…
なんだかねぇ…
でも、実は構想自体は初期の頃から一貫していて、1999年の12月31日に、オデでは以下のような予告が、タイトルも何もなしにどーんと掲載されていたりもしたのでした。
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人類は歓喜した。
時に西暦、1999年。
12月31日。
1900年が、今、まさに終わろうとしていた。終末を迎えるかと言われていた時代を越え、人類は、新たな時代に踏み出そうとしていた。
街は、2000年という新しいミレニアムの到来に浮かれていた。はしゃいでいた。
そして、過ぎゆく2回目のミレニアムの終わりに、哀愁と、感慨を感じていた。
その街の喧騒から離れて──
静かな夜空。
冬の夜空に、星が輝いている。
白い息が、その空にゆっくりと溶けて、消えていった。
彼は微笑みながら、それを楽しむようにして再び息を小さく吐き出してみる。
きんと底冷えする冬の空気。息は、すぐにその澄んだ空気の中に溶けていってしまう。
澄んだ空気の向こう、深い黒色の夜空に、ひときわ強く輝く星がある。おおいぬ座のシリウスだ。全天で一番明るい、マイナス1.5等星の星。
街のネオンが、海の向こうに見える。
眺めながら、歩く。
潮の薫りが風に乗って駆け抜けていく。なつかしい臭いがする。
伸びきった草。誰も訪れない場所。
だけれど、約束の場所。
彼は、腕に巻かれた時計に視線を走らせた。OMEGA speedmaster。その赤い秒針が回っている。もうじき、その全ての針が重なり、表示に0が並ぶだろう。
「まだ、来てないか…」
世界に何百かあるうちの、たった2つの本物のひとつ。
彼はそのスピードマスターから、そっと、視線を外して呟いた。
『mission complete』。オメガのX−33をベースにして作られた、オリジナルのウォッチ。
彼はそれに視線を落として、弱く微笑む。
この時計、世界に何百かあるうちの、たった2つの本物のひとつ。ふたつの『mission complete』は同じ時間に動き始めて、今も、同じ時間をさしているはずなのに。
だから、この時に、遅刻なんか、するはずもないのに。
だけれど、
「ま、そんなモンだろうな」
彼は微笑みと共に、ため息ともつかない息を吐き出した。
もうじき、針が重なる。
それを見ようとしたわけではないけれど、彼は時計をじっと見つめていた。そして結局、なんとなく、4つある機能プッシュボタンをかちかちと押して、その表示モードを変えてしまっていたのだった。
デジタルの表示モードが変わる。TIMEモードから、グリニッジ標準時をしめすUTモード。そして、MTモードへと。
MTモード。
ミッション経過時間を表す、スピードマスターだからこそある、特別で、一番大切な機能だ。そして、その時間は、今もなお、回り続けていた。
彼女が口にした、くだらない台詞を思い出す。
そして、笑う。
針が重なろうとしていた。
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ってか、いきなりこれが出て、R‐0だとわかった人はいたのだろうか…
まぁ、誰もいなかっただろうな…
・第1部:一也の髪が茶色なこと
一也の髪が茶色というのは、かなり初期の頃からあったコンセプトで、成長している一也という部分を書く上でやりたい描写だった。あと、背が伸びたのと、長髪なこと?
この辺りは、結構よくできたと思う。
一人称の違いとかも、初めはとまどった人がいたとかいないとか…
一也の一人称の変化は、すべて意図してやっているものなので、念のため。
・第1部:教授の特別講義のシーンでオペレータをしている女の子
は、かなた。
「かなたって誰?」って人は、読み進めると出てくるので、読み進めていきましょう。
よくよく考えてみると、ちょっと時系列がおかしいような気もするが、気にしちゃいけない。
・第1部:ベルの登場シーン
「ベル、本当は何歳なの?」
…永遠の謎。
つーか、こいつ、二年で何カ国語喋る事が出来るようになったんだろうか…あー、このシーンは日本語で、同時通訳されるのですが、あとで別の言葉喋るシーンがあるのです。
実は秀才なのか…?
・第1部:香奈のシーン
香奈の髪型を変えたのも時間が経っているというのを書くため。
最も、一也ほどは生かせなかった気もする。
・第1部:一也のパステル画
週刊版でも、一也はパステルを描いていた。
水彩や油は、ほとんどやらないらしい。
・第1部:第10章72節
ノストラダムスの大予言というもの。
もともとR‐0は、1999年を舞台にして、この話でやるつもりだったような気もするのだが、今となっては記憶が曖昧。
少なくとも教授は週刊版の劇中で1999年にR‐0は完成する予定だったと言っているので、初めのコンセプトはこれだったのかも知れない。
・第1部:クリスタルパレス
指令も副指令も変わっているし、オペレーターも変わっていると明記しているところに、週刊版への決別の意志が見て取れる。好意的に解釈すれば!
・第1部:春から7月19日までのシーン
賛否両論の、回想的シーン。シーンというより、第1部は…ごにょごにょ。
2nd Millは、出来る限り週刊版で出来なかった事を丁寧にやろうというコンセプトがあったので、ドラマが動き出すまでに、まるまる1部(週刊版で言うと、1話以上なのだが)を費やしている。
これが後に、6部完結の予定を大きく狂わせ、15部完結となるのだが…それはまた別の話。
・第1部:14号館の桜の木
24話。
2nd Millは週刊版を読んでいる事が前提ではないが、週刊版を読んでいないとわからない所も多い。東京タワー、ランドマークタワー、都庁と、いろいろ。
・第1部:植村と大沢とかなた
オデのスタッフルームにあった「研究室から」という週替わり更新のフリートークコーナーに登場していた3人。R‐0のために生まれたわけではないが、R‐0にコンバートされてきた。
実在の人物に近いとか近くないとか。
・第1部:無人シャトルとそのシステム
実際、無人シャトルというのはアメリカでは成功していないが、ロシアでは旧ソ連時代に成功している技術。
この無人シャトルに使われているシステムは、劇中ではイーグルのシステム、EVR‐0となっているが、これがどこから手に入れられたのかというと、週刊版第8話。
なお、この少しあとに無人シャトルの名前が出てくるが、「チャレンジャー2」というのは、絶対に名付けられないであろうと思い、つけた。
くわえて言うが、これはパロディとして捕らえて欲しくはない。事故の詳細等についてはインターネット等で資料が手にはいるだろうから調べていただければと思うが、これをパロディとして笑う事は、爆発からの、13秒間の沈黙を笑う事に他ならない。
・第1部:ミュージアムとロボットゲーム
ミュージアムは個人的に書きたくて書いた。週刊版の事は、世界を巻き込んでの事だったはずで、資料館のようなものが出来ていてもおかしくないと思ったから。あと、R‐0はやはり兵器として捕らえられるだろうから、憲法に戦争の放棄を持つ日本としては、廃棄するだろうと思った。
ちなみにゲームというのは、言うまでもなくスパロボ。R‐0がスパロボに出たらどうなるだろうねという、スタッフ間の妄想話を書いた。ちなみにその時に出た仕様は「R‐1はツイン・テラ・ランチャーを撃ったら、数ターンは動けない」「ゴッデススリーは、当然スパロボ系」
スパロボとリアルロボが共存している作品というのは、なかなかあるまいて…
あとおまけに言うと、ゲーム番組というのは当時テレビ東京でやっていたゲーム番組。伊集院光と、川村ひかるが出ていた気がする。
・第2部:煙草の男
この時点で名前は決まっていない。
・第2部:七月二十日
劇中の天気、曜日は、すべて現実の通り。
無駄にリアルを追求している。
・第2部:スターウォーズ
エピソード1が公開されたばかり。
先行試写で見たが…うむ…旧三部作の方が、はるかに面白かったな…
・第2部:小渕沢首相
言うまでもなく、当時の首相、小渕 恵三(おぶち けいぞう、1937年6月25日 - 2000年5月14日)首相から。
連載開始時はご健在であったが、連載終了前にはお亡くなりになってしまった…首相に就任したのは、98年の7月。劇中に書いてあるように、短命内閣かと言われながら、他政権との調整をうまくこなし、「内閣の一つや二つは潰れる」とまで言われた、周辺事態法(ガイドライン法)、憲法調査会設置、国旗・国歌法、通信傍受法(盗聴法)、住民票コード付加法(国民総背番号制)などの重要法案を次々に成立させた。
「冷めたピザ」、「ボギャ貧」、「真空総理」と散々揶揄され、田中眞紀子さんには「凡人」とまで言われた。 しかし、逆に時が経つにつれてその性格が国民の心を掴み、「ブッチホン」等の流行語を生み出すまでの人気を得るに至る。
現元号、「平成」を内閣官房長長官時代に発表した人でもある。
・第2部:エネミーとOvered Human Organism
週刊版でのストーリーが一応終わっている以上、エネミーをエネミーと称するのはどうかという事で名付けられた名前。日本語では超過生体有機体。
大抵の場合、著者は英語名よりも先に日本語名を考えるので、英語名は基本的に後付だが、略してOHOというのは、なんとなく細胞組織っぽくて悪くないと思っている。
・第2部:HONDA S2000
この頃は予約で一杯で、まだ手に入らない頃だったと記憶している。
出たばかり。
…時代を感じるなァ。
・第2部:「こちらRMS」
プロビア100だったか、400だったか…もうここまで来ると、元のパロディなんかよりも、名前に悩まなくてすむという思いの方が強かったりする。元のパロディって何よって?週刊版でもやってますよ、たしか。
・第2部:旧計器で
ポリネシアを飛ぶP3‐Cの計器が旧型なのは、単純にここで発見されてもなぁと言うのが先にあったのだが、そう言えばここはフランス領だったなと、明示的に書いたもの。
無駄にリアルっぽくて、個人的にはお気に入りのシーン。
・第2部:恭子の彼氏
劇中に一度も登場しないが、すごく気になる…
み、みたい…
これも、意識して登場人物たちが変わっているぞと書いた所。あ、恭子は携帯電話持ってるシーンもあったか。
・第2部:村上 正次郎
村上総理の義理の父。
週刊版でもほとんど書かれなかった…一応、この辺りの話は、特別読み切りの「聖夜という名のいつもの夜」というクリスマス特別編で書いては、いる。
2nd Millの第2版と同時に、web上にも上げられる予定なので、是非。
劇中は1997年の12月24日。
・第2部:ニューヨークに上陸するエネミーの登場シーン
このパロディ、今となってはどれだけの人がわかるんだろうか…
ハリウッド版、ゴジラです。ええ、ええ、まんまです。
・第2部:ニューヨークに上陸するエネミーに「またこの街を襲うのか…」
ぽっくり忘れがちだが、二匹目のエネミーが上陸したのはニューヨーク。
3話の話。
・第2部:ブルックリン橋とF/A-18とサイドワインダー
ゴジラ。
見ればわかる。いや、マジで。
・第2部:スパイダーII
週刊版に登場した、米軍の対エネミー用ロボット、スパイダーの技術から、戦車の代替機として設計されたものという設定。スパイダーよりも一回りほど小さく、全長で23〜25メートル程度のサイズ。
スパイダーより量産が可能。
スパイダーIIとスパイダー2と書かれている所があるが、表記ゆれ。正式名称はどっちだったか…と思って設定資料を見たら、IIとなっていたので、IIが正式名称。確定。2は揺れ。
・第2部:「そんなの──僕の知った事じゃないですよ」
一也は戦わないというのは、初期プロットからあった事だが…
これがまた、後に大変な事になる…書く側として。
・第2部:首相官邸の中庭
第26話。
・第2部:飛行機の中のシーン「あちらの多くの国も」
これ、通じているのかさっぱりなのだが、今更感があるのでここで細かく解説しようとは思わないが、ベルの母国は、戦争してた国とは違う。20話や21話、劇場版26話などでそれなりに書いたつもりだが…エネミーに関しての部分は、R‐0ではしっかりと書けていない気がする。
・第2部:恵
渡辺 恵。復刻版で追加されたキャラクターだった気がする。詩織の中学時代からの親友。
・第2部:2体目のエネミー
1体目は先にも触れたようにゴジラ。
なので、2体目はガメラ。
いいのか…?
・第2部:ラストの電車内のシーン
このシーンは結構お気に入り。
この時点で一也はエネミーが日本に現れた事を知らない。
対比がよくできたと思う。
・第3部:ヒースロー空港の遙
遙はストーリーの途中で出てくる事はかなり初期の段階から決まっていたが、このタイミングで出る予定では、当初、なかった。とは言っても、第3部あたりで出そうとは思っていたのだが…
つまり、すでにこの段階でページ数的には、当初の予定をオーバーしまくっているのである。
遙は展開を早くするためのてこ入れの意味もあってここで登場させたのだが…この思惑は後に、多いにはずれる事になる…
・第3部:佐伯 菜美
たしか、どこか別の作品で使おうとしていたんだが、使ったんだか…な名前。
実は彼女、週刊版にも出てきているという裏設定がある。台詞だけで、名前は出てないので、小説の形態を取っているR‐0では、さっぱりわかりゃしませんが。
・第3部:二度目の初陣
2nd Millで初登場する巨大ロボットは、週刊版と同じくR・Rから──というのは、当初の予定ではなかった。制作が始まってから、「R・Rださない?」という話になって、それならば、やはり初陣はR・Rだろうと、この展開が生まれた。
しかし、R・Rって、リアルロボットなのかな…スーパーロボットなのかな…リアルなスーパーロボット?
・第3部:R・R五号機は完全間接稼働
つまり、4号機までは完全間接稼働ではない。
技術は進んだ…(いやマテ、おい)
・第3部:ガメラVSジャイアントロボ
R・R五号機のデザインコンセプト。
創くん、命令するんだ!!(違う)
・第3部:そういえば、四号機も動けましたね
連載中に、二足歩行ロボット、P2が世界的に発表されたのも、今は昔。
4号機から、この技術を使ってR・Rは歩く事が出来るように設定上はなっていたが…4号機、撃ちまくった感しか…げふんげふん…
・第3部:巨大ロボット研究家
週刊版で出したような、出さなかったような気がする、巨大ロボット研究家。
まぁ、どっちにしても、一也なら二年前に何度かテレビ出演もしているだろうから、その時に対談した事がある相手だろうと思われる。
・第4部:メガフロート
海に浮かんでいる、でっかいコンクリートの塊のようなもの。
1995年にメガフロート技術研究組合が発足された時に作られた造語。英語で書くと、Mega Float。でも、超大型浮体式構造物の事は英語でVLFS(Very Large Floating Structure)と言うので、外国ではこちらの方が通りがよい。
この年、メガフロートは海上空港としての機能を検証するため、横須賀沖にやってきた。
今は…触れてくれるな…
いろいろと可能性はあったんだけど、儲からなかったのかも知れない。
横須賀にあったやつ(過去形)は全長1000m、幅60m、最大幅121m、総高さ3m、水面下約1mだったとか。
・第4部:彼は、戦うことを拒んだ…
2nd Millは、もしも一也がこの時戦うという選択肢を取っていたら、恐らく週刊版のようなノリの作品になって、長さもこれほどまでにはならなかっただろう。
一也が戦わないという選択をするのは、週刊版で出来なかった事であり(週刊版でもそれっぽいものはあるが、丁寧にやるには制限が大きすぎた)、やりたかった事でもあるが、これにより、2nd Millは全15部というとんでもない長さになる事になる。
この後、一也は著者の思惑を完全に無視して、戦いから逃げ続ける事になり、著者は一也を戦わせるために試行錯誤を繰り広げる事になる…2nd Millは実は、一也対著者の戦いの軌跡でもあるのである。(それは大げさだ)
・第4部:ジャストフュージョン!!
ここでゴッデススリーがついに登場。
4部でやっと、準主役級ロボットが登場するロボット小説。
主役は…まだでない…
・第4部:ゴッデス・水流、ゴッデス・火砕流、ゴッデス・真風流
ゴッデススリーはスパロボ系と思われがちだが、実はこの三大必殺技以外では、スパロボ系の技を何も使っていない。キック、パンチ、ガン、ドリル、アローと、実は意外に地味技が多い。
まぁ、スパロボ系の技は絵的にはいいのだが、活字的には辛いのですよ。
・第4部:R‐1
第4部、それも後半にて、やっとこ主役メカの登場。
しかしこの登場シーン、「やっときたかー!」という感じだ。しかも、飛んでるしな!
・第4部:飛行ユニット
R‐1は週刊版でも書いているが、イーグルに対応しているわけではない(全高がR‐0よりも大きい)ので、専用輸送ヘリを使わなければ運べない。
が、それも格好悪いし、迅速に対応できないので、専用の飛行ユニットがオプションとして考えられていた。
実際、週刊版の時にこのユニットが使われる事はなかったが…
という、実際の現場と劇中のリンク話。
・第4部:一体の巨大ロボットは再び三機の戦闘機に分裂した
ゴッデススリーが、合体した後に分離するのは意外と少ない。初登場の時だけのような気がする。
ちなみに、再合体時は思い切りさくっと再合体。実は、タメはいらない…?
・第4部:メガフロートの戦いの終わり
2nd Millの初期コンセプトで、「メカは壊しまくろう」というのがあったが、R‐1をこの段階でぶっ壊すとは、スタッフすらも驚愕したと言う。
あと、後々、これが重要な伏線にもなる。
・第4部:スティーブン・ハング
第3部では一度も現れなかった男とハングが、ここで再び登場。
煙草の男の名前は未だに決まっていない──制作現場では、誰もがこの男をなんと呼んだらいいのか、首をひねるばかりになる。
・第4部:引き上げられるコックピットコア
誰が乗っているのか!?は、次回に続くというR‐0っぽい展開。
・第5部:第5部は実は…
実は、第5部は2つある。
公開されてはいない、a版というのが、実はあるのである。
この頃、様々な要因から(仕事だとか、時期的な問題だとか展開的な問題だとかから)連載速度が落ちてきて、月に1度リリースされればいい方という事になる2nd Millだが、ごっそり書き直しとなったこの第5部が、案外と、大きな要因だったのではないかと、今となっては思う。
公開された版とa版は細部がかなり違う作りなのだが、個人的にはa版よりもやはり公開版の方がよくできていると思う。
ある種、2nd Millでやりたかった事の半分は、この第5部でできたと思う。
・第5部:パイロット救出シーン
ここでいきなり急展開っぽい感じになるが、別に急展開はしない2nd Mill。
ロボットものなのか?これは。
・第5部:タイトル
ここでタイトルが入るのは、24話へのオマージュ。
正確にいうと展開はちょっと違うが、タイトルが来て、1が来て、即2が来るという展開は24話でやった事と同じような効果を狙ったもの。
・第5部:あの時、私が何を言ったか、憶えていますか?
17話。
意外と印象が薄いかも知れない話数のシーンをさっくりと持ってくる、2nd Mill。
14話と勘違いする人が多発したが、14話は違う。
・第5部:もう…あの頃みたいには
この辺りは17話から20話あたりへのオマージュ的なシーンがたくさんある。
2nd Millは意識して週刊版の台詞やシーン(場合によっては、ごっそり同じだったりもする)を使っている。
そこまでマニアックな人はいるのか知らないが…
・第5部:一也と詩織のキスシーン
7話のやり直し。
2nd Millでやりたかった事のひとつ。
・第5部:詩織が出かけるシーン
今回の第2版で追加されたシーン。
もともとシーンとしては考えていたのだが、第1版の連載時、ちょうどこの辺りは「なんとか」週刊で出していたため、ページ数とか、その他もろもろの事情によって、書ききれずに削ったシーン。つーか、この掲載原稿、数時間で書いた気がする。
詩織の行動の一貫性が、これでやっとこ…
・第5部:ベッドシーン
キスシーンはR‐0でも何回かあるし、2nd Millでは結構あるのだが、ベッドシーンはこの1回しかない。
これも2nd Millでやりたかった事のひとつ。
あまりベッドシーンというのは書かないが、それはストーリー上で必要だと思わないから書かないだけであって、2nd Millではやはり書かなければいかんとなって書いたもの。
第5部でこのシーンが出るあたり、この頃はまだ6部で終わる気でいたのかも知れないと、ちょっと思う…
・第5部:詩織が帰ってくるシーン
これも第2版のために追加されたシーン。
上にあるように、もろもろの事情で第1版ではカットされたもの。
結局、詩織は家に帰るしかなくて、家に帰るのだが──
シーンの間が2行ではなく1行なのはわざと。映像での演出であれば、こういうのも難しくないんだが、小説ではなぁ…と思うところ。
・第5部:今日、お父さん来るって
忘れられていそうな伏線を引っ張り出す第5部ラスト。
これも、2nd Millではやらなければと思っていたこと。
・第6部:病室のシーン
ここで明美が初めて2nd Millに登場する。
「いきなり病院!?」という、誰もが驚いた展開。
一応、伏線は1部で張ってあったりするが、誰も覚えちゃいない連載速度。
・第6部:昔自分たちがそうしていたのと同じように
美術室前の廊下のシーン。
17話とか、あのあたり。
・第6部:シゲさんが入院した時のこと
22話。
事故った時の話。
・第6部:先輩、全然わかってない
このシーン、劇場版26話の流れ。
2nd Millは劇場版26話の流れが前提で、19話の後編は、その2(戦わない方)の流れがメインになっている。週刊版で19話って、どっちが先に公開されたか、イマイチ記憶があいまい。
・第6部:彼と彼女の記憶
23話、24話。
2nd Millは本当に週刊版を読んでないと、話が通じないな。まぁ、説明ないしな。
・第6部:誰かのこと、好きって、愛しているって
23話の逆。
これも2nd Millでやりたかった事のひとつ。
このあたり、週刊版の台詞やらなんやらが飛び交う。この次の教授と明美のシーンは20話とか、23話とかだし…
第2版では詩織のカットシーンが復活しているので、この辺りの詩織の台詞は、いろいろと勘ぐれる。あれ?ヒロイン誰だっけ?R‐0って。
・第6部:私は、あなたの妻です
これも明美に言わせたかった台詞。
週刊版で、「明美くん、君は僕のなんだい?」「助教授です」という奴を結構やっていたので、それに対して。
実はこの台詞のやりとり、週刊版でもよく見ると後半に向かって変わっていくのだが…気づいていた人はいるのだろうか…
・第6部:ラストシーン
いうまでもなく、劇場版26話。
第6部まできて、2nd Millがついに仕切直された瞬間。6部完結を諦め、行けるところまで行くと決めた所。
なお、何気なく出てくるが、コックピットは薄膜ディスプレイとか、先端技術満載に変わっていたりする。あと、「Good luck──Peacemakers」の台詞は、伏線として処理するつもりでいた。新しいNecの名称か、どちらかの新型機の名称にしようと思っていたのだが、劇中で語られる事はなかった。
と言うより、Peacemakerと新型を名付けたら、「ゼロかよ!?」という話になってしまう。まぁ、それはそれでR‐0っぽいが、主役機にそれはあんまりなのでやめた。
・第7部:912Km/hour
わずかにマッハには届かない。
「そんなに出るのか?」とメカデザインにいわれた時速。出してくれ。たのむ。1000は出なくてもいいんだ…
・第7部:ノートパソコンのCD-ROMドライブ
そう言えば、週刊版では、MOとか出てたな…変わったモンだ。
なにげにファイル、PDFだし。
・第7部:迫る槍と近づくR‐IIに、音速を越えた空間を
多くの人が勘違いしているのだが、R‐IIは音速を超えていない。
この描写、非常にわかりづらいのだが、相対速度の話なのである。つまり、R‐IIと槍との関係が、音速を超えているのであって、それぞれが音速を超えているわけではない。
・第7部:全高と、重量だけですよ。半分以下になっているのは
R‐0の全高が38メートルで、R‐1がたしか48メートル。
この少し後に出るが、R‐IIの全高は、なんと20メートルしかないので、三体並ぶと、とんでもない事になる。
ちなみに20メートルは言うまでもなく、初代ガンダムの全高。「ジェネレーター出力」云々の台詞もそれ。
てか、何故こんなにメカの身長差がこの作品にはあるのかというと、普通に考えたら、巨大ロボットの大きさが似たり寄ったりの方がおかしいだろ、という著者の考えに基づく。
そもそも週刊版の時にも書いたが、エネミーの大きさなど、R‐0を作っていた段階でわかるわけがないので、ジャイアント馬場と一般人くらいの差があったし、R‐1は対エネミー用に作られたので、サイズがエネミーに合わせてあるものの、ゴッデススリーなんか57メートルもあったりする。(コンバトラーだから)
ちなみに、この作品で最低の全高を持つのは、R・R1号機で、わずか18メートル。言うまでもなく、ロケットパンチを撃つので、この全高になっている。(スパイダーIIは除外)
玩具業界に優しくない作品。
1/144ですべてのメカをプラモデル化すると、R‐IIあたりはいいサイズになるが、ゴッデススリーは30cmを越える…スパイダーIIなら、6cm程度…うわ。
つーか、主役メカでも1とIIで20センチも差があるんですけどね!!
・第7部:近視感──デジャ・ヴじゃない
19話の後編その2の流れ。
先にも書いたが、2nd Millはこちらの流れの方を採用している。
・第7部:あの時──後悔なんかしてない
小沢と村上のシーン。あの時というのは、23話のこと。
・第7部:「──またかよ」
これも書き込みが足りていないのだけれど、一也は22話の時の事を、夢に見る事があるという話。(後でまた書かれるが)
2nd Millでは一也が薬を飲むシーンが何度かあるが、その中のあるシーンで、この夢の後だという設定になっているシーンは、この前にちゃんと出ていたりする。
もっとも、ちゃんと書いていないから、わからないかも知れないが。
・第7部:吉田拓也
一也と香奈の父親。
週刊版では台詞のみの登場だったが、2nd Millではしっかり登場。
週刊版で書けなかった事なので、2nd Millでは書きたかった事のひとつ。
・第7部:「以前も、こんな話をしたことが、あったな」
19話。
ここまで思い出せば、一也は先の遙の台詞も思い出しているのだろうか…それは想像にお任せする。
・第7部:「石野さん…」
大空の台詞も25話から。まぁ、これはR‐0の中でも結構印象に残っている台詞だろうから、特別、取り上げるまでもないかもだけど。
・第7部:ミュージアムの一也と詩織
ミュージアムで一也と詩織が会うというのは、結構やりたかった事のひとつ。
一也と遙がハンガーにいるシーンというのは簡単に想像できるが、一也と詩織がハンガーにいるシーンというのは、まずないので、対比として。
ちなみに、このシーンのこれを書いているタイミングで「あー、詩織のカットしたシーンは、第2版で復刻させるべきだな」と思い立って、戻して直しを行った。
ついでにこのシーン、台詞が第1版とかなり違う。
・第8部:オープニングのハンガーのシーン
ここも第2版では、少し台詞が変わっているが、基本は6部のシーンと同じ。
一応の、ふたりの結末が書かれる所。このシーンを書いた時は、これでいいと思ったものだが…詳しくは後述。
・第8部:私、もう、よくわからなくなって──何もかも。
この詩織の台詞、自分で言うのもなんだが、なんだかよくわからない。
唯一わかるのは、なんだかよくわからないという事がよくわかるという所だが、ちょろっと直すくらいで、ごっそりと直す気がまったく起きないところを見ると、案外、気に入っているようだ。
・第8部:男とのやりとり
かなり第2版で修正。
第1版では、男の貫通行動が弱かったので。
ちなみに第1版時、この段階でも男の名前は決まっていなかった…
・第8部:ホテルの一也と父のシーン
ぶちっと第8部では、このシーン、ぶった切られる。
演出──ではなく、ページが辛い状況だったのと、第1版の連載時はまだ何も考えていなかったので先送りにしたという、とんでもない展開である。
これは、よい子のみんなとお兄さんとの、秘密だぞー。
・第8部:一也と遙のハンガーのシーン
1ページを越える、台詞なしのシーン。戦闘でもないのに、1ページ、描写のみ!R‐0においては、とてつもなく珍しい。
一也と遙のすれ違いが、このシーンのメインなんだが──映像だったらもっとわかりやすいのに!
そしてこのシーンのラスト。
遙がついに──!?
2nd Millでやらなければと思っていたこと。
あと、一也が見る夢についても、ここでもう一回語られている。
・第8部:『逃げちゃダメだ』
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…
と、連載時の自分が、自分に言い聞かすために書いた台詞。
っていうか、ここでこう来るとは。誰もが、ちょっと笑った瞬間。
・第8部:一也が煙草を吸うシーン
明確に書いてはいないが、小沢の差し出した煙草に一也は火をつけるシーンがある。
これも、2nd Millでやろうとしていた事のひとつ。
別に煙草が大人の象徴だとは思わないし、悪の象徴だとも思わないけれど、一也に吸わせるというタブーを、ここで破ってみた。
・第8部:ラストシーン
8部のラストはいろんな意味でテンパっていて、練り込みが甘い。
というより、最後の部分、なんかいいわけがましい。っていうか、いいわけだろ、コレ。
と、言うわけでこの後、「こんなん、許されるかー!!」とがりがりと書いていく事になり、全15部という長さになる。
今となっては、カットしてもいいかなと思うシーンだが、せっかくなので残しておく。
「長い一日が、終わろうとしていた。」
という一文は、目頭が熱くなる…5部の終わりから、6、7、8部まで、劇中では実は1日…実時間では、3ヶ月以上の月日が流れている…
ああぁ、今思い出しても涙が!?
・第9部:オープニング
今、第2版の直しをしていて思ったのだが、第8部とやけに文体が違う。
気になって調べてみたが、別段、何か8部と9部の間にあったわけではないような…この頃、オデは4周年だったらしい。4周年記念作のキャンパスとかをやっていた頃かな?あー、あと、オデじゃない方で、書いていた気もする。
ともかく、少し文体がぶれている気がする…
・第9部:「…Smoker?」
一也が呟く台詞。
煙草の男の名前が決まった瞬間。もともと、スタッフ間でストーリーについての意見を交換していた時に、この男をこの名でスタッフの一人が呼んだ事から名付けられた。
言うまでもなく、X-FILE。
・第9部:君が携帯を購入した時から知っているよ
週刊版では、一也は携帯電話を持っていない。ポケベルだ。
時代を感じるなァ…
・第9部:Smorkerとのやりとり
ここ、第1版とは、少し変わった。
Smorkerの行動理念が少し変わっているので。
・第9部:大島で採取された、新型エネミーの体細胞分析結果
植村がデータを持っているのは、ここでも書かれているが、第1部でハックをしているシーンから。
つーか、こんな伏線、みんな忘れてる!?
・第9部:ナノマシン
ナノメートル単位の、極小の機械。って、そんなのをいちいち解説する必要があるのか。
ベクターというのは、遺伝子等の運び屋のこと。第7部でシゲが軽く説明している。
今回のエネミーは、「動物細胞に変異核を移植してホメオボックスを作動させるやり方はエネミーのそれと同じだけれど、そのトリガーを引く、ベクターが違う」とのこと。
ホメオボックスというのは、ホメオティック遺伝子という遺伝子の中にある、相同性の強いDNA塩基配列のこと。生物の進化等の記録が入っているとされる。
このホメオティック遺伝子に異常をきたすと、通常ではあり得ないような生物形状を取る事が実験でわかっている。有名な所では、ショウジョウバエで、触角の代わりに、脚が生えてしまった「アンテナペディア変異体」がある。
なんか古くさい言い回しのような気もするし、耳に付きやすいという意味で言えば、今風にいうと(第2版時)ゲノムの方がそれっぽい響きがあるが、ゲノム(genome)というのは正しくは「ある生物をその生物足らしめるのに必須な遺伝情報」であり、ちょっと違う。
・第9部:ホテルのロビーのシーン
先に「一也と父のシーンは、結末を考えてなかったので書かなかった」というような話を書いたが、ここでそのシーンの結末を挿入。
一也と父の喧嘩というか、衝突のシーンは2nd Millで書こうと思っていた事のひとつで、ここで明示的に一也が父より力が強いという事をやっておきたかった。子は親を越えていくものっていう感じ。
叩かれる所は、詩織のシーンでも同じような事をやってますが、あれとこれは、全然違う。と、思ってるけど、そんなの、通じているのかどうかはわからない。
この後に続くSmorkerのシーンは、少し変わっております。
・第9部:イーグル2発進のシーン
ここも少し変わっている。
遙の「やるしかないんでしょ?」の台詞は、第2版で追加されたもの。文の前後や、展開などを少し変更していたら、うまい具合にはまってしまったので追加した。
イーグル2は、イーグル同様、自走で発進しない。滑走路までは誘導され、そこから飛び立つように描写している。いや、ヒコーキって、そうやって飛ぶモンだろうという偏見。本当は、イーグルはVTOLも出来るから、滑走路すら、いらないんだけどな…(2は出来ないが)
この辺りも映像でみたいなぁと言うシーン。
・第9部:車の中のシーン
ハングと一也が話すシーンは、第2版で追加されたもの。
この辺りも、第1版では曖昧だったので。
ハングと一也が話すのは、第1版ではラストの方までなかったからなぁ…
後で出てくるが、遙とハングのシーンも、これでかなり締まったと思う。
・第9部:「私、なんとなく、わかるから」
ベルの台詞。
22話。22話のタイトルは「破滅への序曲」というタイトルが付いているが、この回のタイトルは候補として「それが涙」というタイトルの候補もあった。まぁ、それだとかなりパロディ色が強くなってしまう気がしたので、やめたという経緯がある。
・第9部:病室の一也と遙のシーン。
第8部のラストシーン。
8部のラストがテンパっていたような気がするので、ここで補完。
8部のラストシーンは、このシーンの次と考えても、面白いかもしれない。
話が通じなくなるけど。
・第10部:オープニング
R‐IIの挿入シーンが頭にある理由は、今となってはまったく思い出せない…何故ここにあるんだろうか…
ちなみに、Smokerのシーンは少し変わっています。
ところで、第10部はラストに向けての、2nd Millの総決算という意味合いが強いです。
4部とか、6部くらいで終わる予定だったけれど、終わらなかった2nd Mill。総集編的な意味合いと、ラストに向けて、山積みの問題の整理。
個人的には、10部は結構、よくできた回だと思う。
・第10部:イーグル2のエンジン
劇中でも触れているように、イーグル2のエンジンはサイクルバーナージェットエンジンとラムジェットのハイブリッド。
サイクルバーナージェットエンジンというのがどのような物だったか、それとも設定だったのか失念してしまったのだが、アフターバーナーのようなものだろうと思う。(メカデザインに聞けばいいじゃないかという話もある)
ただ、アフターバーナーとは正式にはGE社という会社のターボジェットエンジンに装備されているものを指し、この装置の用語としてはオーギュメンター(augmentor:推力増強装置)という言葉を用いるのが正しいので、そのあたりの事もあったのかも知れない。機構的には同じような物だと思う…でないと、ラムジェットだけじゃ、離陸出来ないじゃないか!!
ラムジェットエンジンというのは、超音速の空気流をインテイクで亜音速まで減速し、そこに燃料を噴きつけて燃焼させ、推力を得るエンジンのこと。
マッハ3以上の超音速飛行に向く…
音速以下では作動しない…
つまり、イーグル2はマッハ3以上で飛べるという事になる。
この一文でそこまで読める人はいるのかどうかは、また別の話。
・第10部:『告発』
映画。1995年の、アメリカの作品。正式タイトルはMurder in the First 。
全米一の悪名を持つ、アルカトラズ刑務所を閉鎖に追い込んだ、一人の囚人と彼を支えた若き弁護士の友情を描いた作品。と、よく書かれているが、別に友情物じゃないぞ?と思う、なかなか深い作品。
ちなみに実話。
かなりの名作。
ここで小沢にふとこんな事を言わせたりするのは、第25話のタイトルと同じような演出意図。
『告発』は、監督、マーク・ロッコ。脚本、ダン・ゴードン。
出演は、クリスチャン・スレイターとか、ケヴィン・ベーコンとか、ゲイリー・オールドマンとか。
オススメ作。
・第10部:「あなたが、私を知るはずはないですね」
24話。
ここで初めて、新旧のBSSに関わった人間が出会う。
ちなみに、この出来事自体は、初期プロットにはなかった。
・第10部:「今はまだ答えられない」
5話キター!?
と、この台詞だけで気づいた読者ははたしてどれだけいるのかは、謎。っていうか、多分、ほとんどみんな忘れてる。
・第10部:小沢くんと一緒に酒をかわした
劇場版26話。
・第10部:アインシュタインと特殊相対性理論
第1版では、質量保存の法則をアインシュタインが提唱したとような書き方をしていて誤解を招いたのだが、正確には、質量保存の法則はフランスの科学者、アントワーヌ・ラヴォアジエが元素の概念と共に提唱した化学における保存則のこと。
そもそも、アインシュタインの導いた式で有名なE=mC^2は、その式からわかるように、質量はエネルギーに変換できるので、系の中で質量は一定ではない。
・第10部:57年にはパグウォッシュで
アインシュタインの生涯についての話だが、アインシュタインはご存じのようにユダヤ人で、ドイツの生まれ。
そんなわけで、ユダヤ人であったアインシュタインは、ナチスドイツの台頭によって迫害を受け、アメリカに亡命する。そしてその翌年、新設されたプリンストン高等学術研究所に教授職を得ることになる。
んで、時代は大戦。
ドイツの原子爆弾開発を恐れたアインシュタインは、ロバート・オッペンハイマーの勧めにより、当時のアメリカ大統領、フランクリン・ルーズベルトに、原子爆弾の開発を促す書簡に署名をする。これを契機に核爆弾を開発する国家プロジェクト「マンハッタン計画」が始まることになり…ご存じのように、歴史上戦争で使われた、ただ2回の原子爆弾を生み出すことになる。(アインシュタイン自身は原爆の開発に携わっていないと言われている)
湯川秀樹という人は、名前からわかるように、日本人。
そして、日本人で初めてノーベル賞を受賞した人。受賞した内容は、「原子核を構成する陽子と中性子を結びつける核力を媒介する中間子理論」。
劇中の小沢の台詞、「1953年に、プリンストン研究所で」のくだりは、参考にした資料にそんな話があったので使っているのだが、湯川秀樹がプリンストン研究所の客員教授になったのは1948年。(ちなみにノーベル物理学賞を受賞したのは1949年)
1953年は湯川秀樹が京都大学基礎物理学研究所の初代所長になった年なので、別れの時の話なのかもしれないと、勝手に想像したりもできる。
「57年にはパグウォッシュで」というのは、パクウォッシュ会議の事。
パクウォッシュ会議というのは、ラッセル=アインシュタイン宣言という宣言を受けて開催される事になった平和会議のこと。
ラッセル=アインシュタイン宣言というのは、イギリスの哲学者バートランド・ラッセルとアインシュタインとが中心となり、1955年にノーベル賞を受賞した、当時の第一級の科学者らによって出された核兵器廃絶・科学技術の平和利用を訴えた宣言文。
湯川秀樹はこの宣言に署名にしている。
なお、これが発表された3ヶ月ほど前に、アインシュタインはすでに没しており、アインシュタインが我々人類に放った遺言状とも言われている。
っていうか、第1版では脚注がまったくなかったわけだが、このわずか数十行の小沢の台詞の中に書かれている事を理解した人は、どれほどいたのだろうか…脚注を起こすと、本文より脚注の方がなげぇぞ?
まぁ、でも劇中でも書いてあるように、わからなくてもいいやって感じなんですけどね。
・第10部:香奈と石野のシーン
前の小沢とベルのシーンを受けての、香奈と石野のシーン。
小沢とベルのシーンの脚注をかなりがっつりと書いたので、このシーンはここで初めて意味が通じるようになったかも知れないと、ちょっと思う。
2nd Millのテーマ的なトコ。
・第10部:二年前の悲劇
この脚注を書いているのは、2004年なのだが、2004年の今だからこそ、書きたいと思う台詞があるのだが、劇中は1999年なので書けないでいる台詞がある。
その台詞というのは、「自由の燃える温度」についての台詞なのだが、さすがに、2nd Millでその事を書くのはずるい気がするので、あえて書かない。その温度は摂氏にして、488.333..度。華氏にして911。
ちなみに、「華氏911」というあの映画、元々は「華氏451度(英題:Fahrenheit 451)」というレイ・ブラッドベリのSF小説をパロったもの。映画化もされている。向こうじゃちょっとした問題にもなったりした。ちなみに451は「この本の燃える温度」だそうで、摂氏にして232.777..度。
・第10部:遙の過去シーンの挿入
第1版にはなかったシーン。第2版で追加された。
もともと、ニューヨークでのエネミーの事は週刊版でも書いていて、「80%を焦土と化して」のような台詞もあった。けれど、3話でのこの戦いのシーンはどちらかというと、お遊びシーンだったため、これほどの緊迫感を与えるものではなかった。
4話で遙が日本に戻ってきて、本作にも登場するのだが、実際に連載時、ここまで考えて書いていたかというと、考えて書いてはいなかった。
連載を続けるうちに「遙はどうして日本に帰ってきたのだろう」という部分を考えていくうちに作られていった設定。
なお、このシーン。第1版時には確実に書ける物ではなかっただろう。
その理由については、この上の所で書いたとおり。
あと、このシーン、お墓のシーンだと言うのは読み解けばわかると思うけれど、プロテスタントの(牧師と書いてあるから)お葬式に関しての詳しい所(特に海外の)を知らないので、ちょっとおかしいかも知れない。
これは告別式的なものなのか、埋骨式的なものなのか…花を置くって事は、告別式的なものなのか…?
・第10部:スティーブと遙のシーン
第2版では、かなり修正されている。
元のカタチが、さっぱりわからないくらいの変更。このシーン、第1版ではあんまりいいシーンでもなかったしなー。
・第10部:教授と拓也のシーン
一也の父親は、出てきたはいいが、ぽいっと投げ捨てられていた気がするので、ここでフォロー。
一応、遙のシーンとの対比なのだが、弱いか。
あと、拓也は小沢に言われてこの場所に来たというような会話を追加している。前の拓也のシーンの後の消息を書いていなかったので、ここでフォロー。
・第10部:一也が続けた言葉が、自分の聞いた答えの言葉と同じで
第8部。一也と詩織の、ミュージアムのシーンの台詞。
つまり、ミュージアムのシーンのやり直し。
8部の段階で、「これでいいかな」と思ったけれど、「よくないわ!」と思って、仕切直し。週刊版では曖昧な結果となってしまった二人の関係に、2nd Millはちゃんと答えを出したかった。
・第10部:ラストシーン
このラストシーンの描写は、5話の描写をところどころ、そのまま使っている。
気づいた人はマニア。
一応の区切りがこれでついた──ように見せかけて、11部に続く。
・第11部:三体目
これもぽっくり忘れられている気がするが、第1部で確認されたエネミーの数は三体。
一体はウェーブコースを外れて、衛星軌道に戻っていた。
ラストが見えてきたところ。
・第11部:シャトル事故
ここで、五月のシャトル事故の伏線が処理される。
まぁ、こんなの書かなくても、もうわかっていた話ではある。
・第11部:村上さんの、あの最後の演説
26話の演説。
週刊版のテーマ。
・第11部:相手は、木星探査機カッシーニ
突然出てきたリアルな出来事。一応、伏線としてカッシーニの名前だけは出ている。
カッシーニ自体の打ち上げは1997/10/15日だったが、カッシーニは金星の探索を終えた後、木星に向かうため、1999年8月15日、地球の重力を使って再加速するために再接近した。
20億人もの致死量に相当するプルトニウムというのは、実は演出上の誇大表現で、プルトニウムそれ自体が有毒であり、それが人体に入った場合、カッシーニに積まれていたその量は20億人分もの致死量だったという話。
細かくは劇中でも語られている。
・第11部:お台場
2nd Millでも、お台場に行く。
横浜とお台場は、何故かR‐0にたびたび取り上げられる場所だが、何故そうなのかは、よくわからない。著者が単純によく知っているから…とも考えられるが、実はお台場はR‐0の週刊版の連載が終わってから初めて取材に言ったというくらいの認知度だったりもする。
97年のお台場と、99年のお台場の地図は、未だにR‐0の設定資料の中に入っている。
・第11部:ちゃんと聞くから
一也と詩織の結末、その3。
今度こそ、本気で決着をつける!と思って詩織に言わせた台詞。長かった…本当にここまでたどり着くのに、長かった…
読者のみなさんが望む結末であったかどうかは、また別の話で、今までの感じのバランスがよかったのにっていう声もあったけれど、R‐0と言う作品を終わらせるためには、避けて通れない道だと思った。
あと、せめて、喧嘩別れみたいな、悲しすぎる別れにだけはしたくなかった。それはたぶん、詩織の勇気みたいなモンが、ここまででうまく書けていたから実現したのかなぁとも思う。
・第11部:あなたがほしい言葉、私もかけてあげるから
詩織はほんっと、いい子だよなぁと思う台詞。ポイントは、言うまでもなく「も」。
26話、そして第6部をそのまんま。
一也が極悪人に思えるシーン。
・第11部:旧Nec本部前で寝ころぶ二人
何故か、寝ころんで話すというシーンは、個人的によく書く気がする。まぁ、このシーンは後に続くシーンのために寝ころぶのだけれど、考えてみれば、劇場版26話の土手のシーンも寝ころんで話していた。
どうやら、二人にはこのイメージが強いらしい。
・第11部:OMEGA speedmaster
この脚注を読んだ人は「あっ」と思う所だが、そう。ここで初めて、この脚注の最初にあった予告の時計が出てくる。
OMEGA speedmasterは劇中でも語られているように、NASAが正式採用している時計。speedmasterシリーズは歴代のアポロ計画でも使われていた。よって、このX‐33より前のspeedmasterは「ムーンウォッチ」と呼ばれ、X‐33は劇中でも言われているように「マースウォッチ」と呼ばれている。
遙の「んなら、なおさら私たちにぴったりじゃん」と言う台詞は、実は深くて、前出のカッシーニとも繋がるし、もっと前に書いた、ノストラダムスの予言にも繋がっている。
第10章72節、「L'an mil neuf cens nonante neuf sept mois Du ciel viendra vn grand Roy d'effrayeur Resusciter le grand Roy d'Angolmois. Avant apres Mars regner par bon heur」これは、訳すと、「1999年7の月、天から恐怖の大王が到来し、アングルモアの大王を蘇らせ、その前後、火星が幸いの時によって支配する」と言う訳になる。
なかなか、深読みが出来る台詞である。
・第11部:「一也、ARMAGEDDONって、信じる?」「映画は見た」
映画を見た人には言うまでもないが、これ以降のシーンは劇中でも触れているように、映画『ARMAGEDDON(1998.米)』の主人公たちが宇宙に飛び出す前、最後の休暇での、ベン・アフレック(役名、AJ)とリブ・タイラー(役名、グレース)のシーン、そのまんま。
ぶっちゃけ、コレがやりたくてこのシーンは夕方にしたし、二人を寝ころばせたし、クッキー出したし、一也は英語がしゃべれる事にしました!
マジ!!(やりすぎ)
通はここで、AEROSMITHの『I DON'T WANT TO MISS A THING』を聞きながら読む。(かなりやりすぎ)
英文を訳したバージョンは、下。ただし、映画の字幕とか吹き替えを参考にしているわけではないので、細かい所は違うかも知れないのはご愛敬。
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「ね」
沈む夕陽とその風景。
潮騒と、流れていく風に揺れる草の音に紛れるように、遙はぽつりと呟いた。
「一也、ARMAGEDDONって、信じる?」
「映画は見た」
「違うでしょ」
「まぁ、ね」
「んでも、あの映画の人たちも、こんな気持ちだったのかな?」
「人類は今、未曾有の危機に直面しているって?」
「そう」
少し、笑う。
だから、一也は少し笑ったまま、そこにあったクッキーを手に取った。遙は軽く笑う。「違うでしょ」「違うけどね」
そして、そっと寝そべる遙の隣へと寄り添って、言った。「あのさ、今、俺が何を考えてるか、わかる?」
「何?」
軽く、笑う。
「えっと…」
少し思い出すようにして、一也は手の中のクッキーを見せながら、続けた。
「アニマルクラッカーは、やっぱり、クラッカーとは認められないんじゃないかな?」
「どうして?」
「いや…だって、甘いだろ?って事は、俺に言わせれば、それはクッキーだよ。それに、クラッカーっていうのは、チーズか何かを乗せるっていうのが、クラッカーの特徴みたいなもんだろ。だからなんて言うか…その…」
「ねぇ…」
そっと、遙もまた、目を細めて笑う。
「それは、とても素敵な口説き文句ね」
だから、思わず一也は吹き出した。「ダメ、限界」「なによー」不機嫌そうに、遙。
「私がリブ・タイラーじゃ、フマンなわけ?」
「俺は、ベン・アフレック?」
「あ、それはミスキャストか…」
「なんでだよ」
笑って、一也は手にしていたクッキーを口の中に放り込もうとしたけれど、その手を遙がそっと押さえた。
「まだ、このシーンは終わってないでしょ、AJ?」
自分の腕の下、草むらの上に寝そべったまま悪戯っぽく笑う遙に、一也はどきっとする風に目を丸くして、「…グレース?」
聞こえない風に、遙は目を伏せると、押さえた一也の手を、そっと自分の身体に触れさせた。そして、少し舌足らずな早口に、言った。
「アニマルクラッカー探訪の番組があってね。ガゼルが一匹、広い平原で草を食べているの」
ゆっくりと目を開ける。悪戯っぽく微笑んだまま、一也の手を押さえた自分の手の近くへ、もう片方の手をそっと寄せていく。手の中には、缶の中から取りだしたクッキーがひとつ。
「と、そこに、近づいてくるチーター。獲物を見つけて、こっそり…」
両手をそっとそえて、
「気づいたガゼルは、固まってしまった」
まっすぐに見つめたままで、一也に向かって笑いかける。きっとこのシーンのことを一也も知っているとわかって、静かに、つかんだ一也の手を胸の方へと引き上げながら。
「北に顔を向ければ、そこにはふたつのとがった山が見える」
そして、やっぱりその先の台詞を知っていて、思わず目をそらす一也に、遙は笑いながら台詞通りに一也の手をゆっくりと下げさせた。お腹を通って、ゆっくりと、下へ。
「南に向かうもよし」
遙は悪戯っぽく、笑う。
「ガゼルは今、男なら誰しもが直面する、最大の危機に挑む。北か、それとも南か?」
だけれどそこまでで、遙は真っ直ぐに一也を見つめたまま、台詞を止めた。
そしてそっと、両手を握りしめた。
一也は返すように遙を見つめ、そして、少しだけ握りしめられた手に力をいれて握り返して、
「以上…」
口許を軽く笑わせて、言った。
「来週をお楽しみに…」
映画と同じ台詞を吐き、手を握り返してくるだけの一也に、遙も微笑みながら同じ台詞で返した。
「ねぇ…今この瞬間、これと同じ事をやっている人が、世界中に他にいるなんてこと、あると思う?」
水平線の向こうに沈む夕陽の色。
かすかな潮の香りと聞こえてくる潮騒の音。
その中、一也は静かに、だけれどしっかりと、言った。
「そう願いたいね」
「じゃなければ、俺たちは、一体何を救おうとしているんだ?」
==========================================
・第12部:やっぱし、夏は花火やらないと、おわんないじゃん
言うまでもなく、20話。
遙と睦美の鼻歌も同じだし、続く植村とかなたのシーンは、教授と明美さんのシーンと同じ。
・第12部:病院のシーン
R‐1のパイロットの安否を書いていなかったので、ここでしっかりと書く。
シーン的には、25話。
「今度は、昔みたく、ハデに遅刻するんじゃねぇぞ?」は、26話。
・第12部:線香花火のシーン
R‐0を代表するシーンだと個人的に思う、20話の線香花火のシーンをここで再現。
基本的な流れは同じだが、20話でやった時は台詞が少ないというタイプだったが、今回は台詞が多いというタイプ。それぞれの心情が微妙に変化している所を、対比で描いてみた。
・第12部:本部襲撃
8話でもやったなぁ…
・第12部:執務室の村上と小沢と小渕沢
今回のエネミーの件は、報道されてはちょっと困るというのが、制作者サイドの考えだった。今回のこの件は、公にはせずに、すべて歴史の裏で起こった出来事として、ストーリーを進行させたかった。
と言うのも、あんまりに風呂敷を広げすぎると、収集がつかなくなるような気がしたというのもあるし、さすがにこんな報道は、国として認められないだろうという考え。
初期プロットにあったシーンではないが、なかなかよくできたと思う。
・第12部:片桐が気づいた男
うーん、役者が揃ってきたって感じだな。
・第13部:ハンガーに現れるスティーブ
このシーン、第1版では一也とスティーブは話した事がないので初対面というシーンだったが、第2版では修正されたシーンで、会話だけはしていることになった。
・第13部:「4WDで!?」
4WDでドリフトをする小沢のテクニックはどれほどのものなのか…まぁ、失敗するんだが…
週刊版でも、無茶な事をしていた気がするが…
・第13部:「あんた、バカ?」
ちゃんと言わせた2nd Mill。
この台詞は、やっぱりR‐0的には、なければいけない台詞だろう。
しかしシゲ、今回も重傷キャラか…
・第13部:香奈が立つシーン
すまん、シゲ。
やっぱ脇役だったわ、お前…
・第13部:「誰にも、消せない過去を誇りに変えて、今を生きてほしいから」
香奈の台詞。
2nd Millで書きたかったことのメインテーマ。
正義が云々と劇中ではかなり書かれるが、最終的に2nd Millで書きたかったテーマはこれ。
香奈の長い台詞は2nd Millの劇中で起こったすべての事の総括でもある。
・第13部:2nd Millennium END.
英語として正しいかどうかはともかく、この全15部のR‐0のサブタイトル。
スティーブの台詞として、この一回だけ、本編に登場する言葉。
二回目の千年期の終わりと言う意味。
スティーブの台詞は「この二回目の千年期の終わりに、答えを出してくれないか?」という意味。
英語にしたのは演出上の意図で、この台詞は上の台詞に対する結び。
つまりそう言うこと。
・第13部:「あー、俺の一番のシーンが、台無しだし…もうダメかも、俺…」
シゲ。相変わらず、損な役回り。
がんばれ、シゲ!!
R‐0的には損な役回りだけと、普通のストーリー的には、主役クラスだぞ!!
まぁ、前のシーンも香奈に食われてたけど。
・第14部:「科学的かつ、最も合理的!まさに究極!!」
FAR‐一+二は、ホバーで移動する。
これは設定段階で作られたもので、メカデザインの案。常識的に考えて、巨大ロボットが走るというのは、少々現実的な移動方法ではない。(揺れるし、衝撃の問題もあるので)
劇中では春日井がこの台詞を言うように、比較的現実的な科学者である春日井の案という事になっている。
後に続く、「何トンあるんだよ!?」に対しては、「さすがはセンセイと言ったところか…」という、すっごい逃げ道で回避しているが。
・第14部:「ビームバズーカだと!?」
Rシリーズのバズーカは実弾バズーカ。
・第14部:335発のミサイル
ミサイル全弾発射!!
ミサイル萌えにはたまらん快感だ。
・第14部:「百式!?」
金色一色、しかもその名はR‐三。
何でもありですよ?R‐0は。
しかし、アーマードはいいな。アーマードは。こういう演出が楽しすぎだ。
つか、アーマードと言うか、フルアーマーと言うかで、世代の別れる所なのか。
ついでに言っておくとFAR‐一+二は「ふぁー・いち・たす・に」ではなく、「ふぁー・わん・ぷらす・つー」と読む。公式設定を公開していないので、読めなくても別に何ら問題はないが、R‐1とR‐IIよりもはるかに上という意味合い。そしてR‐三は、「さーど」でも「あーる・すりー」でもいいが、実は「あーる・さん」と読むのが正しい。ちょっと馬鹿っぽい響きだけれど。
・第14部:R‐三とBSS
劇中でも語られるように、R‐三のシステムはBSS。
R‐三は近接戦闘型で、重火器類があまりない。(FARの時は別の話)
あと、劇中ではまったく語られていないが、石野のBSSと香奈のBSSは、実は仕様が少し違うという設定になっている。石野のBSSは、脳波のピックアップに直接信管を使用しないので、手術しない。
・第14部:ガガーリン
ユーリ・ガガーリン(1934年3月9日 - 1968年3月27日)。
ソ連の宇宙飛行士。人類で初めて宇宙飛行を成し遂げた人。
実はこの話には裏話があって、有名なガガーリンの台詞、「地球は青かった」は過去形になっている事からもわかるように、地球に戻ってきてからガガーリンが手記の中で残した言葉。
失敗したら恥ずかしいぞと思っていた当時のソ連は、ガガーリンが有人宇宙飛行を終えて、無事に生還したのを確認してから、あたかもリアルタイムであるかのごとく、この報道をしたのである。
マメ知識。
・第14部:有人宇宙飛行は、ソ連とアメリカしか成功してなかったんじゃないっけ…
劇中は1999年なのでこの通りだが、第1版が出された時には、すでに中国が成功していた。
という、マニアックなネタ。わかるかー!!
・第14部:BSS system released.
マニアックな突っ込みだが、第14部で一回、BSS system released.してないか?
止めたのか?え?オイ。
気にすんな。演出って奴だ。
・第14部:「...baby」
遙の台詞。アニマルクラッカーのシーンで出たのと同じ台詞。上で書いているが、訳すと、「ねぇ…今この瞬間、これと同じ事をやっている人が、世界中に他にいるなんてこと、あると思う?」「そう願いたいね。じゃなければ、俺たちは、一体何を救おうとしているんだ?」
・第14部:「クワトロかよ!?」
クワント・コエルム大尉だ!!
つーか、大尉なのか?
さて、言うまでもなくこれはZガンダムに出てきたクワトロである。無論、金髪。ちゃんとサングラスもつけている。いや、やっぱり顔を隠して出ないといけないだろって所で。機体、金だしな!
コエルムというのは、この後ろで小沢が言っているが、ラテン語で空の意味。
制作者サイドが名前を決められずに、原稿掲載日その日まで決定しなかったという、素敵なクワント大尉。
・第14部:「くそ…ダカール演説小説版の引用か…」
わからない人はがんがん置いていくモード発動。
よく見ると、クワントの喋りだしの所もこれ。っていうか、コレがやりたかったんだろ!とか、言うな。
・第14部:「そうそう、あたるものではない!」「それはシャアだ!!」
何やら一部、別の所で熱い戦い。
初代の1話だった気がする。
・第14部:「では、主役の登場と行きましょうか」「貴様──またかッ!!」
別の所で熱い戦いをしている人たち。その二。
・第14部:赤い彗星が駆け抜けていく。
明確に書いていないので「?」と首を傾げてしまうかもしれない所だが、実はR‐II、この時のカラーは赤一色なのである。よって、赤い彗星という描写を使っているのである。
実はこの辺りにはちょっとした制作側の問題も絡んできていて、もともとR‐IIは最終決戦時の色は赤になるという話で進んでいた。
読み返してみれば、初陣時はまだ塗装が終わっておらず、銀色で、二回目の出撃の時(実際に出撃してはいないが)は「サーフェイサーが乾いていません」と言うことで、灰色だった。
そしてこのラスト、宇宙仕様となったR‐IIは赤い機体となって「ばばーん!」と登場する予定だったのだが…
展開上の問題で、R‐三が「金色」で先に出てしまったので、インパクトを奪われたのである。
植村と大沢の「百式!?」の台詞は、そんな裏事情を知っていると、かなり可愛そうだなぁとも思える。
あと、この宇宙戦の映像って、誰が撮ってるんだろう…イーグルかしら…それともどこかの衛生かしら…
・第14部:「エピオンみたいだ!?」
R‐IIが赤の理由のひとつでもある。
ブログテールというのは劇中でも触れているが、背中のバックパックから伸びた、サソリのしっぽを長くしたような装備。(しかも、結構長い)
制作者サイドでは「しっぽ」の相性で親しまれていた。
アニメーター泣かせという噂もある。
・第14部:空気のない宇宙でないと、放熱問題があって使えないんですけどね
R‐IIの装備のほとんどは、放熱問題から、地球上ではその破壊力のすべてを出し切れない。
放熱版の羽根はR‐1から装備としてつけられたものだが(ツイン・テラ・ランチャーのため)、これが結構お気に入りになった著者が、いかにすればこの羽根を格好良く、かつ意味があるものとして演出できるだろうかと考えた末、「宇宙だな」という結論に達してこのような話にした。
あと、R‐1のツイン・テラ・ランチャーであそこまで派手にやった放熱演出を、R‐IIではどうするつもりだと思ったというのも、ある。
撃つ度に弱くなる必殺武器はなぁ…
・第14部:「当たり所が悪いと、こうも脆いものか…」「大尉ー!!」
Zキター!?
・第14部:センシングフィードバックシステム
劇中でもちらりと触れていたが、BSSに搭載されているシステム。
BSSはここでも触れているように、FESの進化したものなので、脳内の運動感覚をピックアップして機械を動かす他に、機械がセンサーによって感じた、物体の形状や硬度、重さなどの情報を脳に返す事ができるようになっている。週刊版でも、1話の段階から出てきていた設定。
今回のエネミーはナノシステムが構築されているので、それでシステムをクラックして、一也の脳にアクセスしてきたという話。エネミーが機械(金属物)に対して同化を行うというのは、第4部でもやっている。
このことからわかるように、これは初期からあったプロット。
・第14部:R‐三の放熱システムが全身をくまなく使っているとは言え
春日井の台詞。
金色のR‐三は、その身体のすべてが放熱システムになっている。
よって、放熱すればするほど、金色が輝く!み、見たい!!
・第14部:「やらせはせんよ!!」
クワントの台詞は、深く考えなくていいと思ったシーン。
・第14部:「まだだ!まだ終わらんよ!」
ああっ、50話の台詞までいっちゃったよ!
ちなみにやられ方は初代を彷彿させる。
・第14部:「そんな決定権が、お前にあるのか!」
Zガンダムにおける、クワトロの最後の台詞。
恐ろしいくらいにぴったりはまった瞬間。別に、初期プロットでここまで考えていた訳ではない。念のため。
だが、このシーンがはまった事で、クワント大尉がただのパロディから「そうでなければならない」ものにまで昇華されたような気がする。
しかしこの展開(と言うか台詞)は、誰が予測できたであろうか!!絶対、ただのネタだと思ったでしょ!クワントが出てきた時!!
・第14部:一也はエネルギーの全てを使い、超硬化薄膜を張っていた
ブログテールから薄膜を発生させて、自分の撃ったツイン・テラの一撃を減少させて自分も反動を食らうという演出は、ブログテールから薄膜シールドが出せるという設定をもらった時に思いついたもの。よって、これも結構初期の段階からあった。
かなり上の方でも書いたが、2nd Millではメカを壊しまくるというのが個人的にあったので、R‐IIも思いっきり壊れるべきだろうと思い、ならばどう壊すかで、自分の最強の武器で壊れるという演出を取った。
・第14部:ラストシーン
ここだけの話だが、実は2nd Millは、この第14部で終わろうかと思っていた。
が、第16部を書いた。
ここで終わるのは、なんとなく週刊版と同じように、逃げなんじゃないかと思ったからだ。
頭に書いた予告の文章、あれが連載前に掲載されたとはすでに話したが、いくらなんでも、この第14部終了の段階であれを覚えている人がいるわけがないだろうと思ったのも、ひとつの原動力であった。
そんなわけで、第15部、ついにエピローグ。
・第15部:「イーグルの上」
というこの一也の台詞。
これが出るまで、「うーむ、夢オチというのも、ここまで来たらアリかも知れない」とか思っていたのは内緒。
そんなわけで、わざとそんな風に書いている。ちょっとドキドキさせる文章。
あと、一応わかると思うけれど、「イーグル2の上」ではなくて「イーグルの上」なので念のため。
イーグルはイーグル2を切り離した後、オートパイロットで太平洋上に着水していたのです。まぁ、そんな伏線。
・第16部:『異常な状況下でむすばれた男女は、長続きしないものよ?』
SPEED(1994.米)という映画のラストシーンであった台詞。監督、ヤン・デ・ボン。出演はキアヌ・リーブス、デニス・ホッパー、サンドラ・ブロック等。
英語で言うと「You know relationships that start under intense circumstances, they never last.」
SPEED2ではこの二人、確か別れている所から始まる。
WildCatというのはおてんば娘のことで、SPEEDワンシーンで、犯人が「WildCatによろしく」みたいな事を言うシーンがあって、それがサンドラ・ブロックの事を指すことにキアヌが気づき…みたいなシーンがある。
・第16部:ガヨマウンテン
コーヒー豆の名前。インドネシアの豆。有機栽培で作られていることが多い。昔はマンデリンに混ぜられて輸出されていたとかいないとか。
酸味の少ない豆。
・第16部:教授のジュニア
結論から言って、名前は決めていない。
ご想像にお任せする。
・第16部:小沢と拓也が礼をしあうシーン
このシーン、個人的には小沢のシーンの中でも、かなりのトップランクに位置する名シーンだと思う。
なんで?という方に解説すると、拓也の礼は小沢だけでなく、歴戦の勇士たちみんなに対してのもので、小沢はそれに対して応えるというシーンだからだ。
過去のいろんな出来事をすべて背負って、それでいて礼をする父と、それに応える小沢。小沢というキャラクターが、このシーンをしっかりと出来るキャラクターとして育ったことは、R‐0に登場するたくさんのキャラクターの中でも、この男の位置づけと感情の動きが、うまく書けていたからだと思う。
初めは悪役のつもりで出したのに、出世したな…小沢よ…
・第16部:空も海も大地も、今はそこに生きる、全ての者たちに委ねられてるんだ
後に続く男のように、「ひゅぅ」と口を鳴らしたくなる名台詞。
まさか、週刊版の時に名前を付けるに当たって、この台詞が頭にあったわけがないので、これは偶然の産物。
・第16部:留守電って、嫌いなんだよね
「また、切っちまったぜい」という台詞でおわかりかと思うが、第2部の留守番電話の3件目は遙。
同じ事をして、だけれど今回はもう一度かけ直す。
・第16部:「素敵な、彼ですね」
というフライトアテンダントの台詞に、遙は「ばかなんですよ」と答える。
彼女なりの回答。
・第16部:OMEGA speedmaster X‐33 『mission complete』
すでにここまで読み進めてきた方々には、説明の必要などないが、これは一也と遙が一緒に動かしたスピードマスターと同じMTタイムを指す時計と言うことで、劇中にだけ登場するウォッチ。
基本機能はX‐33と同じ。一応、一也と遙のしている時計はオリジナルなので、X‐33の機能以外のものはないが、『mission complete』には多分、MTモードが2種類とかあって、同じ時間を指すモードと通常モードがあったりするんだろう。あー、あと、シリアルとボックスくらいはついているかもしれない。一也と遙のサインがあったら笑うが、ありそうな気も、しないでもない。教授辺りが勝手にやってそうな…
「新しい世紀まで、あと何分?」という一也の台詞が、全世界に向けて発信された影響と、巨大ロボットのパイロットが宇宙に飛び出した時にしていた時計と言うことで、特別に作られたウォッチという設定。『mission complete』というのは、もう、その名の示すとおり。
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・あとがき:あとがきの脚注かよ!?
と、言うわけで、第2版用のあとがきを書くのもなんなので、この脚注の所にさくっとあとがきも書いてしまうことにします。
えー、だって、いちいちファイルあげるの面倒じゃん。
さて、そんなわけで、新世機動戦記R‐0 2nd Millennium END. 第2版は如何でしたでしょうか。
R‐0は2nd Millで終わり、もうこれ以上は書かないと2nd Millのあとがきにも書いていましたが、まー、一応、続きを書く気は今でも毛頭なく、今回の第2版を出したのは、webサイトのリニューアルに伴い「そう言えば、2nd Millのラストは誤字修正もしてないし、通しでの直しもしてないな」と思い出したので、第2版を作ることにしたのでした。
さて、そんなわけで頭から直しを初めて見ると、「そう言えば、こいつには脚注がないな」と思ったのでした。まぁ、別に作品の目指していた所から考えて、脚注はなくてもよかったんですが、読み返してみると、自分でもネタがストレートに思い出せない所が多々あったりで、これはあと一年したら、忘れてるな…うむ…と、言うことで、このファイルを作る事にしたのでした。
ま、おまけみたいなものなので、それくらいの感覚で楽しんで下さい。
第2版は、第1版と違い、すべてが完成し、しかも1年経った今、全体を通して直しをしています。
なので、シーンはいくつか修正されていますし、何シーンかが、追加されています。
特に追加されたシーンとしては、詩織のシーンが多く追加されています。
2nd Millでは、詩織がかなり重要な役回りをするのですが、第1版では、結構、詩織はおざなりにされていました。特に詩織の家族の部分に関するシーンは全くなく、読者に想像で補完していただくというような(しかも、それをするための足がかりはないという)、かなり他力本願な作りになっていたと思います。
第2版ではここの部分をかなりの量追加し、詩織の貫通行動がしっかりとわかるようにしてみました。まー、でも、結局詩織の両親との和解のシーンはないので、その辺りはご想像にお任せしますという感じなんですけどね。
本当は、ラストのみんながテレビを見ているシーンで、詩織や睦美、恭子や吉原のシーンを挿入しておけば、それだけで十分な説明になったかとは思うのですが…映像なら、数秒なんですけどね。文章にすると、ちょっと厳しい気がします。
R‐0は週刊連載時、「アニメにならないの?」という話がありました。
個人的に、R‐0はアニメを意識した作りにしているので、アニメ化はこちらとしてもやりたいところなのですが、いかんせん、予算的な問題や技術、ワーカーの問題などがあって、未だに実現していません。もっとも、もしもアニメ化という話になれば、2nd Millのあとがきに書いた「もうR‐0は書かない」という台詞は撤回しなければなりませんが…
さすがに97年の作品を、今アニメで動かすだけの度胸はない…
さて、アニメ化の話はともかく(買ってくれる方がいらっしゃれば、シナリオからデザイン周りの設定まで、いくらでもお売りしますが)、2nd Mill。
第2版では、敵側のSmorkerとスティーブの台詞が、かなりの量、修正されました。
もともと、Smorkerとスティーブに関しての部分は、連載開始前によく練り込んでいなかったこともあり、全編を通してみると、貫通行動がかなりぐらついていました。特にスティーブですね。第1版では、芯が通っていなくて、なんとも振り回されているだけのように見えました。まー、連載期間が長すぎたというのもあるのですが…
第2版ではいくつかの追加シーンと共に、この辺りはすべてすっきりと整理しました。これだけで、だいぶん、作品が締まった気がします。
一也とハンガーで会う前に、話すシーンまで出来ましたしね。
全編を通して、第1版よりも読みやすく、すっきりとした印象に第2版が変わっているなと思っていただければ幸いです。
さて、如何でしたでしょうか。
新世機動戦記R‐0 2nd Millennium END.
今、修正のために自分自身が週刊版から読み返してみても、なかなかの大作だと思います。
当時の自分が、どうしてここまで出来たのか、それはもはや永遠の謎ですが、一也、遙のふたり、そしてNecの連中を中心としたこの物語。
みなさん、お楽しみいただけましたでしょうか。
今後、R‐0が新作として公開される事はないでしょうが、もしも、もしも!
どこかでぽっと復活したら…
その時は「おいおい、オメー、2nd Millのあとがきはなんだったんだよ」と苦笑しながら、楽しんでいただければと思います。
まー、予定は全くないんですけどね。
それではまた、別の作品のあとがきでお会いしましょう。
2004/11/28 日付がかわってすぐ。
著者 村上 裕一
[End of file]
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